「『できる治療はなんでもして』は勧めない」医師が患者に伝えたい、治療に迷った時本当に言うべきこと

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「『できる治療はなんでもして』は勧めない」医師が患者に伝えたい、治療に迷った時本当に言うべきこと

自分が、家族が、がん告知を受けたら・・・・・・。治したい一心でつい「先生、できる治療はなんでもしてください!」と言ってしまうかも。がん告知を受け治療方法の選択に迷ったらどうすればよいのでしょうか。免疫学者であり、日々がん患者と向き合っている新見正則先生にお話をうかがいました。

「がん告知にショック」でも、がんは意外と身近な病気

2人に1人ががんの可能性と診断され、4人に1人ががんで亡くなる現状について、新見医師は「がんは身近な病気」だと言います。

「平均寿命が延びるにしたがって、がんの罹患率も高くなっています。一生のうち、がんに罹患する確率は男性で約66%、女性で約50%となっており、『2人に1人はがんと言われる時代』です。

部位別でみると、男性は前立腺、大腸、胃の順に多く、女性は乳房、大腸、肺の順に多くなっています。ほとんどのがんで50歳から罹患率が高くなりますが、女性の乳がん・子宮がんだけは30歳から罹患率が上がります。

一方で、がんの罹患率と死亡率は比例しません。たとえば、女性の乳がんでみると罹患リスクは11.2%と最も高いですが、死亡リスクはがんの中でも5番目です。

それほど身近な病気とも言えるがんですが、告知を受けると言葉のインパクトと相まってびっくりしますよね。たとえ医師が『がんの可能性があります』と言っても、本人の中ではもう『私はがんだ』ということになっていたりして、そのときどのような説明を受けたのか覚えていない患者さんも多いでしょう。

気が動転するようなら、日を改めることもありでしょう。また、医師から大切な話を聞く際には、録音をとっておくと冷静になってから聞き直せます

医師
医師から大切な話を聞く際には、録音をとっておくと冷静になってから聞き直せます」(新見医師)photo by canva

「先生、なんでもしてください」はNG。治療方法に迷ったら言いたいひと言

「不安な気持ちから『先生、できることはなんでもしてください』と言うのはおすすめできません。がん治療のご利益と副作用を天秤にかけた場合、本来なら患者さんにはその治療方法を選ばない選択肢もあるわけです。手術に伴う痛みや抗がん薬の副作用など、つらい思いをするのは本人です。

『なんでもしてください』と言われると、たとえ患者さんが大変な思いをしようとも医師としてはやらざるをえず、諸刃の言葉とも言えるでしょう。そうではなく、治療方法に迷ったら『先生ならどうしますか』と聞いてみてください

がん告知を受けたら、どの情報を参考にすればいい?

がん診断時にショックを受け、まずは自分なりに情報収集を行う方も多いはず。しかしネット上には多くの情報があります。まずは何を手がかりに情報を探せばよいのでしょうか。

「国や県の病院には症例や研究が多く集まりますから、そのような所からあたりましょう。たとえば、国立がん研究センターが運営する『がん情報サービス』は、最初の情報を知るのに役立ちます。

がんの治療方法は、手術、抗がん薬(化学療法)、放射線の3つの選択肢があります。世の中には、それ以外のさまざまな治療方法を謳っているクリニックや、個人的に『○○が効いた』など書かれているものもあるでしょう。いずれはそのような情報を見てもよいでしょうが、まずは一般的な治療方法(標準治療)を知ったうえで、治療の選択を行ってください」

参考:国立がん研究センターがん情報サービス.最新がん統計.(2022年11月17日閲覧)

教えてくれたのは…新見正則先生

新見正則
新見正則先生

オックスフォード大学医学博士。外科医x免疫学者x漢方医としてレアな医師として活躍中。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。院長を務める新見正則医院では、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアを基本処方にして漢方薬を加えて、各種のがん疾患や難病・難症に対応。著書『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』(新興医学出版社)はAmazonでベストセラーに。

取材・文/松村翠

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。

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