【更年期症状が重い人と軽い人の違いとは?】「更年期障害」にならないために今からできる対策
更年期障害はなぜ起こる?
更年期障害になる理由は大きく3つあることがわかっています。身体的要因、心理的要因、環境要因です。
身体的要因〜女性ホルモンの低下〜
これは、先にお伝えした更年期の女性に起こる体の中の変化のことです。女性ホルモンが急低下して自律神経が乱れることによって、体や心にさまざまな症状が現れます。
月経周期の乱れ、ホットフラッシュ(体のほてり、発汗など、体温調節がうまくいかず暑さを感じる症状)、イライラ、不安、不眠、集中力の低下、動悸・息切れ、倦怠感、肩こり、頭痛、肌や粘膜の乾燥、血圧や血糖値の上昇…その症状は200種類あるとも300種類あるとも言われています。
同様に女性ホルモンの変化によって、閉経前でも症状が現れることもあります。月経前に起こる「PMS(月経前症候群)」です。イライラする、気持ちが落ち込みやすくなる、むくみが出るといった症状が、月経前に起こるというものです。女性ホルモンは1ヶ月の中でも大きく変動していることからPMSの症状が現れますが、これも症状が強く出る人、ほとんどない人、個人差がとても大きいものです。
PMSの症状が重い人は、更年期症状が少し強く出やすいというデータ*もあります。ただ、PMSの症状が重いからといって必ず更年期症状が重くなる、というわけではありません。
* E W Freeman 1, M D Sammel, P J Rinaudo, L Sheng : Premenstrual syndrome as a predictor of menopausal symptoms : Obstet Gynecol. 2004 May;103(5 Pt 1):960-966.
心理的要因〜真面目で責任感の強い性格〜
2つ目の心理的要因とは、性格のこと。とても心配性だったり、真面目で自分に厳しい人(つまり、人に優しい人とも言えますね)、責任感の強い人などは、更年期障害になりやすい傾向があります。
ひとことでいうと「がんばる人」のイメージです。
環境要因〜更年期には身の周りに大きな変化が起こりやすい〜
ここでいう環境とは、自分の身の周りの変化のことです。ちょうど更年期の時期は、仕事をしている人だと責任ある立場になることが多い時期です。子どもがひとり立ちしたから、新しく仕事を始めるという人もいます。仕事での環境が大きく変わる節目にあたります。
家族の面では、子どもが巣立っていく時期。生まれてからずっと一緒にいた子どもがいなくなる、家族がひとり家からいなくなるのは、ものすごく大きな変化です。人によっては心にぽっかり穴があいたようなダメージを受けることもあります。「空の巣症候群」と呼ばれる状態です。まだ巣立ちはしなくても、子どもの受験、思春期のタイミングに重なることもあります。そしてこの時期に始まることが多いのが、親の介護です。介護が原因で起こる「介護うつ」があるほど大変な状況になることもあります。こうした、大きな環境変化が重なったうえに自分の体調が不安定になると、どんな人でも何かしら影響が出てくるのは当然のことでしょう。
AUTHOR
永田京子
株式会社ウェルネスシアター代表、ちぇぶら更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ6万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。
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