【お悩み相談】「寝苦しい暑い夜も快適に眠りたい!」#毒出し保健室

 【お悩み相談】「寝苦しい暑い夜も快適に眠りたい!」#毒出し保健室
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アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!

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今回「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、夏の夜の寝苦しさで、睡眠不足に悩まされていると言うT子さん。エアコンや扇風機をつけて寝ると夏風邪を引いてしまうことが多いことから、なるべくなら電気製品に頼りたくないと話します。

【お悩み相談】「寝苦しい暑い夜も快適に眠りたい!」

桑子: こんにちは!今日はどんなお悩みでしょうか?

T子さん: 夏の夜でも快適に眠りたいです。エアコンや扇風機をつけると、夏風邪を引いてしまいやすい体質で…ですので、電化製品なしでも快適に眠れるようにしたいんです。

桑子: 就寝直前はエアコンなどはつけていますか?

T子: 日によりますが、つけていることは多いです。

桑子: 寝入りはいいですか?

T子: うーん…そうでもないですね。エアコンを消してしまうと蒸し暑さが増してしまって…

桑子: 寝入った後、夜中起きてしまうことはありますか?

T子: たまにあります。暑くて水分を取りすぎた時などはトイレに行って…それで、目が冴えてしまうこともあります。

桑子: 水分は、水ですか?

T子: はい。氷水です。

アーユルヴェーダアドバイザーのアドバイス

エアコンや扇風機を寝る時につけっぱなしで、夏風邪を引いてしまう方は意外と多いそうです。あまりにも暑い日には、適温で冷すことも必要ですので、風が直接当たらない場所にベットや布団を敷くなどして工夫することも試してみると良いかもしれません。

一方でアーユルヴェーダでは、自然の力を利用して体(あるいは心)を冷やすテクニックが豊富にあります。

夏は私たちの体にもともと備わっている熱のエネルギーが増す時期と考えられています。エネルギーのバランスが良い時は心身は快適な状態ですが、増えすぎてしまう(あるいは減りすぎてしまう)ことでバランスが崩れ心身の不調に繋がってしまいます。今回のご相談の場合は、熱のエネルギーが増えすぎてしまったことによる不調ですので、そのバランスを整えることが必要になってきます。

アーユルヴェーダの考え方は基本的にシンプルで、逆のエネルギーを加えて、バランスと整えていきます。つまり、このケースですと冷」のエネルギーを加えていきます。冷というとネガティブな要素があるように感じる方もいるかもしれませんが、冷のエネルギーもわたしたちが心身共に健康に暮らすために大切なエネルギーです。

アーユルヴェーダ的夏の夜も睡眠の質をあげる方法

冷す性質のあるスパイスウォーターを飲む

フェンネル、蓮、バラ、ベチバー、ミント、コリアンダー、ココナッツウォーター、サトウキビジュースには、冷す作用が期待できます。就寝前は、常温のお水にこれらを加えて飲むのがおすすめ。飲みすぎないように注意して下さいね。これらは、日中の暑さをしのぎ、熱中症予防にも効果が期待できます。氷水は、急激に体を冷やしてしまうので、トイレが近くなってしまいますので、要注意。

寝る前に冷たいシャワーを浴びる

暑い夜の就寝前には、冷たいシャワー(私は「自然のエアコン」と呼んでいます)を浴びるのがおすすめです。私はぬるま湯からはじめて、徐々に温度を下げるようにしています。火照った体を冷やすことはもちろんですが、イライラや興奮を感じているときは、文字通り「頭を冷やす」ことができるので、カッときた時には試してみてはいかがでしょうか。

ココナッツオイルを使ったフットマッサージで疲れを癒す

オイルマッサージはアーユルヴェーダが得意とするセルフケアです。とは言え、オイルマッサージと言うと、寒くて乾燥した冬のセルフケアというイメージがあるかもしれませんね。夏のオイルマッサージのポイントは「ココナッツオイル」。ココナッツオイルには冷却作用があるので、体を温めすぎることもなく、またベトベトした重たい感じにもなりません。

足はわたしたちを支えるための根底にあるものですが、その足を優しくマッサージすることで、グランディング(地に足をついた状態)へと導いてくれることも◎。また、マッサージには、深いリラックス効果があり、安眠を促してくれます。

コットンのシーツを選ぶ

コットンシーツは、通気性がよく、快適で、冷却効果が期待できます。夏は熱のエネルギーが高くなりやすいので、肌に直接触れるパジャマや、シーツ、こうしたコットン素材を選ぶのがおすすめ。コットンはマイクロファイバーと違って、熱を体から逃がしてくれます。また、シーツの色もできれば気をつけると良いでしょう。白やクリーム、オーシャンブルーなど、明るい色合いのもがGOOD。濃い色は日中の太陽からの光と熱を吸収し、薄い色は光を反射すると考えられています。

月光浴

アーユルヴェーダでは夏は夜、屋外で(月の下で)過ごす「月光浴」というセルフケアを勧めています。夏の夜、屋外で過ごすこと(特に月の下で/月に向かって眠ること)は、日中の疲れを癒し、火照った心身を冷やし、熟睡を助けてくれると言われています。

夏は昼寝もあり!

実はアーユルヴェーダでは、昼寝は夏以外の季節は禁忌とされているんです。一方で、夏は気候が暑く、太陽が体力を消耗するため、午後は室内の涼しい場所で昼寝(ディーヴァ・スワパ)をすることを勧めています。夏の日中の昼寝は、エネルギーを回復(精神的・肉体的疲労を和らげ)、乾燥と暑さのために夏に減少する体内の水分・潤滑を増加させると言われています。昼寝に最適な時間 は、食後1時間後(食後すぐはNG)。最適な姿勢は、左横向き(ヴァマ・ククシ)です。

寝不足の時は無理せず、昼寝をする時間も取り入れて、夏を思う存分楽しんでみてはいかがでしょうか。

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AUTHOR

桑子麻衣子

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。



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