【意外と知らない…正しい食品の保管方法】もう冷蔵庫で食品を腐らせたくない!鮮度を保持する秘訣
野菜を美味しく食べるための鮮度保持の謎を解き明かす。
栄養士に相談すると、「もっと野菜や果物を食べましょう」とアドバイスを受けることがあります。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、統計上、成人のわずか10%しか十分な野菜や果物を十分に摂取できていないそうです。
高価なサプリメントを購入する前に、食生活に取り入れやすい食材があるはずです。学術誌のジャーナル・オブ・ニュートリシャン(栄養ジャーナル)に掲載された研究によると、葉物野菜を含む硝酸塩の豊富な食事は、12年間の研究期間中、運動量とは無関係に筋肉の機能を向上させたそうです。野菜や果物には、食物繊維、水分、免疫系によい影響を与える微量栄養素、疲労回復に役立つ抗酸化物質も豊富に含まれています。
さらに、バナナ、さつまいも、ビーツ、りんご、マンゴーなどには炭水化物が多く含まれています。炭水化物は、体内のエネルギー源であり、栄養補給源でもあります。
しかし、せっかく買った新鮮なケールが目の前でしおれるのを見ると、良いものをもっと食べようと思っている人なら誰でもがっかりすることでしょう。また、地球環境にもよくありません。
フードロスに歯止めをかける活動を行うNPO団体のReFED(リフィード)によると、家庭で出る食品廃棄物のうち最も多いのは野菜で、重量にして22%を占めています。「乳製品と卵も重量の点で大きなカテゴリーです」と、オハイオ州立大学の農業・環境・発達経済学教授で、フードシステムの改善を目指す研究ネットワーク、RECIPES(レシピズ)の共同ディレクターであるブライアン・ローさんは述べています。「さらに、これらの食品は、生産するのに資源とエネルギーを大量に消費するため、環境に大きな影響を与えます。ですから、これらを捨てることは、その生産に使われた全ての資源を捨てることになるのです」。
食品廃棄物を減らすには、計画を立て、食べることを約束することが重要ですが、その間にどのように保存するかも重要です。「保存方法は、家庭で購入した食品が無駄にならないようにするために、正しく行わなければならないことのひとつです」とローさんは言います。野菜は保存がきかないので、加工食品と比べると、腐る前に消費するのが難しいのです。春のファーマーズマーケットを目前に控え、ローさんが、新鮮でおいしい野菜や果物の保存方法をアドバイスしてくれました。
1.購入する食材について知る
私たちは、特定の種類の食品の保存方法について、ひとまとめに述べがちです。しかし、実際には、果物や野菜の種類によって化学構造が異なるため、長持ちさせるためのルールも異なります。
バナナブレッドを作るために、バナナを何日くらい置いておけるかは知っていても、季節の食材についてはあまりご存知ないかもしれません。「それぞれの保存方法に細心の注意を払う必要があります」とローさんは言います。
幸いなことに、Natural Resources Defense Council(天然資源防護協議会)が運営するセイブ・ザ・フードのような、非常に便利な情報サイトがあります。このウェブサイトには、数百種類の食品のカタログがあり、特定の種類の農産物の最適な保存方法と保存期間に関する情報が項目別に掲載されています。
これは食品廃棄物の観点からだけでなく、食の安全という観点からも有用です。
2.冷蔵庫はあなたの味方(冷凍庫も同様)
「りんご、ぶどう、ベリー類、オレンジ、そしてほとんどすべての野菜は冷蔵庫の中で長持ちします」とローさんは言います。
低温で熟成が進むのが遅くなるからです。熟成が終わると、食品は腐敗し始めます。したがって、低温が品物の寿命を延ばしているのです。
また、多くの品物は、きちんと時間をかけて準備すれば、冷凍庫で数ヶ月間保存することができます。例えば、過去のパターンから、イチゴが腐る前に1パックの半分しか食べられないことが分かっていれば、すぐに半分を冷凍庫に保存するプランを立てましょう。いちごの冷凍保存は、水洗いして乾燥させ、ヘタを取るのが一番です。ワックスペーパーを敷いた天板の上で凍らせてから、密閉容器に移し、イチゴ同士がくっつかないようにします。そうすると、冷蔵庫では2~3日しかもたないのに対して、8~12ヶ月は美味しく保存できます。また、他の種類のベリー類も同じように保存することができます。
また、最初から冷凍の野菜や果物を購入するのも、食品廃棄物を減らし、健康的な食生活を送るための良い方法です。
3. 野菜と果物を分けて保存する
冷蔵庫で野菜と果物を分けて保存するのには理由があります。「多くの果物は熟すと天然ガスを放出し、近くにある他の野菜を早く腐らせます」とローさんは言います。そのガスはエチレンと呼ばれます。
エチレンを大量に発生させるバナナ、リンゴ、トマトは、できるだけ野菜と果物を分けて保存することをお勧めします。特に、アスパラガス、ブロッコリー、ブドウ、メロン、玉ねぎ、カボチャなど、エチレンガスに敏感な野菜は別にしておく必要があります。
⒋切って保存する
野菜を食べるモチベーションを上げるには、食事の時間まで待つのではなく、購入後すぐに調理するのが効果的です。セロリとピーナツバターがあれば、手軽にスナックを作れます。また、食事の支度をするときに、面倒な下ごしらえがほとんど終わっていることに感謝することでしょう。
また、野菜や果物は、小分けにしたり、通気性の良い容器に入れたりしても構いませんが、ほとんどの野菜や果物は一度カットしたら、密閉容器に入れなければなりません。特にラズベリーやぶどうなど、食べるまで下ごしらえや洗いをしない方が良い果物もあることを覚えておきましょう。
教えてくれたのは……マリッサ・ローデンバーグさん
マリッサ・ローデンバーグさんは雑誌「ウーメンズ ランニング マガジン(Women's Running Magazine)」の編集者。クリエイティブ・ライティングの学士号、またサイエンス・ライティングの修士号を取得している。現在、マリッサさんは、健康、科学、自然分野の執筆に情熱を注いでいる。これまで、サイエンスマガジン、デンバーライフマガジン、シカゴトリビューン、ヒストリーマガジン、AvidLifestyleマガジンなどに寄稿している。
ヨガジャーナルアメリカ版/「Tired of Rotten Produce? These Are the Secrets to Properly Storing It」
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ヨガジャーナルアメリカ版
全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。
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