夜中にトイレで2回以上目が覚めると死亡リスクが上がる?上級睡眠健康指導士が警告するワケ
40代後半〜50代になると「夜中にトイレに目が覚めてしまう」という人が急増します。歳だから仕方ないと安易に考えがちですが、実はそこにはいくつものリスクが潜んでいます。今回は上級睡眠健康指導士、角谷リョウさんの著書『働く50代の快眠法則』(フォレスト出版)より、「夜のトイレ問題」と睡眠不調との関係についてご紹介します。
あなたは夜中に何回トイレに行きますか?
角谷さんによれば、必ずといっていいほど睡眠改善の相談に出てくるのが「夜にトイレで目が覚めてしまって困っている」という内容だそう。読者の中にも、同じ症状で悩んでいるという方がいるのではないでしょうか。大きな声で話しづらい内容なだけに、「自分だけなのだろうか」と悩んでしまうかもしれません。しかし、あなたが40代後半〜50代なのであれば、実は夜のトイレ問題は当たり前に近い悩みなのです。
日本排尿機能学会の研究によれば、50代になると6割の人が夜に1回以上、2割の人が2回以上トイレにいくというデータがあります。ちなみに、夜2回以上トイレに行く人は「夜間頻尿」に当てはまります。トイレに行くこと自体が苦にならず、またすぐに眠れるという人は良いのですが、いつまでも夜のトイレが改善されないままでは、さまざまな健康リスクを抱えることになってしまいます。
夜間頻尿が引き起こす健康リスク
夜にトイレに何回も起きる「夜間頻尿」が引き起こすリスクをみてみましょう。
・慢性的な睡眠不足になる
・死亡率アップ
・転倒リスクの増大
夜間頻尿によって寝つきが悪くなると「中途覚醒」を起こし、睡眠不足に陥りやすくなります。男性では3回以上、女性では4回以上、この回数を超えると生活への支障が深刻化するとの報告があります。また、夜間頻尿がある人とない人では、5年後の生存率が約2倍違うという衝撃的な研究結果も存在します。さらに、夜中のトイレは寝ぼけていることも多く、転倒や骨折のリスクも2倍になるという研究結果も出ています。
50代になると「夜のトイレ」が増える理由
なぜ50代になると、夜間頻尿になる人の数が増えるのでしょうか。一般的には、以下の3つが原因だといわれています。
・排尿を我慢するホルモンが減る
・下半身に水分が溜まりやすく、寝ると中央に戻ってきてしまう
・排尿機能が低下する
これらの症状に対して本気で改善したい方、悩みが深刻な方は「夜間頻尿診療ガイドライン」を参考にしてみましょう。そこには日本排尿機能学会が公式で発表している改善方法が提示されています。ただし、やるべき行動のハードルが少し高めに設定差されているため、「そこまで本気で改善するほどではない」「ちょっと困っている程度」という方は、角谷さんの書籍に書いてある内容を試すだけでも十分な改善が見込めるとのこと。ぜひ、試してみてください。
●著者……角谷リョウ(すみや・りょう)
上級睡眠健康指導士。日本睡眠学会会員。これまで計120社、累計6万5000人の睡眠改善をサポートしてきた実績をもつ。パーソナルトレーナーとして企業向けに、運動・食事・睡眠の改善サポートを行うなかで「睡眠の改善」がメンタルやコンディションの回復につながることに気づき、睡眠改善に特化する活動にシフト。認知行動療法や心理学をベースにした独自の睡眠改善メソッドによるサポートを行っている。 「人は、強制されても生活や行動は変わらない」をモットーに、楽しく自ら自分を変えたくなるようなサポートを追求している。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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