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果物の缶詰だけ缶の種類が違う?果実缶にブリキ缶が使われている理由は【缶詰のギモン】


果物の缶詰の内面は、スズメッキが施されています。長期的に保存されているものだからこそ、「スズの影響を受けないの?」「なぜスズが使われているの?」と疑問に思う方もいるでしょう。果実缶にスズが使われているのには、きちんとした理由があります。その理由について、缶詰の調査研究団体である「日本缶詰びん詰レトルト食品協会」に教えていただきました。
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果実缶にスズメッキが施されているのは世界共通
缶詰は、中身の色や味、缶そのものの腐食を防ぐために、それぞれに適した塗装が施されていますが、果実缶や野菜缶詰めの一部においてはブリキ缶が使われており、このブリキ缶はスチールにスズメッキを施したものとなります。これは日本だけでなく、世界中で用いられていることから、果実缶や野菜缶の多くはスズメッキの施されたブリキ缶であると言えます。
なぜ果実缶にはブリキ缶が使われるの?
果物や野菜が缶詰にしても美味しく保たれるのは、ブリキ缶に入っているからです。缶詰になった果物や野菜に含まれる酸素によって、ブリキ缶のスズが微量溶け出ることで、内容物の酸化を防いだり、色や香りといった品質を保ってくれています。つまり、スズによって果物や野菜が美味しく保たれているということです。
スズが溶けても安全なの?
果実缶に溶け出た微量のスズは、食べても人体に蓄積されることはありません。缶詰に含まれる程度のスズは、口にしてもきちんと排泄されることが分かっており、食品衛生上の安全も認められているため安心してください。
しかし、開封した果実缶は、空気に触れることでスズが溶けやすくなります。残りを缶に入れたまま冷蔵庫にしまうのではなく、ガラスや陶器、プラスチックなどの他の容器にうつして冷蔵庫で保管しましょう。

photo by Adobe Stock
取材協力:日本缶詰びん詰レトルト食品協会
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