「冷蔵室に入れちゃダメ!」意外にも冷蔵保存NGな野菜&果物とは?原因と保存方法を管理栄養士が解説
野菜を美味しい状態で長持ちさせたい。 食材を大切にする気持ちからすべての食材を冷蔵庫に入れていませんか? 実は野菜には適切な温度があり、冷蔵庫に入れることによって美味しさや状態が悪くなってしまう原因になります。 今回は家庭で使用する野菜の中で冷蔵庫に不向きな野菜とその保存方法について、管理栄養士が詳しく解説します。
冷蔵保存に不向きな野菜は?どのような保存がいいの?
冷蔵室に野菜を保存する時に実は不向きな野菜は意外に多いです。どのような野菜が冷蔵室保存に向いているか、はたまた不向きなのかを知り、賢く冷蔵庫を使いましょう。
さつまいも
冷蔵室の冷たい空気に触れることで起こる低温障害は、さつまいもでは非常に起こりやすい現象です。低温状態で長く保存することは、腐敗や内部の変色に繋がります。さつまいもは、表面を乾かして新聞紙などで包み室内の温度差がない場所で保存しましょう。
オクラ・ナス・きゅうり・ピーマンなどの夏野菜
オクラやきゅうりなどの夏野菜は気温が高いとつい冷蔵庫で保存したくなりますね。
実は夏野菜は冷蔵室で保存することで変色をしたり、野菜の表面にくぼみができてしまいます。冷蔵保存によって、見た目と共に美味しさも損ないます。
夏野菜は冷やしすぎると甘さも少なくなるため、常温保存でも問題ありません。冷蔵庫を使用する場合は、キッチンペーパーや新聞紙に包んで低温障害にならないように保存しましょう。また、冷蔵庫での長期保存は不向きですので早めに食べましょう。
レモン
レモンは暖かな気候の土地で育つ植物です。
そのため冷蔵庫に入れると、内部の果肉を包んでいる皮が黒く変色してしまったり、表面にくぼみができ、品質の劣化が起こります。
レモンは5〜15℃に保つことで腐敗や低温障害がなく1ヶ月程度は保存できます。1ヶ月以上保存が必要な場合は適度な大きさにカットをして冷凍保存もオススメです。
冷蔵保存向きの野菜かどうかを見分ける方法
これまでに紹介した野菜には共通点があります。それは、すべて暖かな気候の土地で育つということです。
気温が高い土地で育った野菜や果物は、温度の低い冷蔵庫に入れることで、低温障害や腐敗・未追熟につながってしまいます。
保存をする際、その野菜や果物の原産地の気候や季節を考えてみるのもオススメです。
管理栄養士からのコメント
野菜や果物は収穫した後も生きて呼吸をしています。
その作物が成長した環境にあわせて保存方法を変えることが、美味しく長持ちさせる秘訣です。
また適切な保存場所に保管することで、冷蔵庫内の詰めこみ予防になります。空間が空き整理されることで節電にもつながります。ぜひできることから冷蔵庫の整理整頓をしてみましょう。
〈参考〉
植物と低温障害その化学的基礎 名古屋大学農学部 瓜谷 郁三
旬の「くだもの」を大学農場で発見!上手な保存方法も知ろう 大阪府立大学 今堀義洋
広島県公式HP 長期貯蔵後のレモンの適正保管温度を解明
農林水産省 夏野菜&果物の保存術
AUTHOR
竹内寿美恵
保育園栄養士、スポーツ栄養士、国立病院にて臨床栄養を経験。さまざまな経験を積む中で、ストレスの軽減をし、心身共に幸せな生き方をしたいと心に決める。 そのために『食×栄養×ヨガ』を組み合わせたホリスティックな知識をより深く学ぼうとインドネシア、バリ島にてベジタリアン、ヴィーガン、ローフード、ヨガ栄養学の留学をする。 現在は栄養カウンセリング、ヨガインストラクターなどフリーランスの管理栄養士として活動。
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