【食品添加物】保存料は〇〇のリスク回避に一役買っている!知られざる保存料の役割や種類とは
保存料という言葉は見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。保存料は食品添加物の一つであり、その名の通り食品の保存に役立つものです。それだけではなく、私たちが安全に食べられるためにあるリスクの予防にも役立っているといわれています。 そこで、今回は保存料についての役割や実際に使用されている保存料の種類などを紹介していきます。
保存料は〇〇のリスクから守っている?
保存料は食品の腐敗の原因となる細菌やウイルスなどの微生物の増殖を抑えて、保存性を高める食品添加物です。殺菌効果はないため、「増やさない」というのが特徴です。
微生物のなかには食中毒の原因となるものもあり、これらが増殖した場合は食中毒のリスクが高くなります。
食中毒は食中毒を起こすもととなる細菌やウイルス、有毒な物質がついた食べ物を食べることにより、げりや腹痛、発熱などの症状が出る病気のことです。
食中毒の原因によって症状や食べてから症状が出るまでの時間はさまざまであり、時には命にもかかわる危険な病気なのです。
そこで保存料は食中毒の原因となる微生物の増殖を抑制することで、食中毒のリスクを減らすのにも役立ちます。
このように保存性を高め食中毒のリスクから守ることで、広範囲に食品の輸送ができるようになったり食品の破棄を減らしたりすることができるといわれています。
代表的な保存料
保存料はどのようなものがあるのかな?と気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここからは、食品に使用されている保存料をご紹介していきます。
ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム
抗菌力はあまり強くないですが、水によく溶けカビや酵母、細菌に幅広く効果を発揮します。さまざまな食品に利用されています。
安息香酸、安息香酸ナトリウム
古くからある保存料であり、水によく溶け微生物の増殖を抑制する効果があります。清涼飲料水や醤油などに使用されています。
しらこたん白抽出物
サケの精巣(しらこ)の中にある特殊なタンパク質を取り出したものです。微生物が増えることによって生じるネバネバの発生を遅くする効果があります。主に魚肉練り製品などに使用されています。
ナイシン
乳酸菌によってつくられる保存料です。食肉製品やチーズ、ホイップクリームなどに使用されています。
プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム
カビや芽胞菌という細菌の発育を阻止するのに効果のある保存料です。パンの発酵などに使用される酵母に影響を及ぼさないことが特徴であるため、パンなどによく使用されています。自然にも存在しており、味噌や醤油、チーズなどの食品に含まれています。
保存料の使用を確認するためには?
食品添加物を使用している場合は、商品に表示する必要があります。
そのため保存料の使用は、商品のラベルにある原材料名という項目から確認することができます。
保存料の場合は「用途名(物質名)」と表示することとなっており、「保存料(安息香酸)」などと記載されています。
また、物質名は馴染みがなくわかりにくい場合もあるため、「安息香酸ナトリウム」を「安息香酸Na」といったように簡略して記載していることもあります。
自分が購入する商品が使用されているか気になる方は、原材料名を確認してみてくださいね。
このように保存料を使用することで、安全に食品を食べられるように役立っています。
気温の高い時期は食中毒のリスクが高まりやすいといわれています。ですが、暑さに関係なく食中毒のリスクは十分にあると考えられます。そのため、食品を常温で長時間持ち歩く場合やピクニックのように外で食べる場合は、保存料が使用されている商品を選ぶのも良いかもしれませんね。
【参考文献】(すべて2022年9月18日閲覧)
地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所「保存料について正しく知ろう!」
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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