【更年期の性事情】年間500件以上の相談を受けてわかった、更年期世代に共通する【性の悩み】とは
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
更年期になると体調の変化やパートナーとの関係性の変化などから性に関するお悩みも増えます。
私も年間500件以上の更年期女性のカウンセリングをしておりますが、こういったご相談は結構あります。なかなか友達にも話せない相談事のため、そういった話をしていただけるようになるまでに、カウンセラーとしての関係構築に時間がかかる場合もあります。
今日はご相談いただく内容で共通して多い内容をお伝えします。
そもそも性生活が苦痛
更年期になって体調が悪くなると性生活が苦痛になる場合があります。しかし、それをパートナーに説明しても理解を得られない、というご相談が一定数あります。
共通して女性が言うことは「体調が悪い中で求められることは自分のことを理解してくれていない証拠。性のはけ口にされている」ということです。
他方、男性にとって女性は唯一性的なパートナーでもあります。「愛情の表現」として性交渉を考えている人も多いため、断られることにとてもショックを受けてるケースがほとんどです。
また、「更年期で体調が悪い」といってもどれくらいなのか、なぜそうなるか、の説明があまり伝わっていないことがあります。
そういった時にはこちらが介入し、客観的で権威性のあるデータなどを示したりしています。ご本人経由であれば、そういったことが社会問題になっていることの記事などをパートナーに送ってもらい、「決して愛情がないわけではなく、体調が悪くその中でいわれると辛い」ということを明確に伝えてもらっています。
性交痛がある
女性ホルモンが低減すると、体の中で乾燥が起こりやすくなるとされています。そしてこの時期起こるのが「萎縮性膣炎」であり、症状の一つに性交痛があります。すべての人に起こるわけではありませんが、一定数のご相談があります。
本人からすると、痛みが生じるため、毎回の性交痛が苦痛になったり恐怖心でますます辛くなったりします。
こちらは医学的なサポートが可能で、婦人科でご相談いただくと処方をいただけます。「自分だけかも」「こんなことを伝えるのは恥ずかしい」とは思わずに医師に相談してください。医師はその点よくご存じです。
更におススメは、更年期外来を実施している医師です。更年期にそういった症状が出ていることは熟知されているので、より安心です。
また日頃のケアとして、ごしごしと腟を洗いすぎるのも良くありません。大事な常在菌が流れてしまうからです。この場合、専用ケアソープで優しく洗うことも大事です。
更年期の時期に性交痛がおこることについては、パートナーにも伝え、治療を始めたらその都度状況を伝えておくとパートナーとの関係がぎくしゃくすることもないのでおススメです。
AUTHOR
高本玲代
フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
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