【豆腐】パックの水、保存するときは捨てる?それとも捨てない?意外と知らない豆腐パックの水の役割
店頭に並ぶ豆腐のほとんどは、水に浸かった状態で売られています。この水にはどのような役割があるのか、みなさんはご存知でしょうか?知らないけれど、なんとなく捨てているという方も多いでしょう。 今回は、残った豆腐を保存するときにパックの中の水を捨てるのが正解なのか、それとも捨てない方がよいのか、気になる疑問に管理栄養士がお答えします。
パックに入った水の役割とは?
豆腐が水と一緒に包装されて売られている理由は、おもに2つあります。
型崩れを防ぐ
1つ目の理由は、運送の際に豆腐が崩れるのを防ぐためです。豆腐はとてもやわらかくもろいため、衝撃を受けると形が崩れるおそれがあります。容器の中の水には、まわりからの衝撃をやわらげるクッションとしての役割があります。
空気に触れないようにする
2つ目の理由は、空気を遮断するためです。豆腐に空気が直接触れると、雑菌が繁殖する原因となり、豆腐が傷みやすくなってしまいます。パックの水には、衛生面でも大切な役割があるといえるでしょう。
豆腐のまわりについた水は洗い流さなくてOK
豆腐と一緒に入っている水はほとんどの場合、通常の水と変わりません。やや黄色く変色していることもありますが、これは大豆の色素成分が溶けだしたものです。口に入っても問題はありません。
そのため、開封後の豆腐は洗わずに食べることができます。もちろん気になる方は、サッと流水で洗ってもかまいません。
お好きな方法で下処理をしてから、調理に使いましょう。
豆腐を保存するときは、捨てるのが正解◎
パックの中の水には豆腐からの苦味成分や、にがりの余分な成分などが移ってしまうため、無理に食べる必要はないでしょう。栄養もほとんど含まれません。
また、パックの水を使い回して、残った豆腐を保存すると、かえって健康を損なう可能性があります。保存している間に水から雑菌が繁殖し、食中毒のリスクが高まるためです。豆腐を開封した場合、容器に入っている水は捨てるようにしましょう。
余った豆腐の保存方法
使い切れなかった豆腐を保存するときは、購入時のパックではなく清潔な保存容器を使用しましょう。きれいな水(もしくは、塩ひとつまみを加えた塩水)を豆腐がかぶるくらいに張り、冷蔵庫で保存します。毎日水を入れ替えれば、3~4日ほど日持ちします。
ただし、消費期限・賞味期限が迫っている場合には、そちらを優先し、はやめに使い切るようにしてくださいね。
豆腐の水は捨ててから保存しよう
豆腐と一緒に入っている水には、型崩れを防ぎ、雑菌の繁殖を抑える役割があります。しかし一度開封すると、水の中の雑菌が増え、豆腐が傷みやすくなるため、使い回さずに捨てるようにしましょう。残った豆腐を保存するときは、毎日きれいな水に張り替えることがポイントです。豆腐を上手に保存して、最後までおいしくいただきましょう。
【参考文献】
・日本豆腐協会「豆腐のあれこれ Q&A」
・タカノフーズ株式会社「お客様相談室 その他の質問」
・島本美由紀,2015年「ひと目でわかる!食品保存事典」講談社
・徳江千代子 監修,2021年「食品の保存テク」朝日新聞出版
AUTHOR
藤倉詩織
管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。
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