【人生100年時代】「健康で長生き」するために|新見医師が考える、ストレスとの向き合い方

 【人生100年時代】「健康で長生き」するために|新見医師が考える、ストレスとの向き合い方
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なんでもないような日々を過ごしていても、気温の変化や人間関係、仕事のことなど、私たちは日々さまざまなストレスに面します。ストレスとの上手な付き合い方はあるのでしょうか。今回はオックスフォード式健康法を提唱する新見正則先生にお話ししていただきました。

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「レジリエンス」を鍛えることで、ストレスは気にならなくなる

ストレスには大きく分けて二つあります。「命に関わるストレス」と「命に関わらないストレス」です。たとえば、外気温43℃やマイナス10℃など人間の身体が耐えられない環境や、とんでもなくブラックな会社などは「命に関わるストレス」に分類してよいでしょう。人間関係でも多少イヤな人なら耐えられますが、イジメや暴言を吐く人とつながり続けることは命に関わるストレスになりえます。

「命に関わるストレス」からは一目散に逃げるのがよいでしょう。一方、「命に関わらないストレス」に対しては、「レジリエンス(resilience)」を鍛えることで徐々に強くなることができます。レジリエンスは説明が難しく適当な日本語が見つかりませんが、復元力や復活力、芯を持った柳のように強くしなやかな印象でしょうか。ストレスで転びそうになった瞬間に「おっとっと」となるけれど、途中で足を踏ん張って身体を元に戻すような、そんなイメージです。

現代では、どのようなストレスからも逃げるのが良しとされていますが、すべてのストレスに対して一生逃げ続けるのは正直面倒です。そのため、ちょっとしたストレスには耐える努力をすることが大切ですし、レジリエンスの高い人ほど生物としての生存確率が上がる気がしませんか。たとえば、肌寒いと感じる気温でもすぐに着こんであたたかい環境を整えて過ごすのではなく、少しの寒さなら特に何もしない。同じ気温でも、沖縄で暮らす人と北海道で暮らす人の耐えうる気温は違うはずです。暮らす環境によって耐性があるのも、その人が日々の環境で知らず知らずレジリエンスを鍛えられているからです。つまり、ちょっとしたストレスに対するレジリエンスを鍛えることは、生きられる環境の幅を広げることにつながります。

レジリエンスを鍛える際には「自分と他人のレジリエンスの高さは違う」ということを頭の隅に置いておいてください。個人差がありますから「私はこれができたから、あなたもできるでしょう」とストレスを押しつけると、パワハラになってしまいます。レジリエンスは自分だけのものとして日々鍛えて、強くしなやかな毎日につなげていきましょう。

教えてくれたのは…新見正則先生

新見正則
新見正則先生

オックスフォード大学医学博士。外科医x免疫学者x漢方医としてレアな医師として活躍中。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。院長を務める新見正則医院では、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアを基本処方にして漢方薬を加えて、各種のがん疾患や難病・難症に対応。著書『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』(新興医学出版社)はAmazonでベストセラーに。

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取材・文/松村翠

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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