運動が続かないのは「だらしないから」ではない|モチベーションを保つためにできる4つの工夫
何かを続けられないことは『だらしない性格』や『甘え』として片づけられがち。「頑張ろう!」「やる気だそう!」と気合いでどうにかしようとしても、うまくいきません。それもそのはず。続かないのは、やる気や性格が原因ではないからです。
「やりたい!」「やるべきだ!」と思っていることが続かないのには、やる気や性格以外に理由があります。
選択肢を間違えているんです。
続けられないのは「あなたにはそのやり方が合っていない」というサインです。やっていても楽しくなかったり、続けるのが苦になるから、やりたくなくなる。どれだけ有名な人が「丸型が正解だ!」と言ったとしても、星型をしたあなたの穴に丸型を無理して押し込んでいたら、できない自分に嫌な気持ちが芽生えるだけです。
「色々試したけど何も続かなかった、全部3日坊主になった」と自信をなくす人も多いですが、それはあなたが間違った選択肢を選んでいるからなんです。
2つのタイプのモチベーション
何をやっても続かなくて悩んでいる人が『自分に合った方法』を見つけるために知っておくべきなのが、「モチベーションには2つのタイプがある」ということ。運動に限らず、何か新しいことを始めたい時には「この行動はどちらのモチベーションが元になっているか」を知ることが、まず最初の一歩です。
①内的動機づけ
内的動機づけは、あなたの「心(内側)から湧き出てくる気持ち」がモチベーションの源です。その行動をしていること自体が楽しい。プロセスそのものに喜びを感じるタイプ。
例えば、お金に困らなくなっても続けたい仕事、読んでるだけで心が満たされる読書、趣味で描く絵、走ることが好きで参加するマラソン大会。毎日6時に起きて10km走るのが日課だったり、ジムに週5で行くような生活を10年も続けているような人は、周りが「なんでそんなに続くの...」と思ってしまうようなことでも、スイスイやってしまいます。
②外的動機づけ
外的動機づけは、「その行動をすることによって得られる結果(報酬)」がモチベーションの源です。プロセスが試練だとしても、報酬がもらえるからやるタイプ。
例えば、生活費を払うためにやる仕事、疑問の答えを見つけるためにする読書、いい成績を取るために描く絵、痩せるためにするランニング。
喜びは結果を受け取る時に感じるものなので、それまでの過程では「やる気!」「気合い!」と自分を鼓舞してやらなければいけません。
「外的動機づけ」が続かない理由
『痩せること』が目的の運動は外的動機づけです。モチベーションの源は結果にあるので、プロセスがつらい。運動しないで痩せられるのであれば、手段は別のものでもいいと感じるかもしれません。だからこのタイプは、「痩せるサプリ」とか「脂肪燃焼促進バスソルト」とか「着るだけで痩せる着圧タイツ」みたいな、運動せずに結果を出すための商品が気になってしまうんです。
残念ながら、運動が続けられるのは、報酬目当ての外的動機づけよりも、プロセス自体が楽しい内的動機づけです。
あなたが運動をする理由は、そのプロセス自体が楽しいからですか?体重計の数字を負わなくても続けたいことでしょうか?はっきりと内的か外的か分かれていないこともありますが、自分の中でどちらの動機づけなのか、考えてみましょう。
運動のモチベーションを保つ方法
外的動機づけで運動をしている人は、「運動が嫌いだから、過程は楽しめない。続けるのは無理だ。」と諦めないで!もともとのモチベーションが外的だとしても、工夫次第で内的に近づけることができます。
それが、結果が出るまでの道のりを楽しくすること。プロセスの中で「嫌だなあ」「やりにくいなあ」「不便だなあ」と思うことを避けて、自分の好きなことや楽しいことと組み合わせるんです。
いくつか例を紹介します。
1. 運動の方法(種類・タイミング)を変える
最新科学や1番効果的な方法は忘れて、自分が楽しいと感じる運動や時間帯を選びましょう。どれだけ科学的に保証された効果的な運動だって、続かなければ意味がありません。
ガッツリ運動のハードルが高いなら、まずは散歩から。朝が苦手なら、まずは夕方から。自分の好きなことから、自分の好きな方法で始めてみること。自分に合ってない方法を無理矢理押し付けるよりもずっと気が楽になります。
2.「運動」X「好きなもの」の組み合わせ
運動ついでに自分の好きなことをしましょう。運動だけ始めようとすると気持ちは億劫になりますが、自分の好きなことや趣味とセットでやると楽しく習慣づけできます。
友達とのお喋りが好きな人は、お喋りしながらウォーキング。コーヒーが好きな人は、運動の後にカフェ。買い物が好きな人は、ウォーキングした後に買い物。
3. 誰かと運動する
人といるのが好きな人は、友達を誘ったり、クラスに参加したりしてみましょう。イベントに参加したり、スタジオクラスに参加していくうちに、アクティブなことが一緒にできる人脈も広がっていくかもしれません。パーソナルトレーニングも選択肢の1つです。
4.好奇心を徹底的に刺激する
色々なことに興味が移りやすい性格を活かして、気になるものをどんどん試してみましょう。同じことの繰り返しを避けて、徹底的にその好奇心を刺激するんです。
私も実はこのタイプ。「定期的に運動する」は一定のリズムで飽きがちなので、ジムの運動は週1回、ダンスを週1回、キックボクシングを隔週1回やっています。同じ環境だと飽きるので、いつもと違うジムを試してみたり、いろんなダンス教室を転々としてみたり、キックボクシングもコーチを変えてみたり。「ちょっとマンネリ化してきたかも…」を敏感に察しながら刺激が続くように楽しんでいます。
「続かない」を「だらしない」で片付けても、何も解決しません。自分の性格を攻めるのをやめて、別の角度からモチベーションと向き合ってみてはどうでしょうか?
AUTHOR
mikiko
パーソナルトレーナー|自身の失敗経験を元に個人差や体質を重視した『mikiko式フィットネス論』を提唱|身体と人生観が変わるフィットネス哲学で、一生ブレないための視野と学びを発信しています|流行を根拠と本質で斬る人| 筑波大学健康増進学修士|NZベストトレーナー入賞
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