私に向いている仕事は何? アーユルヴェーダ理論のタイプ別「働き方のヒント」
アーユルヴェーダでは生まれつきの体質によって、心と体の強みと弱みが決まると考えます。今回は、アーユルヴェーダ理論をもとに、あなたがどんな仕事に向いているか、また仕事中、どんなことに気をつけると良いかをご紹介します。
アーユルヴェーダでは、私たちは一人一人、プラクルティ と呼ばれる生まれつきの性質が決まっており、それにより、なりやすい不調、得意なこと、向いている食べ物などあらゆることがわかると考えます。
この生まれつきの性質は、一般的に(アーユルヴェーダの)「体質」と呼ばれることが多いですが、実際は、心の性質なども含みます。
今回の記事では、そのプラクルティ (体質)から、個人がどんな仕事が向いているかや、仕事中に不調にならないために注意した方が良いことなどをご紹介したいと思います。
アーユルヴェーダの体質とは?
体質は、ドーシャと呼ばれるエネルギーの組み合わせによって決まり、大きく分けて「ワータタイプ」「ピッタタイプ」「カパタイプ」の3種類があります。
ワータタイプ
ワータとは、空間と風のエネルギーが合わさってできるエネルギー。風のように動きがあり(動性)、軽く(軽性)、乾燥していて(乾燥性)、規則性がありません(不規則性)。
このエネルギーを持つ体質の人は、ワータの動性、軽性、乾燥性、不規則性が、体や心に現れるので、よく動き回るのが好きだったり、体重が軽く、細身であったり、乾燥肌であったり、食欲が不規則でムラがあったり、というような特徴があります。
ピッタタイプ
ピッタとは、火と水のエネルギーが合わさってできるエネルギー。特に火のような性質が出るため、熱く(熱性)、触れると火傷をするような激しさがあり(鋭性)ます。また炎の“ゆらぎ”のように、流れるような流動性があります。
これが、体や心にどのように現れるかというと、体温が高く、食欲旺盛であったり、言いたいことをハッキリと主張する言葉のキツさが出やすいタイプの人が多いです。また、体格的には中肉中背のバランスの良い体になりやすいです。
カパタイプ
カパとは水と土が合わさってできるエネルギーで、水と土を混ぜたら粘土になるように、重く(重性)、粘り気があり(油性)、湿度があるような性質です。
そのため、カパタイプの方は、体重が重くなりやすく、痩せづらいです。そして、心も重くなるので、内向的であったり、
あまり自分から動きたがらないようなタイプになりやすいです。
以上が、ワータ・ピッタ・カパの3つのエネルギーですが、全ての人は、この3つのエネルギーをを全て持っていて、体質は、そのエネルギーのバランスで決定します。そのため、人によっては「ワータの特徴も当てはまる気がするけど、カパやピッタの性質も当てはまるものがある気がする…」と感じるかもしれません。
それは、全ての人が3つのエネルギーを持っていて、その割合が違うからです。その場合は、特に当てはまる項目が多いものを、まずはチェックしてみてください。アーユルヴェーダの体質は、正式にはアーユルヴェーダ医師や専門家の脈診や問診によって診断されます。自己診断は、あくまで目安と思ってください。
タイプ別オススメの働き方
ワータタイプ
まず、ワータのタイプの人がどういう仕事に向いているかというと、ワータは動性があるので、変化のある仕事が好きです。例えば、外出が多く色々な場所に行ける仕事とか、多くの人と出会うなどの、毎日の変化がないと飽きてしまいます。
逆に、1日中じっと座ったままのような仕事や、繰り返し作業などが苦手です。また、ワータの人は発想力豊かで、アイデアを出すのが得意なので、クリエイティブな仕事が得意です。例えば、ワータタイプの人が向いている仕事は下記のようなものです。
広報、デザイナー、接客業など。
そして、不調を防ぐために仕事中に注意することは以下の通りです。
1、エアコンの効いた室内にいることを避ける
乾燥した冷たい空気が出るエアコンはワータタイプの体調を悪化させます。オフィスで仕事をする人は、厚着をしたり膝掛けを使い、温かくすることや、加湿器で湿度をキープするのが良いでしょう。
2、食事を決まった時間に食べること
ワータタイプの人は集中すると、食事を抜かしてしまうことがよくあります。しかし、食事や睡眠のリズムを規則的にすることは、ワータが健康を守るために最も重要なことです。
ピッタタイプ
ピッタタイプの人は行動力があり、目標に向かってどんどん進むのが得意です。また人と競うこともそこまでストレスにならないので、営業職や、経営なども向いています。自分のペースを乱されるのが好きではないので、子供の面倒を見る保育士や介護士などはストレスがたまるかもしれません。
例えば、ピッタタイプの人が向いている仕事は以下のようなものです。
営業、弁護士、医師、エンジニアなど
そして、不調を防ぐために仕事中に注意することは以下の通りです。
1、オーバーワークに注意
完璧主義で負けず嫌いのピッタタイプはついつい、長時間働きがちです。「休みの日も仕事のことを常に考えている」ということのないよう、オンオフの切り替えを意識しないと、いつか、体にガタがきてしまいます。
2、ストレス食いに注意
ピッタの人は辛いものや、ラーメンや肉などこってりしたものを好む傾向にあり、特にストレスを感じた時にそういうものを食べがちです。ですが、こういった刺激の強い味、お酒、脂っこい食事はピッタの体質に向いていません。ストレス発散を食事以外でできるよう、リフレッシュ方法を作っておきましょう。
カパタイプ
カパタイプの人はマイペースで優しい人が多く、自分のペースでコツコツできたり、誰かのお世話をするような仕事に向いています。また、体力も人一倍ある体質なので、体力が必要とされる仕事も向いています。逆に自分でバリバリ行動することが求められるような職場は「自分には合わない」と感じるでしょう。
例えば、カパタイプの人が向いている仕事は以下のようなものです。
看護師、介護士、大工、事務職など
そして、不調を防ぐために仕事中に注意することは下記の通りです。
1、運動不足に注意
1箇所でじっと作業をするのが苦にならないカパタイプですが、もともと太りやすい体質のため、日常的に体をよく動かすことが必要です。できれば、仕事も、体をある程度、動かすような仕事だと理想的ですが、そうでない場合は、プライベートの時間にしっかり運動をするようにしましょう。
2、リモートワークに注意!
1と似ていますが、カパの人は、動かないのが好きなため、家から一歩も出ないで良い仕事をしている場合、本当に1日中家から出ない日が何日も続いてしまう、なんてこともあり得ます。
しかし、カパは動かないと、体も思考もどんどん重く、だるくなってしまうので、よく体を動かし、家で一人でいるよりは誰かと話すべきです。もし、リモートワークの人は、可能であればカフェに仕事に行くなど、家から離れて仕事をした方が集中もしやすいでしょう。
AUTHOR
アカリ・リッピ―
アーユルヴェーダ著者・セラピスト。本場スリランカでアーユルヴェーダ医師のもと修行。帰国後、1万人の体質改善コンサルをしながら講座で実践的なアーユルヴェーダを指導。著書「アーユルヴェーダが教える、せかいいち心地よいこころとからだの磨き方」 (三笠書房)5刷。都内でサロン経営。大手企業の営業マンだった時の経験を活かし、「忙しい人でも無理なくできる」現代的なアーユルヴェーダを発信。
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