【胡麻(ごま)】すり潰さないと栄養が摂れない?!ごまの上手な食べ方を栄養士が解説
風味豊かでお料理からお菓子まで幅広く使われる、栄養豊富な「ごま」。実は粒のままではほとんど栄養が摂れていないことをご存知でしょうか。今回はごまの栄養や上手な食べ方についてお伝えします。
粒のままでは食べている意味がない!?
「炒りごま」としてお店に並んでいる「ごま」。実はそのまま食べても栄養はあまり吸収されずに体外に排出されてしまうことをご存知でしょうか。ごまは外皮が硬いため、粒のまま体の中に取り込まれても、胃や腸で消化吸収されずにそのまま体外排出されてしまうのです。また粒が小さく歯ですりつぶされることも難しいため、粒のまま体内に取り込まれている場合が多くあります。
「ごま」に含まれる栄養素
「ごま」は抗酸化作用・老化防止などの作用があり、黒ごまにはポリフェノールも含まれているため、アンチエイジングとしても注目されています。
ゴマリグナン…老化防止や肝機能の向上、がん予防など
オレイン酸・カルシウム・マグネシウム・ビタミンE…血中の悪玉コレステロールの低下
セサモリン…加熱の温度が高いと増える栄養素で、強い抗酸化作用がある(香ばしいごま油など)
ごまを手軽に美味しく調理に取り入れるには
市販で売られているごまには、「すりごま」「練りごま」「ごま油」などがあります。または「粒ごま」を調理の際に「すりつぶす」などの方法があります。ごまは油分が多く酸化しやすいので、調理にごまを使用する際は、粒ごまをすりつぶすことがおすすめです。
ごまをすりつぶすには昔ながらの「すり鉢」などがありますが、今は簡単に粒ごまをすりつぶせる「ごますり器」が手軽に購入できますので、気になる方は是非利用してみてください。
また、「練りごま」は「ごま」と栄養素は同じですが、「いりごま」をすり潰しペースト状になっているため、栄養の吸収率がとても高く、一度に多くのごまを摂取できます。
白ごまの練りごまは、ドレッシングや中華風料理(棒棒鶏や坦々鍋など)にしたり、黒ごまの練りごまは、ごま和えやお砂糖と混ぜてトーストに、胡麻プリンやミルクときな粉を加えてたドリンクなども寒い季節にはおすすめです。
白ごま・黒ごま・金ごまの違い
白ごま・黒ごま・金ごまとは、それぞれ品種や産地が異なります。黒ごまを精製したものが白ごまになる、白ごまを炒ると金ごまになる、というわけではありません。栄養成分はほとんど同じで、それぞれ少しずつ特徴が違います。
白ごま…ごま油の原料。雑味・苦味がなく、黒ごまに比べ脂質が若干多い。海外で使われているごまの多くは白ごまで、料理やお菓子などにも幅広く使われる。
黒ごま…生産地の限られている黒ごまは、ポリフェノールが豊富で、「黒ゴマポリフェノール」と呼ばれる成分は、赤ワインの35倍、緑茶の100倍以上とも言われています。
金ごま…白ごま・黒ごまに比べ風味が豊かでコクがあり、生産数も少なく希少価値が高いため、料亭などで使用されることも多くあります。
洗いごまとは
「洗いごま」という名を時々見かけますが、これは別名「生ごま」とも言われます。
「白ごま・黒ごま・金ごま」は「炒りごま」と言われ、火が通っているごまに対し、「洗いごま(生ごま)」は火を通していないごまになります。ごまを収穫した後に、洗浄・乾燥させたもので、使用する際は、加熱(調理)する必要があります。火を通すと酸化が早まるため、「洗いごま(生ごま」は一般的な炒りごまに比べ、加熱(調理)した時の風味がとても良いのが特徴です。
さまざまな料理やお菓子に使われている「ごま」
栄養たっぷりのごまを効率良く体内に取り込むために、是非いろいろと工夫してみてください。
AUTHOR
半田葉子
バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く