【炊飯器の保温でご飯が腐るって本当?】炊飯器での保温の目安とご飯の保存方法を管理栄養士が解説
秋になると楽しみなのが新米。日本人にとって炊き立てのご飯は何よりもごちそうですよね。毎回炊き立てのご飯が食べられたら幸せですが、一度にまとめて炊く場合も多いと思います。そこで時間が経ってもご飯をおいしく保つ方法をご紹介します。
炊飯器での保温の目安は?
炊き立てのご飯は白くツヤツヤしていて、それだけで食がすすみますよね。一方、炊飯器で炊いて時間が経ったご飯は、黄みがかりパサパサしてしまいがちです。どれくらいの時間、保温できるのでしょうか?
炊飯器で保温できる時間は機種によっても異なりますが、一般的な目安は5〜6時間程度、長くても半日が限界とされることが多いようです。つまり、朝食にご飯を炊いて、そのまま保温して昼食に食べるくらいであれば大丈夫。しかし夕食にご飯を炊いて、それを朝食に食べると6時間以上経ってしまうので、炊飯器で保温しない方がおすすめです。
また長時間保温すると、ご飯がおいしく食べられないだけではなく、傷んでしまう危険性も。ご飯には元々バチルス菌という菌が存在します。これは高温でも死滅しない、耐熱性のある菌。長時間保温状態にあると、栄養、水分、温度の条件が揃う為、バチルス菌が繁殖してしまう可能性があるのです。その為、メーカーが推奨する保温時間を確認するようにしましょう。
保温時間を過ぎてしまう場合は冷凍がおすすめ
炊飯したご飯を一度に食べ切れない場合、冷蔵保存をしている家庭もあるかと思います。ただ冷蔵より冷凍の方がおすすめ。なぜなら、ご飯に含まれるでんぷんは温度が下がると生米のようにパサパサした状態に変化してしまいます。それが最も進むのが2〜3℃と言われているので、冷蔵保存はご飯が劣化しやすいのです。
その為、まとめて炊飯したり、一度に食べ切れない場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍する際のポイントは以下の通り。
①炊き立てのご飯をラップで包む
冷めてからラップに包んでいる方もいるかもしれませんが、冷める間にご飯の水分は失われてしまいます。その為、冷凍する場合は、炊き立てのご飯を茶碗一杯分づつラップに包むのがおすすめ。蒸気ごと包むイメージでぴったりと密封します。この時に押し潰してしまうと解凍した時にベタついてしまうので、ふんわりと優しく包みましょう。
②粗熱を取ったら、アルミトレイにのせて急速冷凍
熱い状態のご飯を冷凍庫に入れると、周りの食品が傷んでしまうので、粗熱をとってから冷凍庫に入れます。アルミトレイの上にのせて、急速に冷凍をするとご飯の風味を損なわずおいしく冷凍できますよ。
<参考元>
『食品保存の便利BOOK』 食のスタジオ編(西東社)
Panasonic 冷凍ごはんをもっとおいしく食べるには?おすすめの保存方法や炊き方をご紹介
AUTHOR
和田 梓
管理栄養士。これまでヘルスケアIT企業にて、ダイエット・糖尿病・IBD・CKDなど、幅広い悩みに向けたレシピ開発を100件以上行う。その他、記事執筆、WEBページの企画・編集、保健指導などに従事。ハーブやスパイスを使った創作家庭料理が得意。
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