【牛乳】開封後は期限まで飲める?期限切れは飲めない?保存期限と正しい保存法|管理栄養士が解説
カルシウムやたんぱく質など、栄養バランスに優れた牛乳。冷蔵庫に常備している家庭も多いのではないでしょうか?でもうっかりしていると、期限が切れてしまったということもしばしば。 ただ期限が切れても飲める場合があることを知っていますか?今回は牛乳の賞味期限と、正しい保存方法についてご紹介します。
牛乳の殺菌方法によって違う 賞味期限と消費期限とは?
牛乳パックに記載されている期限が、殺菌方法次第で賞味期限か消費期限か異なることをご存知ですか?市場に出回っている牛乳の9割が超高温瞬間殺菌(UHT)と言われる殺菌方法で、120~150℃で1~3秒間加熱殺菌する方法がとられています。この高温殺菌された牛乳に記載されている期限は賞「味」期限。高温で殺菌するため、食中毒の原因になる菌が殺菌され、保存期間が長くなるためです。
一方、低温殺菌と言われる、60〜70℃で30分間加熱殺菌する方法もあります。こちらは低温で加熱するため、牛乳中のたんぱく質の変性が少なく、加熱によるにおいもほとんどないため、生乳に近い味わいを楽しめます。ただし、菌が残りやすく、劣化が早い為、記載されているのは賞「費」期限。商品によって記載されている期限が違うのは驚きですよね。
期限切れの牛乳は飲める?開封後は、いつまで飲める?
では期限が切れてしまった牛乳は飲めるのでしょうか?
結論として、未開封で冷蔵庫(10℃以下)で正しく保存されていた、賞「味」期限が記載されている牛乳は、期限が過ぎたからといってすぐに飲めなくなるわけではありません。ただし、牛乳の状態によるので「見た目」「匂い」「味」に違和感がないかを確認し、違和感があれば捨てるようにしましょう。一方、消「費」期限が記載されている牛乳は、未開封であっても飲まない方が安全です。
尚、賞味・消費期限に限らず、開封後の牛乳は記載されている期限まで安心して飲めるわけではありません。牛乳は一度開封すると品質が劣化し始めるので、開封後は2日を目処にできるだけ早く飲み切るようにしましょう。開封後、時間が経っている場合は、「見た目」「匂い」「味」に違和感がないかを確認するようにしてください。
牛乳は冷凍できる?正しい保存方法とは?
牛乳は栄養価が高い分、細菌が繁殖しやすい食品です。これから迎える夏の時期は特に注意が必要ですよね。そこで以下の3つのポイントをおさえましょう。
①注ぎ口には触らない
注ぎ口に指を引っかけて開けると、そこから菌が入って増殖する可能性があります。その為、注ぎ口には触れずに開けるようにしましょう。また、直接牛乳パックに口をつけて飲むのはやめましょう。
②注ぎ口はクリップで止める
牛乳は他の食品のにおいを吸収しやすい性質があります。そこで、開封後は注ぎ口をクリップでとめるのがおすすめ。またキムチや魚など、においの強い食品と離して保存するようにしましょう。
③製氷器に移して冷凍保存もできる
牛乳の期限が切れそうな場合は、ホワイトソースにして冷凍保存をするのがおすすめ。冷ましたホワイトソースをジップ付きの袋に入れ、空気を抜いて平らにした状態で冷凍しましょう。
またホワイトソースを作るのが面倒な場合は、牛乳を製氷器に小分けにし、冷凍保存をすることもできます。ただし解凍すると牛乳中のたんぱく質や脂肪が分離して、ざらついた感じになることも。そのまま飲むのではなく、料理に使ったり、飲み物に加えるとおいしくいただけますよ。
<参考元>
『もっとおいしく、ながーく安心 食品の保存テク』徳江千代子監修(朝日新聞出版)
『ひと目でわかる!食品保存辞典』島本美由紀著(講談社)
一般社団法人日本乳業協会 乳と乳製品のQ&A
AUTHOR
和田 梓
管理栄養士。これまでヘルスケアIT企業にて、ダイエット・糖尿病・IBD・CKDなど、幅広い悩みに向けたレシピ開発を100件以上行う。その他、記事執筆、WEBページの企画・編集、保健指導などに従事。ハーブやスパイスを使った創作家庭料理が得意。
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