塩に賞味期限がないって本当?意外と知らない塩の正しい保管方法と賞味期限の落とし穴|管理栄養士解説
毎日の料理に欠かせない「塩」。塩は常に台所に置いている定番の調味料ですよね。「買ってからしばらく経ったけれど、賞味期限は大丈夫かな?」と思った経験はありませんか?今回は塩の賞味期限や正しい保管方法についてご紹介します。
塩に賞味期限がないって本当?
期限を調べるために塩のパッケージを確認したことはありますか?探してみても、塩のパッケージには賞味期限の記載がありません。実は「塩には賞味期限がない」のです。
塩には賞味期限がない
塩は「経年劣化が極めて少ない」ため、食品衛生法、JAS法に基づき賞味期限・消費期限のどちらも設定されていません。開封したあとであっても、正しく保管すれば劣化することがほぼないので期限を気にすることなく食べられるのです。
注意!賞味期限がある場合も
しかし塩には賞味期限がない、といっても実は、賞味期限が設定されている塩もあります。
賞味期限が設定されている塩は主に、塩以外になにかが混ざっている商品です。ハーブ塩、ごま塩などは塩の中にハーブやごまが含まれているため賞味期限が設定されています。
また、見た目は「塩」と一緒でも減塩タイプの塩には賞味期限が決められている場合があります。すべての塩が無期限で食べられるわけではないので、購入するときに一度チェックしておくと安心ですね。
そして、賞味期限が設定されていない塩であっても、保存状態が悪ければ劣化するおそれがあるため、正しく保管する必要があります。
塩の正しい保存方法とは
塩は「常温で、温度や湿度の変化が少なく、匂いの強いものを避けて保管」するのがおすすめです。
常温の場所に
塩を冷蔵庫で保管すると、使用するたびに急激な温度変化があり結露の原因となります。また、高温すぎる場所でも温度の変化を受けるのでコンロの近くなどは避けて「常温で温度変化の少ない場所」に置きましょう。
湿度の変化がない場所
塩は湿気を吸収しやすい性質があり、湿気でかちかちに固まってしまいます。さらさらの状態を保つために、湿度の変化が少ない場所に置くのがおすすめです。
密閉容器に入れて
塩は匂いを吸収しやすい性質があります。強い香りがある調味料の近くに置いておくと匂いがうつってしまうので、匂いが強いものの近くは避けましょう。ふたをしっかりと閉められる密閉容器に入れておくと匂いの吸着を防げます。
塩をさらさらにするには
塩をさらさらのまま保つには上記のとおり「温度や湿度の変化が少ない場所」に保管するのがベストです。それでも塩が固まってしまったときには、いくつかさらさらに戻す方法があります。
つぶしてほぐす
固まりすぎていない場合は、スプーンなどでつぶすと簡単にくだけます。固まりかけていることに気づいたら、かちかちに固まりすぎてしまう前にくだいておきましょう。
フライパンで煎る
固くなってしまったものは、油なしのフライパンで、弱火にかけましょう。水分が蒸発してさらさらに戻ります。
電子レンジで加熱
ふたやラップなしで耐熱容器に入れて、電子レンジで加熱しましょう。フライパンで煎るのと同じように、水分が蒸発します。
フライパンや電子レンジで加熱したときは、湿気を防ぐために冷めてから保存容器に移しましょう。
塩には基本的に賞味期限がありません。しかし、商品によっては設定されている場合があるので使う前に一度チェックしておきましょう。また、正しい保存方法で保管し、劣化しないように注意する必要があります。長く使用できて便利な調味料だからこそ、保存方法に気をつけたいですね。
【参照|公益財団法人 塩事業センター|商品情報】
AUTHOR
なつめももこ
管理栄養士/Webライター/イラストレーター。管理栄養士として病院に7年間勤務。出産を機に「子どもとの時間を大切にしながら働くこと」を目標にフリーランスのWebライター&イラストレーターとして活動開始。現在は栄養に関する記事を執筆するほか、未経験からイラストレーターになる方法について発信している。
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