ミニマリズムを人間関係に応用してみるとラクになる?シンガポールに暮らして気づいた大事なこと

 ミニマリズムを人間関係に応用してみるとラクになる?シンガポールに暮らして気づいた大事なこと
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「ミニマリスト・ミニマリズム=モノを減らす」とイメージする人も根強くいると思います。けれど実際は物質的なモノではなく”見えない余計なモノ”に負担を感じてる人も少なくはないのではないでしょうか。今年でシンガポールに住んで10年になる筆者は人との付き合い方にミニマリズムを応用しています。そして、これが価値観や文化背景が異なる人たちの中で生き残る術となりました。

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より充実した人間関係を作るためのミニマリズム

 Yanapi Senaud
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「ミニマリズム=モノを持たない暮らし」とイメージする方も多いと思いますが、モノだけでなく様々なことに応用することができると筆者は考えています。中でも人間関係についての応用はおすすめ。

「この人は好きだから仲良くして」「この人は嫌いだから仲良くしない」と言ったような子供じみたことではありませんが、やり方はとてもシンプル。どんな相手とも”境界線”を引くことで人間関係を良好にすることができると信じています。

もしかしたら、人間関係において境界線を設けることは、親密でオープンな関係を育むために一番やってはいけないことのように思えるかもしれません。人を受け入れる気がないことを意味するかのように。

けれど、わざわざ”柵”を作らなくても境界線を作ることはできるのです。むしろ、大切な人との間に”境界線”を引くことは、関係をより充実させ長続きさせるのに役立ちます。

『Boundaries: When To Say Yes, How To Say No To Take Control of Your Life』という本の中で、著者であるヘンリー・クラウド博士は、「健康でバランスのとれたライフスタイルには、明確な境界線を持つことが不可欠だ」と述べています。また、共著者であるジョン・タウンゼント博士によると、「境界線は、私たちが”誰であり”、そして”誰でないか”を定義する。」とのこと。

つまり境界線と設けることで、自分自身の責任を他の人に示すことができるというわけです。

大切な人、ずっと関係を続けてい生きたい人だからこそ、自分がどんな人間なのかということを知ってもらえれば、関係も長く続くのではないでしょうか。

境界線の定義は人それぞれ

Markus Spiske
Photo by Markus Spiske on Unsplash

大切な人との境界線を作るためには、「わたしは誰?」「何が大切?」と言ったような、自分にとって何が一番大切かを明確することからはじめるのがおすすめです。

例えば、

・誰にでもハグする

・握手もしたくない

・聞き手

・喋り手

・礼儀正しく受容的

・一部の人から反発されたとしても率直

など。

忘れなくないのは、何が自分にとって自然なことかは、自分だけが知っていること。誰か他人が決めることではありません。

自分の境界線を知ることで、自分が何を受け入れ、何を拒否すべきかを把握し、調和した生き方をすることができます。

これらが決まったら次はそれを他人に伝えるという大きな一歩を踏み出します。

快適な暮らしを送るために

 Levi Meir Clancy
Photo by Levi Meir Clancy on Unsplash

筆者は自分の意見などを主張するのがどちらかと言うと苦手なタイプで、昔から自分を押さえつけて他人に合わせる癖がありました。それでも、多民族国家のシンガポールで長く暮らすようになってからと言うもの、自分の芯を持たなければ快適に暮らしていくことからどんどん遠ざかっていくことに気づきました。

決して簡単ではありませんでしたが、暮らしの中で実践していくうちに、人を裁いたり納得していないのに従ったりする必要がなくなり、代わりに心からコミュニケーションをとることができるようになりました。コミュニケーションがうまくいくようになると、人とのつながりも強くなっていきます。

ミニマリズムは、私たちの創造性や価値観などを強化するのに役立ちます。物質的なモノを減らす・なくすだけでなく、目に見えない重荷となっているモノにもぜひ応用してみてはいかがでしょうか。

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AUTHOR

桑子麻衣子

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。



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