「ふるさと納税でリンゴが大量に届いた!どう保存すれば長持ちしますか?」管理栄養士が回答
ふるさと納税を活用すると、おいしい食べ物がお得に購入できますね。しかし食べ物が実際に届くと、その量の多さに驚いてしまうことがあります。とくに生鮮食品は、食べきれずに困ってしまう人も多いでしょう。この記事では、ふるさと納税で大量に届いてしまったりんごの保存方法について解説します。できるだけよい状態で保存して、そのおいしさを長く楽しみましょう。
リンゴの保存で気を付けたい「3つのポイント」
ふるさと納税でおいしいリンゴを注文して楽しみに待っていると、段ボール箱いっぱいに届いて驚いた、という人はいませんか?せっかく注文したのに食べきれずに困ってしまった、という人もいるでしょう。しかしリンゴは正しい方法で保存すると、家庭でも1〜2ヶ月間は保存できます。
リンゴを保存するうえで気を付けたいポイントは「温度・湿度・エチレンガス」です。
リンゴの適正な保存温度は0〜5℃、高くても10℃以下での保存が推奨されます。また、リンゴは乾燥すると味や食感が損なわれるため、湿度をある程度高く保つことが必要です。リンゴの保存に適する湿度は、85〜90%といわれています。
エチレンガスは、野菜や果物が作り出す植物ホルモンの一種であり、成熟を促す作用があります。野菜や果物は自らエチレンガスを発生させて、自分自身の成熟を早めているのです。
エチレンガスを作り出す量や影響の大きさは、野菜や果物の種類により異なります。エチレンガスの生成量が多いものには桃やメロン、西洋梨があります。リンゴも、エチレンガスを多く作り出す果物です。冷蔵庫にリンゴを入れると、ほかの野菜や果物の熟成が早まり傷みやすくなるため、リンゴの保存には注意が必要です。
「温度・湿度・エチレンガス」という3つのポイントを押さえながら、リンゴの保存方法について詳しく見ていきましょう。
冷蔵庫で保存する場合
リンゴを収納できるスペースがあれば、冷蔵庫で保存しましょう。
冷蔵庫内でも、一般的に0〜5℃程度に設定される冷蔵室が、リンゴの保存に適しているように思えます。しかし冷蔵室は湿度が低く乾燥しやすい、冷気の吹き出し口付近で温度が下がり過ぎる、といった懸念点があります。そのため、温度と湿度が冷蔵室よりも若干高い野菜室での保存がおすすめです。
リンゴはひとつずつペーパータオルや新聞紙で包み、乾燥から守りましょう。リンゴから蒸発する水分を、適度に吸収する役割もあります。
ペーパータオルや新聞紙で包んだリンゴは1個ずつポリ袋に入れ、口をしっかり閉じて冷蔵庫へ入れます。リンゴから発生したエチレンガスが、冷蔵庫内のほかの野菜や果物へ影響するのを防ぐためです。また、リンゴの乾燥を防ぐ効果もあります。
適切な方法で冷蔵保存したリンゴは、1〜2ヶ月保存可能です。
秋冬なら常温保存も可能
リンゴが段ボール箱で届いて、冷蔵庫には到底入りきらない、という場合があるかもしれませんね。秋冬の気温が低い季節であれば、常温で保存しても問題ありません。その際は廊下や玄関など、家の中でもより気温が低い場所に置きましょう。春夏は気温が高いため常温には置かず、冷蔵保存してくださいね。
段ボール箱に入れて保存する場合も、リンゴ同士のエチレンで互いの熟成が早まる可能性があります。しかし冷蔵保存と同じようにポリ袋に入れると、リンゴから蒸発する水分でカビが発生することも考えられます。そのため常温保存の際は、リンゴをひとつずつペーパータオルや新聞紙で包み、乾燥を防ぐ程度で十分です。
リンゴは冷暗所で常温保存すると、約1ヶ月間はおいしさを保てるでしょう。
「温度・湿度・エチレンガス」という3つのポイントに気を付ければ、リンゴは長期間保存できます。たくさん届いたリンゴは上手に保存して、そのおいしさを長く楽しんでくださいね。
【参考文献】
ブラベリーファーム「りんごの保存方法に困っている方必見!農家がりんごを長期保存する方法」
道の駅なえぎ「りんごを長持ちさせるには保存方法がポイント!常温・冷蔵・冷凍での保存期間は?」
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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