【動くのが苦手な人・億劫な人ほど運動が必要】寝ても疲れが抜けないときのセルフケア

 【動くのが苦手な人・億劫な人ほど運動が必要】寝ても疲れが抜けないときのセルフケア
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仁平美香
仁平美香
2022-04-10

前回、腎や副腎が疲れているとすぐに疲れて運動がおっくうになると書きましたが、運動することで血流がよくなり代謝もあがるので、動くのが苦手な人ほど運動が必要です。今回は後編として副腎や腎疲労から寝ても疲れがとれない方に参考にしてほしい身体作りについて。前編の「食」につづき、後編はセルフケアやエネルギーを生み出すために必要な習慣についてお伝えしていきます。

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疲れが抜けない人こそ運動でエネルギーを生み出す

疲れているのに運動したほうがよいというのは一見矛盾しているように思いますが、身体の細胞内にはエネルギーを生み出すミトコンドリアという小器官があり、このミトコンドリアは筋肉内にもたくさん存在しています。筋肉量を増やすことでミトコンドリアの数を増やすことができ、運動で適度な刺激を与えることでこの機能を高めることができます。運動によって血流がよくなり代謝もあがります。軽い運動でもいいので、エネルギー不足を感じる人は運動を習慣化していくと疲れにくくなります。

特に体脂肪率が高めの人は、そうでない人にくらべてミトコンドリアの働きが低下しています。体重よりも体脂肪率に目を向けて身体作りをしていきましょう。ただし、女性は過剰に体脂肪率を落としすぎたり、体力に見合わない激しすぎる運動をしたりするとホルモンバランスの乱れを引き起こします。体脂肪率がとにかく低くければ良いということではありません。運動の強度や頻度を大きく増やす際は精神的なゆらぎや体調の変化を観察し、生理がある世代の方は生理周期に乱れがないかなど確認しつつ、体脂肪の落としすぎにも気を付けましょう。

動くのが億劫な人が運動を続けるコツ

運動嫌いの方はまずはやる気がおきないことが一番の問題なのでなかなか動きはじめられず、そして継続するのが難しいところ…。運動嫌いな方が運動の習慣をつけるポイントとしては、いきなり「10キロ走る!」などの高い目標を掲げないこと。習慣化するまでは、実施のハードルをとにかく低く設定してみましょう。雨が降ったからやめておこうなど天候を言い訳にしてさぼりやすいので、まずは室内でできるものからはじめるのもおすすめです。

マットをしくスペースがあれば天候に左右されずに、また出かけなくてもできるヨガのポーズの練習は続けやすい運動の一つだと思います。ただし、運動が億劫な方が、例えば毎日1時間ひとりで練習をするのは意外と難しくなかなか続けにくいので、毎週ヨガクラスに参加するのを習慣化したり、ひとりでの運動の時間はまずはあまりハードルをあげずに数分ずつだけでもよいので毎日少しでもやってみるところから。例えば起きたら行うワーク、何か食べる前に行うワーク、寝る前に行うワークなど生活の中で行動と結び付けて行うようにすれば、続けて行う集中力がない人でも1日を通すと数十分身体を動かすことができます。わたしはヨガクラスやヨガスクールで運動の習慣がない生徒さんに宿題を出す際は、トイレから出る前このワークをやってみて等、何かきっかけとなる行動や場所と結び付けてお伝えするようにしています。

おなかを鍛えていくことに効果的なプランクなども急に〇分キープと頑張りすぎずに、カラダに力みが出る手前までキープし、何秒くらいキープできるのか計ってみましょう。そこから毎日1秒ずつキープ時間を増やしていくようにすると無理なく徐々に筋肉を育てていくことができます。ヨガポーズなど以外でも、例えば歩くときはいつもより腕を良く振って歩くことで自然と一歩が大きくなるので身体全体を使えますし、マンションや地下鉄などではエレベーターやエスカレーターではなく1階分だけでも階段を使うようにする(やる気が出たら2階分、3階分と増やす)なども日常の中で運動量を増やすよい工夫です。

最初はこんなに少しでいいの?というくらいハードルを低く設定し、習慣化してから運動する時間や距離などを増やしていくのがおすすめです。

小さいゴールを達成するとモチベーションを保ちやすくなります。

腎・副腎が疲れているかも? 寝ても疲れが取れないときにおすすめのセルフケア

ここでは「腎」の巡りをよくすることにフォーカスしたセルフケアを紹介していきます。

1,足裏涌泉(ゆうせん:足裏の中央から指側にあがったところのくぼみ)を指でつかみながら、足裏を10回程グーパーして動かしてみましょう。

2,床に座り、脚を前に投げ出して長座になり、両腕をまっすぐ前に伸ばして手の甲と手の甲をが向かい合うようにし、両側の足指を軽く外側に向けます。

3,上体をもも裏が少し伸びる程度、少し前に倒していきます。このとき、背中をまるめるのでなく脚の付け根から身体を少し傾けるイメージで。ゆったり5呼吸程キープして戻ります。

セルフケアポーズ

今回紹介したワークの他に、ヨガのポーズですと、ウッタ―ナーサナ(立位での前屈)や、ジャーヌシールシャーサナ(座った上体で頭を膝に近づけていく前屈)を行うのもおすすめです。

副腎が疲れている時は日々のストレスメンテナンスもとても重要。環境や職場、家庭の事情などまったくストレスがない人はいないと思います。環境を変えることは難しくても自分自身のストレス耐性を下げないようメンテナンスしていくことはできます。

呼吸法や瞑想を通してストレスに対して大きくゆらぎにくくなっていけるので、まずは目を閉じて自分の呼吸に意識を向けるところから。吸う息でおなかが横にも後ろにもふくらみ、吐く息でおなかがぺしゃんこになるのを感じながら普段よりゆっくり呼吸を繰り返すだけでも自律神経のバランスを整えることにプラスになります。

季節の変わり目は体調に揺らぎが出やすいとき。無理のない範囲で身体を動かしたりセルフケアをする時間をとって、巡りをよくしエネルギーを高めていきましょう。

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仁平美香

仁平美香

WAY-TOKYOヨガ&ボディケアサロン主宰 パーソナルヨガおよびグループレッスンの他、オイルマッサージ、指圧整体等を様々な年代のクライアントに提供。ヨガ講師(WomensAwarenessYoga、月経血コントロールヨガ、産後、マタニティヨガ等、講師養成スクールにて講師育成を行うほか、イベントやレギュラークラスで指導中)、栄養士。女性のためのヨガ協会代表。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等8冊の著書がある。雑誌・WEB等コラム連載&監修多数。



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