「朝食は食べない方が良い」嘘?本当?管理栄養士の見解は
朝食は食べない方が良い、という話を聞いたことはありませんか?何となく食べ過ぎが気になる場合、朝を抜いてしまえばカロリーを抑えることができると思っている方もいらっしゃると思います。実は、朝食を抜くことには大きなデメリットがあることが分かっています。今回は、朝食は食べた方が良いのか、また朝食を食べることでどんなメリットがあるのかを解説します。
朝食は食べない方が良い?
近年、「朝食は食べない方が良い」という意見があります。
朝食をとらないことで、その分の摂取エネルギー量が減り、エネルギーを過剰に摂取するのを防ぐことができます。
また、朝食を抜くことで胃腸が休まるのが身体に良いという理由で、朝食は食べない方が良いといわれているようです。
しかし、実際は朝食を抜くことで、午前中はエネルギーが足りなくなってぼーっとする、だるさや疲労感を感じることがあります。
朝から何も食べず長時間の空腹状態から昼食を迎えると、血糖値が急激に高くなり太りやすくなります。
さらに、摂取エネルギーを抑えるために朝食を抜いたとしても、昼食や夕食にドカ食いをしてしまうケースも少なくありません。
朝食のメリット
朝食を食べると、体内時計がリセットされ、血中のブドウ糖濃度が上がり、脳が活性化されます。
そのため、朝食でしっかりと栄養を補給することで、午前中から活動的に過ごすことができます。
朝食は、脳のエネルギー源であるブドウ糖を補給するためにとても重要です。
また、朝食をとることで自然と夜眠くなり、規則正しい生活リズムを作ることにつながります。
それにより、肥満や生活習慣病のリスクを下げることができます。
朝ごはんを食べていない子どもよりも、朝ごはんを食べている子どものほうが学力テストや体力テストの成績が良かったという報告もあります。
朝食をとるコツ
朝食が大切!と分かっていても、忙しい朝に準備するのはなかなか大変ですよね。
そんな方のために、朝食をとる5つのコツをお伝えします。
①前の日のおかずを少し多めに作っておき、朝食にも活用
肉野菜炒めや焼いた魚などの夕飯のおかずを少し多めに作っておき、朝食用にとっておきましょう。お弁当を作るなら、そのおかずを多めに作って朝食に回すのもありです。
②ごはんは冷凍ごはんを温めるだけ!具を入れておにぎりにすると◎
朝からごはんを炊かずに、あらかじめ小分けにして冷凍しておいたごはんを温めて食べましょう。
おにぎりにするときは、鮭などたんぱく質のとれる具にすると、より栄養バランスが整いやすくなります。
③果物やヨーグルトなど調理する必要のないものを準備する
時間がない中、火を使うのは大変なので、すぐに出せるものを常備しておくと気持ちが楽になります。
④朝食のパターンを決めて、何を準備するか悩む手間を省く
メニューを毎回決めるのはとても大変です。そのため、食べるものを決めておくと、悩む手間を省略することができます。
⑤時にはインスタント食品やカット野菜を活用する
インスタントのみそ汁やカットキャベツなどのカット野菜なら、時間をかけずに準備することができます。上手に活用しましょう。
【参考文献】
- 吉田企世子、松田早苗監修,髙橋書店,正しい知識で健康をつくるあたらしい栄養学
- 子どもの食育,朝食の工夫3カ条,農林水産省
- 子どもの食育,朝食が大事なワケ,農林水産省
- 「早寝早起き朝ごはん」運動について,「早寝早起き朝ごはん」全国協議会
AUTHOR
宮﨑奈津季
管理栄養士、離乳食アドバイザー、薬膳コーディネーター。 介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。一児の母。
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