研究結果が示唆【ウォーキングは、体重増加、乳がんや認知症の予防に有効】ジム・屋外どちらがよい？

ウォーキングには身体的にも精神的にもメリットが多い

2013年に発表された「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」誌に掲載された7万３千人以上の閉経後の女性を対象とした研究では、唯一の身体活動がウォーキングの女性が週に7時間以上歩いた場合、週に3時間以下の女性と比較して、乳がんのリスクが14％減少したことが分かっている。また、2018年に行われたアメリカ心臓協会の研究では、閉経後の女性8万9千人の10年間の歩行習慣を調査し、歩く頻度、時間、速さが増すほど心不全のリスクが低くなることが明らかになっている。特に、週に2〜3回、40分間以上の速歩が組み合わさると最大の利益があった。歩くことはコレステロール、血圧、エネルギーレベルを改善し、体重増加を抑え、心臓の健康を向上させる。

また、米イリノイ州オーク・ブルックにあるスポーツジム「ライフタイム」のパーソナルトレーナーで矯正エクササイズのスペシャリストでもあるジュリエット・ロドリゲスによれば、ウォーキングには肉体的な効果だけでなく、様々なメリットがあり、「気分、認知機能、協調性、バランス感覚の向上など多くのメリットがある」と言う。

屋内ウォーキングVS屋外ウォーキングの長所と短所

屋外ウォーキングの長所:

カロリー消費が多い: 風の抵抗や様々な地形など、屋外の障害物によってより多くのエネルギーを使うため、屋外でのウォーキングはより多くのカロリーを消費する。

異なる筋肉の強化: 変化に富んだ屋外の地形は、バランスとコアの強化に寄与する安定筋を鍛えるのに役立つ。

気分の向上: "グリーンエクササイズ"と呼ばれる屋外運動と精神的健康の向上に関する研究もあり、自然の中での運動が心の健康に直接関与していることがわかっている。

ビタミンDの増加: 太陽の光はビタミンDの最高の源である。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、病気のリスクを減らし、認知症の予防にもにつながる。屋外で太陽の光を浴びることにより、この重要なビタミンDのレベルを増加させる。

長距離トレーニングがしやすい: 屋外のトレーニングは、平坦なランニングマシーンとは異なり、バランス、安定性、アップダウンに様々な筋肉を使用するため、長い距離を歩くことに適している。

屋外ウォーキングの短所:

硬い地面: 関節の問題がある場合、舗装された地面は膝や足首などに余分なストレスをかけるリスクがある。

安全上の懸念: 歩道がない地域や障害物がある場合、安全に歩くことが難しい場合がある。

天候に左右される: 雨や雪、強風などの悪天候時には難しい。

屋内ウォーキングの長所:

天候に左右されない: 冷える、暑すぎる、雨の日でも使用可能であり、いつでも利用できる。

ワークアウト内容のコントロール: 予めプログラムされたワークアウトや傾斜設定など、ウォーキングを制御するオプションが豊富である。

速く歩ける: 障害物がなく、時間設定のため、室内での歩行は屋外よりも速くなり、同じ時間でより多くのカロリーを消費できる。

ケガや体調に合わせやすい: スピードと傾斜を正確に制御できるため、ケガの回復中や体の調子が万全でない場合に適している。

屋内ウォーキングの短所:

カロリーの消費が少ない: 屋外のような風抵抗や変化する地形がないため、エネルギーを消費する必要が少なく、カロリーの消費が少なくなりがちである。

下りのオプションが限られる: ランニングマシーンは主に上りの傾斜で下りを模倣する設定が少ないため、特定の筋肉の強化が不足する場合がある。

費用がかかる: ランニングマシーンを購入するかジムに加入する必要がある。

結論:

どちらがベストかは個々の好みと状況による。継続できるかどうか、また個々の健康目標に合った方法を見つけることが重要である。天気や体調に左右されずにトレーニングを続けたい場合は、屋内のランニングマシーンが適しているが、屋外の自然な環境で運動することで心地よさや心の安定感を得たい場合は、屋外のウォーキングが良い選択と言えるだろう。何れにしてもウォーキングによる様々な恩恵を受けるためには継続的に行うことが大切だ。

出典：
How Does a Walk on a Treadmill Compare to a Walk Outdoors?

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