「はちみつは腐らない」ウソ?本当?注意すべきはちみつの賞味期限とは|管理栄養士が解説
「はちみつは腐らない」と聞いたことがあるけれど、パッケージを見ると賞味期限が記載されていて「あれ?」と思った経験はありませんか。腐らないといわれているはちみつと賞味期限との関係についてご紹介します。
はちみつに賞味期限ってあるの?
はちみつに賞味期限は「ある」!
はちみつには賞味期限が設定されており、パッケージなどに期限の日付が記載されています。純度100%のはちみつは高糖度、水分量が少ない、酸性といった性質があり保存性の高い食品ですが、風味や色合いがかわってしまうことがあります。風味が変わらず食べられる期間が「賞味期限」として設定されているのです。
そもそも賞味期限とは
賞味期限とは、期限をすぎると腐ってしまう・食べられなくなってしまう期限のことではありません。未開封の状態で、正しく保存していた場合に「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のことを指します。
傷むことがない純度100%のはちみつに賞味期限が設定されている理由は、上述のように「おいしく食べられる期間」を消費者に伝えるためなのです。一般的にはちみつの賞味期限は1〜3年に設定されています。風味が落ちないうちにおいしく食べたいですね。
はちみつが傷みにくい理由とは
保存性が高い条件が揃っている
はちみつは「高糖度」「水分量が少ない」「酸性」といった特徴があり保存性が高い食品です。
純粋なはちみつであれば糖分が約80%、水分が約20%。菌が繁殖するために必要な水分が少なく、糖度が高いため傷みにくいのです。またはちみつはph3〜4で弱酸性。弱酸性の環境では細菌が活動できず繁殖することがありません。
以上のように、はちみつには菌が繁殖しにくい条件が揃っているため、基本的には傷んだり腐ったりしないのです。
注意!傷んでしまう場合も
基本的に傷まないはちみつ。しかし、注意も必要です。はちみつを食べるときに指をいれてしまったり、ツバや水が入ってしまったりすると細菌やカビが繁殖して腐ってしまうおそれがあります。
はちみつを食べるときには毎回清潔なスプーンですくう、使い切りタイプの小分けされたパックの商品を選ぶなどして、衛生面に気を配りましょう。
また、はちみつに白砂糖や水あめが含まれていて純度の低いもの(加工されたはちみつ)は傷んでしまうかもしれません。添加物が含まれることにより保存性が低くなってしまうためです。
購入するときにパッケージを見て「加工されたはちみつ」「純度100%のはちみつ」のどちらであるかを確認しておくのがおすすめです。
添加物が含まれているはちみつの場合も、清潔なスプーンを使用し期限内に食べ切るようにしましょう。
はちみつは賞味期限を過ぎても食べられる?
未開封の状態の純度100%のはちみつであれば、賞味期限を過ぎても食べられます。ただし「おいしく食べられる期間」を過ぎているので、風味が劣化している場合があります。はちみつの風味を直接味わう食べ方よりも、調味料として料理やお菓子づくりに使うのがおすすめです。
開封後の場合は、気づかないうちに水や異物が混入しているかもしれません。純度100%のはちみつであっても傷んでいるおそれがあります。安全と判断できないはちみつは食べないようにしましょう。
「はちみつは保存性が高い」といっても保存状態によっては傷むおそれがあるので「期限内に使い切る」「衛生的に使用する」「期限内に使い切れる量を購入する」といった点に注意しておくといいですね。
参照:
全国はちみつ公正取引協議会|はちみつに賞味期限がある理由は?賞味期限の設定方法は?
一般社団法人 日本養蜂協会|ハチミツの品質規格
AUTHOR
なつめももこ
管理栄養士/Webライター/イラストレーター。管理栄養士として病院に7年間勤務。出産を機に「子どもとの時間を大切にしながら働くこと」を目標にフリーランスのWebライター&イラストレーターとして活動開始。現在は栄養に関する記事を執筆するほか、未経験からイラストレーターになる方法について発信している。
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