【大根×しらす】よく一緒に食べているけど…栄養的には相性が悪い?管理栄養士が解説

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【大根×しらす】よく一緒に食べているけど…栄養的には相性が悪い?管理栄養士が解説

数ある食材の中には、組み合わせることで栄養価が下がったり、健康を損ねてしまったりするものがあります。あなたがよく一緒に調理しているその食材、実は相性がよくないもの同士かもしれません!この記事では相性がよくない食材の組み合わせを紹介し、その理由や対処法を解説します。

しらすおろしは栄養を摂取できない?

さっぱりした味わいで、お酒のおつまみや副菜に人気のしらすおろし。大根おろしにしらすをのせればすぐに作れる、手軽な一品です。この大根としらすの組み合わせは、実のところ栄養を無駄にしてしまっているかもしれません。

大根がしらすの栄養吸収を阻害する

しらすはある特定の魚と勘違いされがちですが、イワシやウナギ、アユなどの稚魚の総称です。体に色素が少なく、白色をした稚魚をすべて「しらす」と呼んでいます。一般的にしらすとして流通しているのは、イワシの稚魚がほとんどです。

しらすは小さな体に、たんぱく質やカルシウム、ビタミンDなどの栄養素を豊富に含んでいます。たんぱく質を細かく分解したものが、アミノ酸です。アミノ酸のなかには体内で合成できない「必須アミノ酸」と呼ばれるものが9種類存在します。しらすにはその必須アミノ酸のひとつ、リジンが含まれています。リジンは体や骨の成長のサポート、疲労回復や集中力アップ、髪の健康維持といった働きがある栄養素です。体の中で作られないため、食品から摂取する必要があります。

大根はエネルギーが低く糖質も少なめでありながら、ビタミンCやカリウム、食物繊維といった栄養素を豊富に含む野菜です。しかし「リジンインヒビター」を含む、という特徴も持ち合わせています。リジンインヒビターとは、リジンが体へ吸収されるのを阻害する成分です。大根としらすを一緒に食べると、大根のリジンインヒビターの働きにより、しらすに含まれるリジンの吸収が妨げられてしまうのです。

大根としらすは一緒に食べない方がいい?

大根の成分によってしらすの栄養吸収が阻害されるのであれば、大根としらすは一緒に食べてはいけないのでしょうか。結論からいえば、大根としらすは一緒に食べても大丈夫です。

大根としらすを一緒に食べても健康に影響はない

リジンはしらすだけでなく肉類や魚介類、牛乳やチーズなどの乳製品、納豆や豆腐などの大豆製品など幅広い食品に含まれています。そのためさまざまな食品をバランスよく摂取していれば、リジンが不足することはまずありません。しらすおろしを食べたからといって、リジンの摂取量が足りなくなる心配はないでしょう。

しらすの栄養を無駄にしない食べ方

大根と一緒に食べても、しらすのリジンを摂取できる方法が存在します。リジンインヒビターは熱を加えると活性を失うため、大根を加熱するとリジンの吸収は阻害されなくなります。大根おろしを電子レンジにかけるのが、手軽な方法でしょう。

しらすおろしに酢や柑橘類の果汁をかける方法も、有効とされています。ポン酢をかけるのが、おいしくて簡単な食べ方です。

大根としらすを一緒に食べると、しらすの栄養吸収が妨げられてしまいますが、健康に影響が出るほどではありません。今回紹介した対処法も試しながら、おいしくしらすおろしを食べてください。

AUTHOR

いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。

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