泥付きゴボウと泥なしゴボウ、何が違う?管理栄養士が教える、ゴボウの使い分け方
泥が付いている茶色いゴボウと、付いていない白いゴボウ。みなさんは、この2つの違いをご存知でしょうか?実は見た目だけではなく、味わいや鮮度をキープできる期間、適切な保存方法など、細かな部分にも違いがあるのです。 そこで今回は、泥付きゴボウと泥なしゴボウの違いと、おすすめの使い分け方を紹介します。
泥のあり・なしでなにが違うの?
お店に並ぶゴボウをよく見てみると、泥が付いたままのゴボウだけでなく、きれいに洗浄されたゴボウも売られていることがあります。どちらを購入すればよいのか、悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。泥付きのゴボウと泥なしのゴボウは、どのような点に違いがみられるのか、ここから紹介していきます。
下ごしらえの手間
泥なしゴボウであれば、出荷の際にあらかじめ泥が落とされているため、流水でササッと洗えばすぐに調理に使うことができます。一方で、泥付きゴボウはしっかりと泥をこすり落とす必要があります。そのため、泥付きゴボウのほうが、泥なしゴボウよりも下処理の手間がかかるといえるでしょう。
風味
泥付きゴボウのほうが、泥なしゴボウよりも、ゴボウ特有の味わいや香りを強く感じることができます。その理由のひとつが、泥がゴボウの表面からの乾燥を抑えてくれることです。
また、ゴボウは皮に香りやうまみの成分が多く含まれています。そのため、泥なしゴボウの場合、洗浄の処理によって香りが落ちてしまいます。
劣化のスピード
ゴボウは乾燥だけでなく、傷にも弱い野菜です。表面に傷がつくと、風味や鮮度が落ちやすくなります。
泥なしゴボウの場合、洗浄の段階で皮に傷がついてしまったり、長さを整える際にできた切り口から劣化が始まったりしてしまいます。そのため、泥なしゴボウは泥付きゴボウよりも鮮度が落ちやすいと考えられます。
保存方法
泥付きゴボウと泥なしゴボウでは、保存方法にも違いがあります。
たとえば泥付きゴボウは、新聞紙に包んで、冷暗所(風通しがよく、直射日光の当たらない涼しい場所)で保存するのが適しています。このように保存すれば、およそ2か月ほど日持ちするでしょう。
一方で泥なしゴボウは鮮度が落ちやすいため、ラップで包んで冷蔵庫で保存するのがおすすめです。泥なしゴボウは傷みやすいため、1週間程度で使い切るとよいでしょう。
おすすめの使い分け方
意外にも多くの違いがある、泥付きゴボウと泥なしゴボウ。いったいどのように使い分けるのがよいのでしょうか。おすすめの使い分け方を紹介します!
風味を味わう料理や、すぐに使いきれないときには「泥付きゴボウ」
泥付きゴボウは、風味のよさと日持ちしやすいのがポイントです。サラダや、炊き込みご飯など、ゴボウの香り・特有の風味をしっかり楽しみたい料理を作るときには、泥つきゴボウがおすすめです。
また、ゴボウを使い切るのに1週間以上かかりそうな場合にも、保存中に鮮度が落ちにくい泥つきゴボウを選ぶとよいでしょう。使うときに使いたい分だけ切り分け、残りは新聞紙にくるんで冷暗所で保存しておきましょう。
香り・味わいを重視しない料理や、調理の手間を省きたいときには「泥なしゴボウ」
前に紹介したように、泥なしゴボウは、泥付きゴボウよりも風味は落ちてしまいます。そのため、きんぴらゴボウや煮物など、しっかりと調味料で味付けする料理に使うと、風味の弱さが気になりにくくなります。
また、泥なしゴボウのメリットは、下ごしらえの手間が少なく、調理の時短になることです。忙しくて調理の手間を省きたい方や、泥でシンクを汚したくない方には泥なしゴボウがうってつけです。
作る料理や使うペースに合わせてゴボウを選ぼう
泥付きゴボウと泥なしゴボウはそれぞれ異なるメリットがあります。作りたい料理やライフスタイルに合わせて、泥付きゴボウと泥なしゴボウを使い分けてみるのはいかがでしょうか。
【参考文献】
・JAグループ「秋・冬の旬野菜 ゴボウ」
・徳江千代子 監修,2021年「食品の保存テク」朝日新聞出版
AUTHOR
藤倉詩織
管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。
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