更年期に嫌なことが頭から離れない時に思い出したい大切なこと|不眠を乗り越えるシンプルな行動
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
更年期には不眠を訴える方が多いのですが、寝る前にその日の嫌なことや過去の嫌なことが頭に浮かんで離れない、と言うご相談はよくあります。
嫌なことを引きずりやすい方へのちょっとした工夫をお伝えします。
同じことばかり考えることは脳に悪い?
まず知っていただきたいのは、同じことばかり考えることを「反芻思考」と言います。反芻思考をすると、脳の神経細胞が萎縮し、記憶力や注意力などの認知機能が低下する可能性があることが示されています。*1
ですから、まずは「同じことばかり考えると脳にダメージを与える」ということを知っておいてください。嫌な人、嫌な出来事でご自身の脳にダメージを与えるなんて、なんだかバカバカしい、と思えればラッキーです。
ちょっとした工夫でも楽になる
とはいえ「考えるな」と言われると考えてしまうのが人の性分というもの。
であれば、考える時間や場所、時間帯の制約を設けてみるのも一つの方法です。
例えば「寝る前は考えない」でも良いでしょう。翌朝起きてから考えればいいのです。
大抵は翌朝にはもう考えなくなっているものです。この考え方をするようになってから私は随分と寝つきがよくなり、あまり考えることはなくなりました。
例え夜中に目が覚めたとしても、悩みを考えることは翌朝まで保留し、眠れなければそのまま起きて仕事をしたり、家事をすることにしたのです。
そうすると格段に嫌なことを考える時間は全体でも減ってきます。
ただ、こういったことは慣れが必要ですし、最初いきなり自分でやるのも難しい場合もあります。そういった時は、カウンセリングなどを使って悩みを整理してもらうことがおススメです。
悩みを細分化していくことで、何から悩めばよいのかわかるのです。もしくは「果たしてこの内容は時間をかけて悩んだ方がいいのか」という根本的な気づきもあるはずです。
あなたの限りある時間をより有益に使える様に、是非こういった工夫を取り入れてみてください。
*1…J. M. Gotlib, J. L. Joormann『Rumination and Brain Aging: A Review of the Literature』(Journal of Personality and Social Psychology、2010年掲載)
AUTHOR
高本玲代
フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く