ファストファッションは時代遅れ!?EUファッションの新基準「持続可能性」の3原則を学ぼう

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ファストファッションは時代遅れ!?EUファッションの新基準「持続可能性」の3原則を学ぼう

竹田歩未
竹田歩未
2022-09-28

ここ数年、消費者の購買意識の変化により生産過程や環境に配慮した商品が人気を集めています。 こちらの記事では新しいファッションの形として注目されている持続可能な「スローファッション」について、その背景や現状について解説していきます。

「スローファッション」と「ファストファッション」

みなさんが一度は耳にしたことがあるであろう「ファストファッション」という言葉。これは流行に応じてコストを抑えながら新しい衣料品を大量に生産し、世界各地で大量に販売する流れを指します。代表的なファストファッションブランドとして挙げられるのは「H&M」「ZARA」「FOREVER21」など。消費者が低価格で衣料品を手に入れられることは、一見好ましい流れと捉えられるでしょう。

しかし、そのしわ寄せがいくのは自然環境や生産工程。衣料品が店頭に並ぶまでの過程に目を向けると、自然環境を省みない生産方法や、決して快適とは呼べない環境の中で縫製技術者たちが低賃金で働かされるといったアパレル産業の影の部分が浮かび上がるのです。

本記事のテーマ「スローファッション」はこの「ファストファッション」と対をなす言葉。これはトレンドに踊らされず、自分にとって必要なアイテムを長く大切に着用するスタイルを意味します。

ファストファッション
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ファストファッションが抱える、2つの問題点

①ごみ問題

大量に作り、大量に売る。その先には・・・?

流行のサイクルが早いファストファッションでは、シーズンを過ぎた衣料品が消費者の手に届かないまま一生を終えることも少なくありません。さらに、衣料品の処分方法についても課題は残ります。環境省によると、家庭から手放される衣料品の66%がごみとして処分されます。要らなくなった衣料品をそのまま捨てるのではなく、古着として譲ったり資源回収に出したりするのを心がけることは責任ある消費者としての目指すべき姿ではないでしょうか。

【参考記事】
環境省|日本で消費される衣服と環境負荷に関する調査(2020年12月〜2021年3月)

②劣悪な労働環境

そしてファストファッションを影で支えているのは、多くの場合が低い人件費で衣料品を生産する発展途上国の人々であることを忘れてはなりません。ファストファッションブランドの価格競争が激化するあまり末端の労働環境は粗末なものとなり、そこで働く労働者たちは低賃金・長時間労働を強いられることに。後に紹介する「ラナプラザ崩壊事故」の発生現場も、労働環境の整備が不十分であったゆえに発生したと言っても過言ではありません。

みなさんは商品を買う側として、衣料品が誰の手によってどのように生産されたのかを意識したことはありますか?

【参考記事】
ファストファッションは時代遅れ EUがサステナブルな衣料品の新基準を発表

アパレル業界最悪の事故「ラナプラザ崩壊事故」とは?

劣悪な労働環境を象徴する出来事として、ファストファッションの形態が盛んだった2010年代、アパレル産業を揺るがす非常にショッキングな事故が起こってしまったのです。 

「ラナプラザ崩壊事故」とは

2013年にバングラデシュにあるラナプラザビルで起こった崩壊事故。このビルには世界で販売されているアパレルブランドの下請け工場が集められていましたが、建物の崩壊により死者1,127人、負傷者2500人、行方不明者500人もの大量の犠牲者を出してしまったのです。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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なぜ事故は起こってしまったのか

この事故が発生した大きな原因は、ずばり安全面の管理不足。実は、アパレル産業では生産コスト削減のために老朽化した建物が使われることが多いのが現状。とりわけラナプラザビルに関しては建物の建築自体が無許可であること、3階以上は違法増築が行われていたこと、そして大型発電機が違法に置かれていたことなど、ずさんな管理体制が浮かび上がりました。

これらの元凶となっているのは、やはり苛烈な価格競争。行き過ぎた世界的なファストファッションの流れによって引き起こされた最悪の事故と言えるでしょう。  

【参考記事】
ラナプラザ崩壊事故|ファストファッション産業の裏側で起きた、史上最大の悲劇とは

ヨーロッパのファッション業界がサステナブルな新基準を提唱

ファッションの先進国が集うヨーロッパのファッション業界が、先陣を切って「脱・ファストファッション」の意思を表明。EUの執行機関、欧州委員会では衣料品におけるサステナビリティを加速させるべく、2030年までにリサイクル繊維の使用を義務化することを発表。これにより、売れ残ってしまった衣料品の破棄を禁じる方針。

同機関は、ファストファッションの流行が大量生産・大量消費・大量廃棄の流れを引き起こしてしまった原因の一つであることについても言及。この方針の目的には根本的に衣料品や繊維製品を「捨てる」ことを見直し、再利用や修理を積極的に行うことが掲げられていることを忘れてはならない。

新しい流行を次から次へと取り入れることだけがオシャレであると言えるのか。消費者の意識が問われる時代だからこそ、サステナブルな視点で着こなしを楽しむことが新しいファッションの醍醐味と言えるのかもしれません。

【参考記事】
ファストファッションは時代遅れ EUがサステナブルな衣料品の新基準を発表

text by 竹田歩未

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竹田歩未

竹田歩未

webライター。2022年から台湾在住。Instagram「フェムテクラブ|フェムテック・フェムケアグッズ」を運営。セクシャルウェルネスを追求するメディア「my muse」にて執筆。場所や時間に縛られない働き方を模索中。 Ayumi Takeda @ayumin_tkd フェムテクラブ @femteclub

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