【更年期症状が重い人と軽い人の違いとは?】「更年期障害」にならないために今からできる対策
自分でできる対策で症状を軽くする
実は、こうした3つの要因それぞれに対して自分でできる対策があります。
身体的要因への対策〜体を動かして症状を和らげる〜
女性ホルモンの低下によって起こる自律神経の乱れに対しては、3つの対策があります。1つ目は、体を動かすこと。体を動かすことで更年期症状が緩和されるというのは、さまざまな研究で明らかになっています。そのひとつの調査結果を紹介しましょう。
このグラフは、軽い体操をする前と始めてから1週間後に、更年期症状を自己チェックする「簡略更年期指数(SMI)」を記入してもらった結果です。約20〜30分、椅子に座って軽く体を動かす程度でも、症状がどれも緩和されていることがわかりました。
運動は、自律神経を整えてあげる行為です。更年期症状は、自律神経の乱れによって起こるので、運動すると体調が良くなるというのは、当たり前といえば当たり前ですね。運動習慣がない方は、ウォーキングを始めてみたり簡単な運動を取り入れてみたり、少し体を動かす習慣をつけると症状が楽になるかもしれません。
生活習慣の見直しも、とても大切です。運動習慣に加え、バランスの良い食事をとること、規則正しい生活を送ることなど、更年期をきっかけに生活を見直してみるとよいでしょう。症状がつらい場合は、我慢せずに婦人科を受診するというのも大切な選択肢です。更年期障害には治療法があります。ホルモン補充療法や漢方薬を使った治療が代表的です。
心理的要因への対策〜体の変化を正しく知る〜
真面目で責任感が強いから更年期障害が出やすい…と言われても、45年近くこの性格で生きてきたわけですから、突然性格を変えろといわれても無理ですよね。そこでおすすめしているのが、自分の体の中で何が起こっているのかを正しく知ることです。よくわからない体調不良があると、それだけで不安になります。
「私ってこういう体質になっちゃったのかな」
「次に私が頑張れるのは来世かな…」
まるで“出口のないトンネル”に入り込んでしまう方もいます。あまりに辛い状況です。しかし、更年期には必ず終わりがあります。女性ホルモンの低下が終わり、脳がホルモンが低下した状態になれていくと、自律神経の乱れによる症状も嘘のようにスッと収まっていきます。
実際に更年期を卒業した先輩にアンケート調査をすると
「もう本当に霧が晴れたように、不快な症状や気分のモヤモヤからスッと抜けられた」
といった声が多く集まります。もう一度言います。更年期には必ず終わりがあります。心理的な要因を減らすためには、まずは体に起こっている変化を正しく知ることが大切なのです。
環境要因への対策〜人生を客観的に俯瞰して見る〜
環境要因へは、人生を俯瞰してみてみることをおすすめしています。自分の人生の中で、どこにどんな転換期があるのかを俯瞰して客観的に見るということです。
人間というのは面白いもので、たとえ同じことが起こったとしても、突然迎えるのか、それとも「この時期にはこんなことが起こるんだな」と心の準備をして迎えるのとでは、受け止め方が変わってきます。事前に対策をとっておくこともできますし、過ごし方も心の余裕も全く変わります。
そこで、以下のようなワークシートを作ってみることをおすすめします。
今自分がどういう状況なのか、今後どういうことがどんな時期に起こりうるのか、人生のイベント(ライフ)、キャリア、子育てや介護といった暮らしの3つの側面から書き出すものです。可視化することで、準備しておくべきことが見えてくるとともに、頭と気持ちの整理にもなりますので、おすすめです。
更年期は人生の転機
更年期は英語で「change of life」とも言われ、人生の転機として前向きにとらえられています。更年期はネガティブなものではなく、心と体に向き合うチャンス。人生100年時代では、更年期はちょうど半分、折り返し地点です。この先もまだまだ人生は続きます。更年期を過ぎたあとも快適に自分らしく生きていくために、土台作りの時期であると考えてみたらいいのでは、と考えています。
更年期には必ず終わりがあります。良いchange of lifeを送れるよう、心と体を整えていきましょう!
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NPO法人ちぇぶらでは、更年期をよりご機嫌に快適に過ごして行くためのヒントやアイデアを発信しています。
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AUTHOR
永田京子
株式会社ウェルネスシアター代表、ちぇぶら更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ6万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。
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