60代にして再ブレイクを果たしたジェニファー・クーリッジ、彼女を復活に導いた3つの大事なこと
「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」で見事再ブレイクを果たしたジェニファー・クーリッジ。その復活の背景にあった、3つのレッスンとは。
先週開催されたゴールデン・グローブ賞の授賞式。テレビ部門の助演女優賞(リミテッド&アンソロジー、テレビ映画)を「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」のジェニファー・クーリッジが受賞した。このドラマを見ていない人、ジェニファーの名前を知らない人でも、リース・ウィザースプーンの大ヒット映画『キューティ・ブロンド』でネイリストのポーレット役と言われるとわかる人も多いのでは? 2010年代は低迷、スクリーンやテレビに姿を見せることが激減していたがこのドラマで再ブレイク、61歳にして見事復活した。
でも実はジェニファー、このドラマに出演しなかった可能性があったそう。新聞「ニューヨークポスト」のインタビューで語っている。ジェニファー曰く「コロナ禍になったとき私たちはみんな死んじゃうんだって思った。だから死ぬまで食べてやろうと思ったんだ。ビーガンピザを1日に5、6枚食べたこともあった」。コロナ禍も収束してきてドラマのクリエイター兼脚本家マイク・ホワイトが「きみを想定して役を書いたんだ」と連絡してきてくれたとき「15キロから18キロ太ってしまっていた」。だから言い訳してオファーを断ろうとしたのだという。でもそのことを親友に話したらその親友は「あなたにとって唯一のチャンスなのに! 何考えてんの? 馬鹿じゃないの?」とジェニファーを叱責。それを聞いてジェニファーは理想体重からは程遠かったけれど出演することを決意したのだそう。
このエピソードが報じられると女性ファンの間からはさまざまな反響が。どうやらこの短いエピソードに響くピントがぎっしり詰まっているもよう。そこでこのエピソードとSNSの反応を分析してみたところ、3つのレッスンが隠れていることがうかがえた。
まず1つ目は「自分で自分の体型を批判しない」こと。ジェニファーは「太り過ぎだからテレビに出られない」と考えていたけれど、ドラマのクリエイターもファンもそれほど気にしていなかった。前よりも太ったなと思った人はいるかもしれないけれど、それが彼女の魅力やドラマの面白さを損ねることはなかった。だからこそこのドラマはヒットしたわけだし、ジェニファーも改めて支持されたのである。ジェニファーがこのまま自分で自分の体型を批判し、自分の可能性を自分で狭めてしまっていたら再ブレイクはなかったはず。
2つ目は「厳しく叱ってくれる周囲の人を大切にする」こと。聞き役に徹してくれる友達も大切だけど、もしこのときジェニファーの親友が「そうだね」と頷きながら聞くだけだったらジェニファーはそのままオファーを断ってしまっていたはず。キャリアが復活することもなかった。ときに「馬鹿じゃないの?」と歯に衣を着せずに怒ってくれる友達が人生を変えてくれることもあるということ。耳に痛いことを言ってくれる友達は大切にしたいもの。
そして3つ目。「ビーガンメニューだって食べ過ぎれば太る」こと。ヘルシーなメニューだって食べ過ぎたら健康的ではない。そもそもビーガン食は動物性の材料を使っていないというだけで、それが必ずしもヘルシーだという保証はない。例えばビーガンメニューによく使われるアボカド。食物繊維や不飽和脂肪酸をたくさん含むヘルシーな食材だけれど高脂質でもある。ジェニファーのコメントは健康的なものでもたくさん食べれば太るという当たり前の事実に気が付かせてくれる。
何はともあれジェニファーがアラ還にして再び売れっ子女優になったことは多くのアラフォー&アラフィフ世代にとっては勇気づけられる嬉しいこと。人生の先輩として彼女がこれからどんなキャリアを築いていくのか楽しみにしたい。
出典:Jennifer Coolidge: I gained 30 to 40 pounds ‘eating myself to death’ amid COVID
AUTHOR
長坂陽子
ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く