【両足院の副住職に学ぶ「心の切り替え方」】イライラやもやもやは、〇〇を数値化すると消える?
もっと頑張らなければ、前向きにならなければ、明るく元気に振る舞わなければ、と自分に言い聞かせるけれども、イライラやもやもやが心の中に居座って、なんとなくスッキリしない。どうせうまくいかない、何をやっても変わらない、とネガティブな考えが足を引っ張り邪魔をして、やる気も起きない。そんな「もやだるさん」は、きっと多いことでしょう。今回は、『もやだるさんのリセットスイッチ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)著者であり、臨済宗建仁寺派 両足院の伊藤東凌副住職が、心の切り替え方を解説。心のモヤモヤを消す方法を紹介します。
「もやだるさん」の悩みは、心の状態を数値化すると消える?
私のところに相談に来るもやだるさんは、仕事、人間関係、恋愛など、さまざまな悩みを抱えてもやだる状態になっています。みなさんも、そうかもしれませんね。そんなもやだるさんの心に居座っているネガティブな感情のかたまりをほぐすために私がしていることを紹介しましょう。
自分を客観視することです。人は悩みが深くなると、視野がどんどん狭くなり、考え方にも柔軟性がなくなります。客観的に見ると状況がよく見える経験は、みなさんにもあると思います。他人のことは、自分のこと以上に、いいところも、悪いところも気づきやすいですよね。あの人の体の動かし方は間違っているとか、あの場面であの作戦はないよねとか、
あそこで上司にそんなこと言えば怒られるのは当たり前だとか……。どうして気づけるかというと、ものごとや現象が客観的に見えるからです。といって、「それでは、自分を客観視してみましょう」と、もやだるさんにお伝えしても簡単にできるわけではありません。
そこで私がしているのは、今の心の状態を点数にしてもらうことです。「すごくいい心の状態のときを100点だとすると、今は何点くらいですか?」もやだるさんの答えは、だいたい20~40点くらいです。この点数に意味があるわけではありません。心の状態がいいときと比べてどうなのかと考えることがポイントです。そうやって自分の心の状態を眺めてみるだけで、ネガティブな感情のかたまりはほぐれやすくなります。
もやだるさんは20~40点くらいといいましたが、なかには60点と評価する人もいます。そういう人は、思ったよりも心の状態が悪くないことに気がついて、イライラやもやもやがスーッと消えることもあります。
著者/伊藤東凌(いとう・とうりょう)
臨済宗建仁寺派 両足院副住職。1980年生まれ。建仁寺派専門道場にて修行後、15年にわたり両足院での坐禅指導を担当。現代アートを中心に領域の壁を超え、伝統と繋ぐ試みを続けている。アメリカFacebook本社での禅セミナーの開催やフランス、ドイツ、デンマークでの禅指導など、インターナショナルな活動も。2020年グローバルメディテーションコミュニティ「雲是」、禅を暮らしに取り入れるアプリ「InTrip」をリリース。海外企業のウェルビーイングメンターや国内企業のエグゼクティブコーチも複数担当する。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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