夏に気をつけたい!特にお弁当は要注意【食中毒予防のポイント5つ】管理栄養士が解説
梅雨から夏にかけて、細菌性の食中毒の発生件数が増加します。食中毒になると、吐き気・おう吐・下痢などの症状が起きることがあり、特に抵抗力の低い子どもや高齢者は重症化することもあるため注意が必要です。そこで今回は、食中毒予防のポイント5つ、お弁当づくりのポイント3つを管理栄養士が解説します。
食中毒予防のポイント5つ
食中毒予防の基本は、食中毒の原因となる細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」です。食中毒菌は増殖しても、食べ物の見た目やにおいなどに変化がみられないため、調理の際に衛生面を注意することが大切です。次から紹介する5つのポイントを実践し、食中毒を防ぎましょう。
1.買い物後はすぐに冷蔵庫に入れる
要冷蔵の食品を買ってきたら、すぐに冷蔵庫に入れるようにしましょう。特に室温の高い夏は、あっという間に食品の温度も高くなってしまいます。多くの食中毒菌は20~50度で増殖するため、増殖を抑えられる低い温度で保存するようにしましょう。
2.調理前・調理中はこまめに手を洗う
手にはさまざまな雑菌がついているため、調理前は石けんやハンドソープを使い、しっかりと手を洗いましょう。また調理中も、肉・魚・卵を触った後や、泥のついた野菜を洗った後は、手洗いをして菌を洗い流すことが大切です。
3.まな板は肉・魚用と野菜用を分ける
肉や魚には食中毒菌が付着していることがあります。そのためまな板や調理器具を使い回すと、生のまま食べる野菜や果物などに食中毒菌が付着してしまいます。まな板や調理器具は肉・魚用と野菜用を分けるようにしましょう。
4.しっかり加熱する
ほとんどの食中毒菌は、十分な加熱により死滅します。肉や魚では中心温度が75度以上・1分の加熱が必要といわれています。薄い肉や魚は比較的火が通りやすいのですが、塊の場合はじっくりと焼くようにしましょう。
5.料理は常温放置せず冷蔵保存する
温かい料理を常温で放置すると、食中毒菌が増えやすい20~50度の間に長く置いておくことになります。作った料理は小分けにして素早く冷まし、すぐに冷蔵庫で保存しましょう。
お弁当の食中毒予防のポイント3つ
特に気温の高い梅雨から夏の時期にかけては、お弁当づくりでも食中毒予防に気をつけなければいけません。次に紹介することを実践して、お弁当を安全に楽しみましょう。
1.肉・魚・卵は中まで加熱する
肉・魚・卵は中までしっかりと加熱することが大切です。例えば鶏むね肉をしっとりさせるために余熱調理をしたり、半熟卵にしたりしたものをお弁当に詰めるのはNGです。生き残った食中毒菌が増殖してしまう恐れがあります。
2.作り置きは再加熱して詰める
作り置きしたものや冷凍保存したおかずは、一度再加熱をして詰めるようにしましょう。家庭で手作りした料理は雑菌がつきやすいため、再加熱により殺菌することが大切です。
3.冷ましてから詰める
ご飯やおかずは一度冷ましてから詰めるようにしましょう。温かいまま入れると、蒸気で水分が出て傷みやすくなってしまいます。
まとめ
食中毒は意外にも家庭でも発生しています。特に梅雨から夏にかけての時期は、今回紹介したポイントを実践して食中毒予防を行いましょう。
【参考文献】
・厚生労働省「家庭での食中毒予防」
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