古くから伝わるヨガの考え方を学びなおそう
現代の神経科学者は、ヨガを行った後の状態は、改善された血液循環、臓器の浄化、ドーパミンの放出による当然の結果だという。古くから考えられていたヨガ哲学を今一度みなおしてみよう。きっと毎日のプラクティスがより充実するはず。
最近、ヨガクラスの後に深い瞑想で紅潮した生徒が近づいてきて、私に向かってこう言った。「方法がたった今分かりました。空中浮揚のことです。シャヴァーサナ(亡骸のポーズ)では、本当に地面から浮かび上がっているかのように感じました」
その感覚はよく分かる。プラーナ(生命のエネルギー)は両足が地球の中心に触れると同時に、体の中から高まるように感じるのだが、それはまるで至上の幸福の中で、宙を歩き、滑空しているかのようなのだ。運動や統合的なヨガのセッションの後に外に出ると、色はより鮮やかに見え、より鮮明に香りが鼻の中に満たされているように感じる。声、風、そして行きかう車の騒音もより強烈に迫ってくる。内にあるすべてがかつてない程により深く感じ、なおかつ周辺のすべてに結び付いているように感じる。ヨガの後、空間は浄化され、心は澄み渡る。本質がはっきりと現れ、私たちはざわめき、喜ぶ。そして、平和の喜びを感じる。どうしてこのようなことが起こるのだろうか?
左脳による答え: 筋肉を動かす分子
現代の神経科学者は、ヨガを行った後の状態は、改善された血液循環、臓器の浄化、ドーパミンの放出による当然の結果だという。要するに、ヨガで休息と消化系統をつかさどる副交感神経系が活性化したというのだ。迷走神経を刺激することで、快楽を与えるホルモンが放出され、認知力が強化され、至福の気持ちに至る。これは真実だが、40年前にヨガをプラクティスし始めたとき、私は事実と感情以上のものを求めていた。交通事故に遭い、臨死体験から生還し、ここに存在する理由、どこから来たのか、そして、どこに行くのかを探し求めていたのだ。
右脳による答え:エネルギー領域での陰陽の極性の変化
『行いの善悪の観念を超えたところに、ある領域がある。そこで会いましょう』とイランの詩人、ルーミーは書いた。彼のエネルギーの領域は普遍的かつ明確だ。
多くの哲学では、『ガイア』の領域、万物の時空母体、量子場、プラーナあるいは生命力の領域のどれかにおける信念を共有している。『大霊』は、すべてのヨガプクティスでより鮮明になり、この領域に存在する。ヨガは『大霊』との接触や恩恵をもたらす大きな精神的エネルギーの集合を培う。ハワイの人々はこれを先祖代々の領域を意味する『アウマクア』の領域と呼ぶ。キリスト教徒はこれを天国と呼ぶ。サンスクリットでは、領域は『プラクリティ』、領域を知る人を『プルシャ』と呼ぶ。
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