あなたは大丈夫?ギャンブルに依存しやすい人の4つの特徴【臨床心理士が解説】
「統合型リゾート(IR)整備推進法案(カジノ法案)」が成立し、日本でのカジノ解禁が現実化するなか、「ギャンブル依存になる人が増えるのではないか」と懸念する声が多数挙がっています。「自制心があれば大丈夫じゃない?」「ギャンブル依存になったらお金を取り上げちゃえばいい」と思うかもしれませんが、ギャンブルへの依存はそんなに簡単にコントロールできるものではないのです。今回はギャンブルに依存しやすい人の特徴と対処法をご紹介します。
ギャンブル依存ってどんな状態?
ギャンブル依存は、「病的賭博」や「ギャンブル障害」と呼ばれる精神疾患です。診断基準を見てみましょう。
□スリルを味わうために掛け金を増やしたくなる
□ギャンブルをやめると落ち着かず、イライラする
□ギャンブルをやめよう、減らそうとしてもいつも失敗する
□ギャンブルのことをいつも考えている
□ネガティブな気分のときにギャンブルをすることが多い
□失ったお金を取り戻すために別の日にまたギャンブルをする
□ギャンブルにのめり込んでいることがバレないように嘘をつく
□ギャンブルのために人間関係や仕事、学業を犠牲にする
□他人に「お金を出してほしい」と頼む
1年間で4つ以上該当する場合は、ギャンブルに依存していると考えられます。
ギャンブルに依存しやすい人の4つの特徴
ギャンブル依存は、環境やきっかけ次第で誰でもなりえるもの。ここからは、ギャンブルに依存しやすい人の4つの特徴をご紹介します。
強いストレスを感じている
仕事や人間関係などで強いストレスを感じているとき、人は「より強い刺激や興奮によって、気持ちを紛らわせたい」と考えます。
そんなときにギャンブルはうってつけ。にぎやかな音や大金を賭けるスリルは、ストレスを一時的に忘れさせてくれます。
孤独を感じている
ギャンブルに依存しやすい人は、孤独を感じている傾向があります。実際には家族や友人がいても、どこか壁を感じています。苦しさを誰かに相談することもできず、いつでも「1人で解決しなきゃ」と考えます。
先ほどもご説明したとおり、ギャンブルには一時的にストレスを和らげる効果があります。しかも1人で気軽に行えるため、孤独を感じている人のストレス対処法として選ばれやすいのです。
また、ギャンブルを行う空間は、大勢の人々や賑やかな音楽に満ちています。大勝ちすれば、周りの人から注目されることもあります。ギャンブルには、孤独から来る寂しさを埋める効果もあるのです。
ギャンブルが身近な環境で育った
ギャンブルが身近な環境で育ったことも、ギャンブルに依存しやすい人の特徴です。
「親がギャンブルにのめり込んでいた」「小さい頃から家族・親族でお金を賭けたゲームをしていた」など、ギャンブルに接する機会が多ければ、手を出すハードルも下がります。
初めてのギャンブルで大勝ちした
ギャンブルでは「ビギナーズラック」という言葉がよく聞かれます。これは初心者が何もわからないままギャンブルに挑戦して、大勝ちする状態を指します。
初めてのギャンブルで勝ったときに得られるのはお金だけではありません。このとき、脳では「気持ちいい」「幸せ」という気分を生み出すドーパミンという神経伝達物質が大量に分泌されます。ビギナーズラックにより、かつてない幸福感に包まれた人は、もう一度同じような気持ちよさを得たくなり、ギャンブルを繰り返すようになるのです。
「ギャンブル依存かも」と思ったら?
ここからはギャンブル依存を疑ったときの対応についてお話しします。
相談窓口を利用する
「私ってギャンブル依存かも」「家族がギャンブル依存かも」と思ったら、精神保健福祉センターで相談してみましょう。
依存症そのものや、地域の医療機関などの情報を提供してくれます。また、ギャンブルに依存している人たちが集まって悩みを話す「自助グループ」や、ギャンブル依存の家族を持つ人たちが集まる「家族会」の案内も受けられます。
また、
でも、電話相談に対応しています。
ギャンブル依存の正しい知識を持つ
ギャンブル依存に限らず、依存症に立ち向かうときには「やる気」や「優しさ」などは通用しません。本人にも周囲の人にも「正しい知識」が何より大切になります。
ギャンブル依存のことを知るなら、
・岡山県依存症専門医療機関「依存症問題介入テキスト(簡易テキスト)SWITCH」
などのサイトが参考になります。
すべて無料なので、気になるものからチェックしてみてください。
AUTHOR
佐藤セイ
公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。
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