【納豆+トマト】栄養学的には良い?一緒に食べるとどんなメリットがある?管理栄養士おすすめの食べ方
納豆とトマトと組み合わせるとトマトの酸味がきいてさっぱりして食べやすくなります。それだけではなく、栄養学的に嬉しいメリットがあるのをご存知でしょうか。 そこで納豆とトマトを食べ合わせるとどんなメリットがあるのか、管理栄養士が解説します。
トマトには納豆にはない栄養素が含まれている!
納豆にはたんぱく質、食物繊維、カリウム、ビタミンK、葉酸が豊富に含まれています。しかし、ビタミンAやビタミンCがほとんど含まれていません。
一方でトマトにはビタミンAやビタミンCが多く含まれています。そのため、トマトと納豆を組み合わせることで、納豆のみよりも多くの栄養素を補給できるといえるでしょう。
それだけではなく、納豆とトマトを食べ合わせることで嬉しい効果が期待できます。次に納豆とトマトのメリットについて解説していきます。
納豆+トマトで嬉しい効果!
納豆とトマトを食べ合わせると肌に嬉しい効果があるといわれています。
まず、納豆の原料である大豆には「大豆イソフラボン」という成分が含まれています。
大豆イソフラボンは大豆の胚芽に多く含まれるフラボノイドというポリフェノールの一種です。構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ていることから、エストロゲンと同じようなはたらきをすることが分かっています。エストロゲンは女性らしさをつくるホルモンで、妊娠の準備をする、女性らしい体をつる、肌のツヤやハリを保つなどのはたらきがあるとされます。
ただし、大豆イソフラボンの作用を発揮するには、人の体内で大豆イソフラボンが「エクオール」という成分に変換される必要があるとされます。エクオールは大豆イソフラボンの一種であるタイゼインが腸内細菌によって代謝されることで生み出される成分です。このエクオールがつくられるのは腸内にエクオール産生菌を持っている人に限られます。日本人のうち、約半数がエクオールを産生できるといわれています。
最近ではエクオール産生菌の有無を確認できる検査がありますので、気になる方はチェックしてみるのも良いでしょう。
一方でトマトにも美肌効果に役立つ栄養素があり、ビタミンAとビタミンCが挙げられます。ビタミンAは皮膚の健康維持を助けるはたらきを持ちます。不足すると皮膚が乾燥することがあるため、保湿を意識したい方にとっては意識して取りたい栄養素といえます。
またビタミンCはたんぱく質の一種であるコラーゲンを生成する際に必要な栄養素です。コラーゲンは皮膚のハリやツヤを保つのに役立ちます。ビタミンCが不足するとコラーゲンがつくられにくくなるため、ビタミンCも美肌に欠かせません。
このように、納豆とトマトがそれぞれ持つ栄養素や成分が美肌効果を高める可能性を秘めているといえます。肌をキレイにしたい、肌のツヤやハリを保ちたい方にとっては嬉しい組み合わせかもしれませんね。
納豆+トマトのおすすめの食べ方
ここまでお伝えした内容で「納豆+トマト」を取り入れみたいと思う方もいらっしゃるでしょう。ただし実際に食事に取り入れる場合、納豆とトマトを単に混ぜ合わせて食べるだけでは飽きてしまいますよね。
そこで、「納豆+トマト」のおすすめの食べ方をご紹介します。
最も簡単な取り入れ方として、角切りしたトマトと納豆を混ぜたものをそうめんや豆腐にのせて食べる方法があります。さっぱりしているため、特に夏の暑い日に食べるのにぴったりです。
その他にはパスタの具にする方法も手軽に取り入れられるためおすすめです。
また、納豆とトマトにオリーブオイルを加えるとコクが出て少し違った味わいを楽しめますよ。
ご自身に合った方法で取り入れてみてくださいね。
納豆は単品でも栄養豊富な食べ物ですが、実はほとんど含まれていない栄養素もあります。そこでトマトを加えると納豆には含まれていないビタミンA、Cを補給することができます。この組み合わせは美肌効果を高めることが期待できるかもしれません。
納豆とトマトの組み合わせはトマトの酸味によりさっぱりした味わいになります。混ぜて豆腐やそうめんなどに和えるだけで簡単においしく食べられます。食事のバランスを意識しつつ、取り入れてみてくださいね。
【参考文献】(2023年2月21日閲覧)
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・内閣府 食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」
・内山成人, 大豆由来の新規成分エクオールの最新知見, 日本食品科学工学会誌, 62 巻 (2015) 7 号
・厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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