産婦人科医が語る骨盤底筋群|尿漏れ、頻尿のその先に。骨盤底筋群が衰えるとどうなる?
骨盤底筋群。ヨギなら普段から多く耳にする言葉だと思う。しかし、なんとなく把握しているものの、その位置と多様な役割を本当に理解している人はどれくらいいるのだろうか?
はじめに言っておくことがある。骨盤底筋群とは、膣でも尿道でも肛門のことでもない。骨盤の底に縦に8の字のように張り巡らされた、ハンモック状の筋肉群の総称だ。この筋肉に下から支えられるように、膣・尿道・肛門は存在する。それぞれを自分の意思でキュッと締めることができるのは、骨盤底筋群の働きのおかげなのである。
「若いうちは意識することが少ない骨盤底筋ですが、女性にとって大事業である『妊娠・出産』の経験、そして誰でも年を重ねることで衰えます」と、産婦人科医の八田医師。たしかに、出産を経験した女性から「尿漏れするようになっちゃって……」「お風呂に入るとアソコにも水が入って大変」などという悩みを打ち明けられたことがある。
骨盤底筋の衰えは放置厳禁
「骨盤底筋が弱くなると、くしゃみや笑っただけで尿漏れや、頻尿などを引き起こします。さらに進行すると、骨盤内で支えていた内臓の加重に耐えられなくなり、膣から臓器が降りてきてしまう『骨盤臓器脱』になってしまいます」と、八田医師。ただ、骨盤底筋は生活の中で手軽に鍛えられる場所であるため、八田医師の著書を参考にして、ぜひ鍛えてみて欲しい。
ヨガで骨盤底筋群にアプローチしよう
だがやはり、ヨギにはヨガで、骨盤底筋を鍛えて欲しい。下記のメソッドをチェックしてみて。
産後の尿漏れ対策に!ゆるんだ骨盤底筋を引き締めるペルヴィックワーク
https://yogajournal.jp/730
どこにあるかわからない!骨盤底筋に働きかけるヨガ版コアトレ
https://yogajournal.jp/1322
骨盤を整え、背筋を鍛える!美しい姿勢を作る3ポーズ
https://yogajournal.jp/1167
お話を聞いたのは…八田真理子医師
産婦人科医。1990年聖マリアンナ医科大学卒業。順天堂大学、千葉大学、松戸市立病院産婦人科勤務を経て、1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。思春期から更年期までの幅広い女性の診療を行う。日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医。日本マタニティフィットネス協会認定インストラクター。膣をきちんとケアすることの重要性を訴え、女性の体について知っておくべき知識を1冊にまとめた「産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話」(アスコム)を発売。
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