「2ヶ月間集中」「30日チャレンジ」…その「短期集中コース」は本当にあなたを幸せにするのか?

 「2ヶ月間集中」「30日チャレンジ」…その「短期集中コース」は本当にあなたを幸せにするのか?
mikiko
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2022-09-02

「30日集中して結果を出そう!」「スタートダッシュを切ろう!」 と『きっかけ作り』になる短期集中コースは、ジムなどがよく行うキャンペーンで、新年や夏前に出るようになります。人気のサービスであるゆえに疑問を持つ人は少ないですが、今回は「こんな角度から考えてみたことありますか?」という問いかけをしたいと思います。

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似たようなもので、2ヶ月間集中コース」「30日チャレンジ」という言い回しがあったり、海外でも「8-week challenge」といったサービスが普及しています。

一見、運動や食事改善を始めるきっかけ作りにはピッタリのこの方法。実は、マーケティングの教科書通りの「客引き術」で、(フィットネスに関してのみ言えば)受ける側にとって矛盾のある方法でもあります。

「その後にどうなるか」まで考えているか?

何か新しいことを始める時、モチベーションが1番高いのは『直前』もしくは『最初の週』です。

一度始めてしまえば、最初よりも気持ちが燃え上がることはほとんど無く、飛び出した後はパラグライダーのように下がるだけ。下がるスピードを調節できないと、スカイダイビングのように急降下してしまいます。地上3000mの高さから飛び降りるスカイダイビングは1分程度で地上に到達しますが、それよりももっと低いところから飛び立つパラグライダーは、うまく風に乗れると2時間も飛べるそうです。

新しいことを始める時に大事なのは、最初にどれだけ高いところから飛ぶかよりも「どれだけ長く飛び続けられるか」です。パラグライダー方式で風に乗りながらゆっくり下がっていって、たまに上昇気流に乗って高度を保つくらいが丁度いい。最初の勢いで理想の身体を手に入れたとしても、数週間しか保てないようであれば、その時間や労力は無駄になってしまうでしょう。努力の照準は「継続」に当てられているべきなんです。

しかし残念ながら、短期集中コースの多くはスカイダイビング方式で、飛び出す時だけはお祭り騒ぎするのに、飛び出した後は知らんぷりしています。飛び出したのを見届けたら、次のお客さんへ。30日が終わってリバウンドして戻ってきたら、また別のお祭り騒ぎで迎え入れます。この場合、参加者が増えて認知度は高まり、サービス自体は儲かりますが、肝心な参加者は健康的な生活習慣を続けられるようにはなりません。

約9割の人たちがダイエット継続に失敗すると言われているこの世の中で、人々が1番必要としているサポートは「どうやったら長く続けられるか」です。結果が出る30日間だけ、新年の数週間だけ、薄着になる夏だけにスポットライトを当てる人生では、いくら努力を重ねても自分に満足できる日々は訪れません。1年中、そしてこれから10年先まで自分史上最高の自分をキープできる方法が提供されるべきなんです。

「早く結果を出したい!」という人々の欲に突っ込んできて、1番助けてほしいところで見放してしまう。これが多くの短期集中コースの問題点です。

科学的根拠

「マーケティングの教科書通り」と言ったって、根も葉も無いこと言ってるわけではありません。短期で結果が出るのは、科学的に証明されている事実です。でも、その”科学研究”だって別の角度から見てみることもできます。

フィットネスの研究の多くは1日〜16週間の短期間で行われます。例えば、「8週間このプログラムを試してみたら、何もしなかったグループに比べて体重が減っていた」など。だから短期集中コースの根拠となる研究もたくさんあるのですが、これには研究機関のお財布事情などが関係します。研究開始から結果が出るまでの時間がかかればかかるほど、その過程での労力が増え、資金が必要になり、成果が得られるようになるまで時間がかかります。短期間で結果が出せる研究は、10年かかるものと比べて研究者・研究所としての成果は出しやすく、数も多くなるのです。「早く効く方法が知りたい」という世の中の需要も満たすことができるので、世の中の仕組みとしては成り立っています。

こうして積み重なった研究を根拠に「4週間で結果が出る!」というフレーズが使えるようになるのです。短期間の研究の必要性が否定されるべきではありませんが、「継続できない」という世の中の問題点を考えると「同じ方法が1年以上、さらには10年続けた人たちを追い続けた時も有効なのか?」という研究も同じくらい注目されるべきではないでしょうか?

「短期間コミット」を始める前に考えるべきこと

私たちの人生は、冬でも夏でも、短期集中期間もそうじゃない期間も、同じ重さを持っています。短期間集中コースをきっかけに新しいことを始めるのはいいことですが、維持のできない勢いで一瞬だけ輝く花火のような幸せを選ぶよりも、長く続く未来の幸せを選んだ方が、本当の意味であなたの人生を好転させる変化になるはず。

短期的なダイエットの成果報告も魅力的だけど、「あれをきっかけに5年後の今でも続いてます!」みたいな成果にこそ注目が集まるべきです。短期間コースに興味を持ったことがある人や、やろうと検討している人は、勢いそのままに飛び込む前に、一度立ち止まって

・そのコースが終わった後にも、長期的に続けるためのサポートがあるか?
・そのサポートは自分の性格やライフスタイルに合って「これから10年先も続けられそう!」と思えるものか?

と考える時間を設けみてはどうでしょうか。じっくり考えてみて、納得できる答えを見つけて、それから始めても遅くはないはずです。

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パーソナルトレーナー|自身の失敗経験を元に個人差や体質を重視した『mikiko式フィットネス論』を提唱|身体と人生観が変わるフィットネス哲学で、一生ブレないための視野と学びを発信しています|流行を根拠と本質で斬る人| 筑波大学健康増進学修士|NZベストトレーナー入賞



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