睡眠の問題を自然な方法で解決!アーユルヴェーダ的、睡眠障害の4つの改善アプローチ

 睡眠の問題を自然な方法で解決!アーユルヴェーダ的、睡眠障害の4つの改善アプローチ
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睡眠は私たちの健康と幸福にとって重要な要素です。しかし、現代の忙しい生活やストレスの多い環境の中で、多くの人々が睡眠障害に悩んでいます。そこでアーユルヴェーダの著者であるアカリ・リッピーが自宅でも簡単にできるアーユルヴェディックなアプローチをご紹介します。

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アーユルヴェーダと睡眠障害の関係

アーユルヴェーダとは、インドの伝統的な医療システムであり、現代においては、インドに限らず世界中で、病気の治療から日々の心身のメンテナンスにまで、幅広く実践されています。アーユルヴェーダを用いて心身のバランスを回復することで、深い眠りを促進するために役立てましょう!

本記事では、アーユルヴェーダの原則と実践方法を紹介し、良質な睡眠を実現するための方法をご紹介します。

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アーユルヴェーダではドーシャと呼ばれる3つのエネルギーが、体や心の働きを司っていると考えます。3つのエネルギーは、それぞれワータ、ピッタ、カパ、と言い、このエネルギーのバランスが崩れると心身に不調が生じます。睡眠障害を引き起こす原因は、これらすべて、あるいはどれか1つか2つのエネルギーが乱れているからです。

例えば、ワータのバランスが崩れると、不安感や落ち着きのなさが出るので、なかなか寝付けなかったり、途中で起きてしまったりします。ピッタのバランスが崩れると、怒りや焦燥感が出たり、のぼせや大量の発汗が生じるので、暑くて寝付けないとか、頭に血が上って寝付けない、というような問題が起こります。カパのバランスが崩れると、重さやだるさを感じるので、なかなか起きれないとか、睡眠時間はとっているのに日中だるい、などといった問題が生じます。

この例からもわかるように、アーユルヴェーダでは「眠くなるものを摂取する」というようなアプローチではなく(そういうものもありますが)、問題の原因となっているドーシャのバランスを取り戻すことで睡眠障害の原因を取り除く、というアプローチを取るため、薬への依存が起こりにくいと言えるでしょう。

アーユルベーダの睡眠障害へのアプローチ

睡眠の質を改善するために、アーユルヴェーダではまずライフスタイルの変化を提案しています。

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早寝早起き 

アーユルヴェーダではブラフマムフルタという、日の出の96分前の時間帯に起きるのが健康に良く、思考もスッキリすると言われています。しかし、日の出の96分前だと季節によっては午前3時台と、かなり早い時間になってしまい、現実的ではないので朝の6時に起きることをお勧めします。「睡眠に問題があるのに早起きなんてできるわけない!」と思われるかもしれませんが、夜に眠くなるために必要なメラトニンというホルモンは、セロトニンを原料として合成されるので、朝日を浴びてセロトニンを分泌することで夜の快眠に繋がります。つまり、まず無理矢理にでも朝起きて朝日をしっかり浴びることが、適切な睡眠のリズムを作るスタートとなるのです。

ヨガ 

ヨガとアーユルヴェーダはシスターサイエンスと言われていますが、ヨガの実践も睡眠の質の向上に効果的です。実際に、ある実験では6ヶ月以上不眠に悩む40人を「ヨガを行うグループ」と「睡眠の環境改善や運動を行うグループ」に分け、8週間後の変化を比べたところ、ヨガを行なったグループの方が睡眠の改善の程度が高かったという結果が出ています。

オイルマッサージ 

就寝前にアーユルヴェーダのオイルマッサージをすると、体温が高まり深くリラックスできるので睡眠に非常に良いです。全身のマッサージも良いですが、寝る前に全身をやる時間が取れない場合は、足裏や頭のマッサージだけでも効果があります。オイルを手足につけ、手足がポカポカになるまで丁寧にマッサージすれば驚くほど簡単に寝付けてしまうかもしれません。

ホットミルク

前半で、寝付けないという問題はワータのバランスが崩れていることが原因であることがある、と書きましたが、そのワータのバランスを整えるのがホットミルクにギーを小さじ1杯入れたドリンクです。私自身、妊娠中、眠りが浅くなった時にこの方法を実践していましたが、そのおかげで最後まで特に睡眠の問題に悩まされずに過ごすことができました。ギーがない場合は、ホットミルクだけでも良い効果がありますから、ぜひ試してみてください。また、乳製品を控えた方が良いカパ体質の人の場合は、少し手間ですが、一度牛乳を沸騰させ、ある程度冷ましてから飲むと、加熱の力で消化への負担が減ります。

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AUTHOR

アカリ・リッピ―

アカリ・リッピ―

アーユルヴェーダ著者・セラピスト。本場スリランカでアーユルヴェーダ医師のもと修行。帰国後、1万人の体質改善コンサルをしながら講座で実践的なアーユルヴェーダを指導。著書「アーユルヴェーダが教える、せかいいち心地よいこころとからだの磨き方」 (三笠書房)5刷。都内でサロン経営。大手企業の営業マンだった時の経験を活かし、「忙しい人でも無理なくできる」現代的なアーユルヴェーダを発信。



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