医師監修【油(脂)の性質と摂り方】腸にダメージ?「油もの」の摂りすぎで起こる身体への影響とは?

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医師監修【油(脂)の性質と摂り方】腸にダメージ?「油もの」の摂りすぎで起こる身体への影響とは?

半田葉子
半田葉子
2022-08-29

「ビールに餃子」「素麺に天ぷら」「夏野菜の揚げ浸し」…夏に美味しい「油もの」はたくさんありますね。 しかし、冷たいものと油(脂)はあまり相性が良いとは言えず、腸の活動が鈍る大きな要因になります。 「油(脂)=太る」といったイメージを持っている方も多いと思いますが、油は摂り方で良くも悪くもなります。 今回は、油の種類や腸との関係について、バウエル腸セラピストでvegan菓子 ≪素果子|sugashi≫ 店主の、半田葉子さんが解説。 油との上手な付き合い方もご紹介します。

とんかつ・唐揚げ・ポテトフライ・コロッケ・アジフライ・天ぷら・揚げびたし・カレー・らーめん・ドーナツ・ポテトチップス・あられ…、 子供から大人まで「油もの」が好きな方は多いのではないでしょうか。その一方で「油は身体に悪いから極力避けている」と言った方も多いですよね。

油は私たちの身体になくてはならないものですが、なぜ「身体に悪い」イメージがあるのでしょうか。それは、油には身体に良い油と悪い脂があるということ、脂質の摂りすぎが「太りやすい体質(メタボリックシンドローム」になってしまうこと、また、身体の酸化の原因にもなり、べとべとした脂が内臓や腸にこびりつき悪玉菌が増えることで、あらゆる体調不良が起きる原因となっているから。今回は、油(脂)の役割や性質、上手に摂り入れるヒントについて解説していきます。

1.「油(脂)」の役割

油と脂の違い

油…こめ油やなたね油、大豆油、ごま油、オリーブオイル、亜麻仁油など植物から作られる油
脂…肉の脂身・牛脂・バターなど、動物性のもの
※樹脂などの植物のヤニを「脂」とも言いますが、ここでは動物性の脂とします。

油
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健康的な油として、エキストラバージンオリーブオイルや亜麻仁油、えごま油などがよく紹介されていますが、これらは細胞膜を柔軟にし、血管をしなやかに 病気の予防に役立つ油とされています。一方で悪玉菌を増やす、腸内環境を悪化させる脂として、マーガリンや動物性の脂身などの脂が挙げられ、摂りすぎることでさまざまな心血管疾患などを引き起こす原因と言われています。

栄養学的には、油も脂も「脂質」に当たり、「脂質」「炭水化物」「たんぱく質」これら3つは「エネルギー産生栄養素」と言われ、 食事を摂ることによってエネルギーを産生し、 組織・細胞をつくり、身体の機能を維持することができています。

脂質の役割は、脳・神経系の機能を正常に保ち、体温を維持、臓器を守ったり、血液やホルモンの材料・爪や髪の皮脂膜・細胞膜の材料の構成などを担う役割があるとされるほか、 飢餓状態になってもある程度生き延びられるようにと、余分なエネルギーを中性脂肪として蓄える役割もあります。また、私たちの肌の水分を天然の油で保護したり、髪のツヤを良くしたり、腸内の便をスムーズに排出する役割があり、私たちの生活には必要不可欠な栄養素です。

2.太る細胞は10年生き続ける?

脂質には、私たちが良く耳にする「中性脂肪」「コレステロール」の他にも、「脂肪酸」「リン脂質」「糖脂質」など様々な脂質があります。適度な摂取は身体に良い影響を与えますが、摂取し過ぎは負のスパイラルを引き起こす原因にもなります。

太る細胞
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必要以上に脂質を摂取し過ぎたり(高カロリー摂取)、運動不足などで脂質エネルギーの消化が不足すると、私たちの細胞内の中性脂肪がどんどん増えていきます。 中性脂肪が増えると、細胞自体がどんどん大きく「肥大化」し、取り入れる脂質の量もどんどん多くなっていきます。 肥大化した細胞(白色脂肪細胞)は、通常の1.75倍にも膨れ上がり、善玉物質の分泌・生成が減り、悪玉の物質が増えていきます。 肥大化した白色脂肪細胞は摂取する脂質が減ると小さくなりますが、寿命は約10年と言われており、これらが「太りやすい」体質を作っていると言えるでしょう。

お腹まわりが厚く、内臓脂肪が多いメタボリックシンドロームのような脂質異常代謝が起きてしまっている人と、健康的な人が同じ食事をしたとしても、 身体の中では違った作用をもたらしているのです。

3.血液の酸化がもたらす皮膚疾患・腸との関係  

悪質な油(脂)の摂取は、中性脂肪コレステロールを増やすばかりでなく、血液を酸化させ、肌の赤みや痒みの原因にもなります。悪化すると心筋梗塞脳梗塞などの原因となる恐れもあります。

また、体内のオイルバランスをも狂わせ、肌荒れやかさつき・痒みなどをもたらします。頬など顔の一部は乾燥しているのに鼻やおでこはオイリー、肘や膝・かかとがカサカサ、肌の乾燥で身体の節々が痒い、フケが多い・髪の毛がべたつく、など 肌の水分量とのバランスが原因の場合や、体内の内臓や腸に脂がこびりつき、そこで悪玉菌が増え、腸から体内に栄養を送る際に重要な役割を持つ絨毛腸壁が悪玉菌を吸収、 それらが原因となり、下痢や便秘、体臭や口臭、血管の詰まりなど、さまざまな不調が起こってきます。

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半田葉子

半田葉子

バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_

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