加齢で筋肉が衰える「サルコペニア」を防ぐ!「鶏ささみとしめじの味噌汁」管理栄養士のレシピ

 加齢で筋肉が衰える「サルコペニア」を防ぐ!「鶏ささみとしめじの味噌汁」管理栄養士のレシピ

素朴な香りと味わいで私たちを癒してくれる味噌汁は、日本人の食卓に欠かせない一品です。どんな具材とも相性がよく、おいしく食べられるところも味噌汁の魅力のひとつですね。味噌汁は食材との組み合わせ次第で、さまざまな健康効果が期待できる料理に変わります。今回は筋肉量アップにおすすめな味噌汁の具材を紹介するので、筋肉をつけたい人だけではなく、加齢による筋力低下が心配な人も参考にしてください。

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筋肉量アップにおすすめの具材は【鶏ささみとしめじ】

鶏ささみとしめじの健康効果

加齢に負けない筋肉をつけるなら鶏ささみとしめじの味噌汁
撮影:いしもとめぐみ

筋肉をつけることは、体をたくましく見せるためだけではなく、健康を維持するためにも大切です。立つ・歩く・姿勢を維持するといった日常の動作に、筋肉は大きく影響します。高齢になると筋肉の萎縮や筋力の低下が起こり、日常生活に影響が出るおそれがあります。このような加齢にともなう筋肉の衰えは「サルコペニア」と呼ばれ、高齢者の増加にともない問題になっているのです。

歳を重ねても元気に体を動かせるように、鶏ささみとしめじの味噌汁で筋肉量をアップさせましょう。 

鶏のささみ肉は、筋肉のもとになるたんぱく質が豊富に含まれる食材として知られています。たんぱく質を細かく分解したものが、アミノ酸です。食品に含まれるアミノ酸の質を評価する指標に「アミノ酸スコア」があります。鶏肉を含む肉類のスコアは100を示しており、ヒトの体に必要なアミノ酸が理想的なバランスで含まれていることがわかります。 

さらに鶏のささみ肉は、もも肉や胸肉と比べて脂質が少ないため、健康的に良質なたんぱく質を摂取できる食品といえるのです。

ビタミンB6が豊富なことも、鶏ささみの特徴にあげられます。ビタミンB6は体の中で、たんぱく質の合成や分解をサポートします。鶏ささみはたんぱく質が豊富なだけではなく、たんぱく質をスムーズに分解して、効率よく筋肉作りへ活かすビタミンB6も含んでいる優秀な食材なのです。

しめじに含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を促して、骨の形成に関わる栄養素です。そのうえビタミンDは筋肉の合成に関わり、筋力低下を抑制する作用があることもわかっています。しめじのビタミンDには、骨や筋肉を作る働きをサポートする効果が期待できるのです。

味噌汁で健康的に筋肉をつける

大豆のアミノ酸スコアは肉類と同じ100であり、大豆から作られる味噌にも、大豆の良質なたんぱく質が引き継がれています。大豆はコレステロールを含まず、肉類に多く含まれる飽和脂肪酸も少なめです。コレステロールや飽和脂肪酸を摂りすぎると、生活習慣病を引き起こすおそれがあります。そのため、たんぱく質を摂取するときは肉類だけに頼るのではなく、味噌や納豆、豆腐などの大豆製品も活用しましょう。

味噌には、ビタミンB6やビタミンB12といったビタミンも含まれています。ビタミンB6と同様に、ビタミンB12もたんぱく質の合成に関わる栄養素です。たんぱく質の摂取量が増えると、たんぱく質の分解・合成を助ける栄養素もたくさん必要になります。そのためさまざまな食品から、ビタミンB6などの栄養素を摂取するとよいでしょう。 

筋肉量をアップさせるには食事だけでなく、適度な運動も大切です。日々の生活のなかで体づくりを意識して、健康を維持していきましょう。

鶏ささみとしめじの味噌汁の作り方

【材料】2人分
鶏ささみ:2本(100g)
しめじ:50g
だし汁:350ml
味噌:大さじ1と1/2

【作り方】

1.しめじの石づきを切り落とし、手でさいて小房に分ける。
2.鶏ささみの筋を取り除き、1cmほどの厚さのそぎ切りにする。
3.鍋にだし汁を入れて、火にかけて沸かす。
4.1と2を入れ、3分ほど煮て火を通す。
5.鍋の火を止め、味噌を溶き入れる。

食べごたえがありながら、鶏ささみとしめじのうまみが感じられるおいしい味噌汁です。

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AUTHOR

いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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