【お悩み相談】「連休明けの日常生活が憂鬱…5月病の乗り切り方を教えて」#毒出し保健室
アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!
今回「毒出し保健室」に来てくれたのは、5月の連休後は憂鬱になることが多いというMさん(35歳)。普段の食生活や習慣、また体調などについてお伺いしながら、アドバイスをさせていただきました。
【今回のお悩み】「アーユルヴェーダ的5月病の乗り切り方を教えて!」
桑子: こんにちは!今日はどういったお悩みですか?
Mさん: 毎年5月の連休明けには憂鬱になるんです。それが1ヶ月とか1ヶ月半くらい続いて、なんとか日常に戻っていくといった感じです。
桑子: 具体的にはどんな状態になりますか?体がしんどいとか、やる気が出ないなど…気づくことがあれば教えて下さい。
Mさん: そうですね…仕事が手に付かないというか、仕事をしたくないです。去年までテレワークだったのですが、今年からはオフィス出勤になり…それも憂鬱なんです。
桑子: 運動はしていますか?
Mさん: うーん。やりたいとは思っているんですが…定期的にはできていないですね。子供もまだ手のかかる年齢なので、子育てと家事で精一杯で、自分の時間ができたら、休みたいなという感じです。
桑子: 普段はどんなお食事をされていますか?
Mさん: 朝はパン派ですが、子供が菓子パン好きなので、菓子パンをよく食べます。昼は、冷凍食品をチンとした子供と夫のお弁当と同じものですね。夜はカレーライスとか、チャーハンとか…ワンプレートで食べれるものが多いです。
桑子: 冷えは感じますか?
Mさん: 1年中、冷え性です。
アーユルヴェーダアドバイザーのアドバイス
ご相談ありがとうございます。新生活がはじまり「やっと慣れてきた」という時期に始まる大型連休は嬉しい反面、脱力してしまってなかなか軌道に乗れないという、いわゆる『5月病』に悩む方は多いと思います。
『5月病』とは、5月の大型連休後に起こる心身の不調のことを指します。Mさんのように「やる気が出ない」「何となく体調が悪い」「仕事に行きたくない」といった症状に加えて、睡眠の質が下がったり、食欲がなくなってしまうという方もいます。
GWは日本独自の大型連休のためこの時期に集中して心身の不調を訴える人が増えるのは日本特有になりますが、アーユルヴェーダ的に考察してみると、理にかなった症状でもあるんです。春は、冬に積もった雪や氷が溶け始める時期で、大地を潤しはじめます。すると、大地が水分で重く、飽和状態になります。また気温は上がりますが、朝晩が冷えていることも多いですよね。つまり、春はずっしりと重く、ゆっくりとした空気が流れやすく、また冷えやすい季節とアーユルヴェーダでは捉えられています。
こうした季節柄のエネルギーが強くなりすぎてしまうと、気持ちが重くなってしまったり、やる気が起こらなくなってゆっくりペースになってしまったり、あるいはカラダが冷えて何となくの不調につながることがあります。逆を言えば、こうした春のエネルギーを増長しないことが、5月病を食い止めていくことにつながるというわけです。
5月病を乗り切るためのアーユルヴェーダ的ヒント
1. 身のまわりと内面、そして自分を整える
アーユルヴェーダの伝統では、季節の始まりに身体と心の浄化をします。部屋をきれいにし、冷蔵庫をきれいにし(5月病の症状が強い場合は、加工食品や乳製品は控えるのが◎)、心をきれいにし(日記を書き始め、マインドフルネスを試し、心配事を解消しましょう)、もちろん、見た目もきれいにします、身の回りや、自分の内側と外側をお掃除していくことで気持ちが前向きになっていく感覚があるかもしれません。
2. 食事に刺激を加える
ずっしりと重い春は油っこい食べ物や、甘いもの、塩分の多いものは避けるのが◎。また、冷たい飲み物や乳製品も控えてください。一方で、旬の食材、(レモン、濃い葉野菜、唐辛子、ニンニク、豆類、大根、ベリー類など)の苦味、辛味の食品を積極的に選ぶのがおすすめです。これらはすべて、体の毒出し(デトックス)、消化と代謝の促進を助けると言われています。また、(何でも)摂りすぎは禁物ですが、ハチミツは体を温める作用があり、消化力を高めるために、この時期に摂取するのが効果的。カップ1杯の白湯にティースプーン1杯の蜂蜜とレモンを絞って飲んでみてください。消化力を高めると、体に余分なものの蓄積を防いでくれるため、体も心もスッキリとしてくれます。
3. 少し汗ばむくらいの運動を習慣化する
適度な運動を心かげましょう。重くゆっくりとしたエネルギーに少しばかり刺激をいれることで、心身の重さが解消されてきます。少し汗ばむくらいの運動がおすすめ。室内での運動も今は手軽にできますが、せっかくなら外で体を動かすのが◎。大それたことをする必要はなく、近所の公園を散歩したり、サイクリングしたりするだけでも充分です。
AUTHOR
桑子麻衣子
1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。
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