【ごま油】入れてはいけない保存場所とは?ごま油の正しい保存方法を管理栄養士が解説
食欲をそそる香りで料理に大活躍するごま油は、多くの家庭が常備している調味料です。ごま油にはあまり劣化しない印象がありますが、どの程度日持ちするのか、どこで保存するのが適切かご存知でしょうか?この記事では、ごま油の正しい保存方法について解説します。劣化したごま油に見られる変化や、避けるべき保存場所についても紹介するので、ごま油のおいしさを長く楽しむための参考にしてください。
ごま油の賞味期限は?
香ばしい香りで、中華をはじめとしたさまざまな料理に活躍するごま油。開封してから長く置いていても、風味があまり落ちない印象がないでしょうか?
油は「光・空気・熱」の影響で酸化が進みますが、ごま油には、ほかの油よりも酸化しにくい特性があります。未開封のごま油の賞味期限は、光や空気を通しやすいペットボトルに入っているものは1年半ほど、光や空気をより遮断できる瓶入りのものは2年ほどです。
ただし、ごま油は一度封を開けると酸化が進んでしまいます。開封したら1〜2ヶ月で使い切るようにしましょう。
ごま油は酸化すると、塗料や枯れた草のような不快な臭いを放つようになり、色や味も変化します。酸化した油を料理に使用すると健康にも悪影響を与えるため、上記の期限内でも、異変を感じたごま油は使用しないでください。
フタを閉めて冷暗所で常温保存しよう
ごま油は「直射日光が当たらない場所で常温保存」が正解です。
油の酸化は光が影響するため、戸棚の中やシンクの下などの光があまり当たらない場所に保存してください。温度が高くなる場所でも、油の酸化が進みます。料理中に使いやすいからといって、ごま油をコンロのそばに置いておくのはおすすめできません。
空気に触れることでも、油は酸化します。衛生的に保存するためにも、使い終わったごま油はフタをきちんと閉めましょう。
ごま油は冷蔵庫に入れないで!
温度が高くなる場所を避けるなら、ごま油は冷蔵庫で保存したほうがいいのでは?と思うかもしれません。しかしごま油を冷蔵庫に保存すると「凍結現象」が起こる可能性があります。
ごま油を温度が低い場所に置いておくと、ごま油の成分が結晶化して白い粒が生じたり、白く濁って粘性が高まったりします。これがごま油の「凍結現象」です。凍結現象が生じても、常温に置いておくともとの状態に戻って、いつもどおりに使用できます。容器ごとぬるま湯で温めてもよいでしょう。
凍結現象が起きても、味が劣化することはありません。しかし料理に使いにくいどろっとした状態になってしまうため、わざわざ冷蔵庫で保存する必要はないでしょう。ごま油メーカーも、冷蔵庫での保存は推奨していません。
気温が高くなる夏場に、ごま油を常温に置いておくのが心配な方は、冷蔵庫のドアポケットか野菜室で保存するのがおすすめです。冷蔵庫のドアポケットは冷気の吹き出し口から遠く、またドアの開閉があるため温度が下がりすぎません。冷蔵庫の野菜室は冷蔵室よりも温度が若干高めなので、凍結現象が起こりにくいと考えられます。
賞味期限を意識することが少ないごま油ですが、適切に保存できていなければ酸化して健康を害するおそれがあります。ごま油を正しく保存して、おいしく使い切りましょう。
【参考文献】
九鬼産業「おまかせください。ごま油に関するお悩み解決します!」
かどや製油「お問合わせ・よくあるご質問 」
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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