午前中は社員・午後は観光客...シンガポールの人々が「ワーケーション」に出かける理由
最近よく耳にする『ワーケーション』という働き方。観光地やリゾート地などでテレワークを活用し、働きながら休暇をとる過ごし方のことです。コロナ禍によって働き方はもちろん生き方の自由化が加速する中で、海外では世界を飛び回りながら働く人が増えています。「働くこと+休むこと」という対になるものをかけ合わせることは実はヨガ的な働き方と言えそうです。
今注目されている『ワーケーション』って何?
ワーケーションとは、コロナ禍になって注目されはじめたワード。
英語の「Work/ワーク」と「Vacation / バケーション」を組み合わせた造語になります。文字通り「働きながら休暇を取る」といった新しい働き方の選択肢になります。
具体的には、働き手が”自宅以外の場所”でリモートワークを行います。ポイントとなるのは”場所”。バケーションと言うからには「働くこと+休暇をとる」ということが重要になります。つまり近所のカフェなどで働くのではなく、あくまでも”旅行先で仕事する”ということがワーケーションの最大の特徴というわけです。
「仕事と休暇と言えば”相反するもの”でマッチしないのでは?」と考える方もいるかもしれません。けれど、相反するものを調和させることでバランスをとるという点はヨガやヨガの姉妹科学であるアーユルヴェーダが大切にしているポイントでもあり、とても興味深く効果的な働き方ではないでしょうか。
午前中は社員・午後は観光客...シンガポールの人々が「ワーケーション」に出かける理由
筆者の住むシンガポールでも海外を旅しながら働く人々が急増中。現地時間でまだ日が昇る前からパソコンの前に座り仕事をして、午後には観光客として旅行をエンジョイします。
一概には言えませんが多くの人がその選択をする理由は「コロナ禍だからこその自由を手に入れるため」と言えそうです。
特にシンガポールという東京23区程度の小さな島国で暮らすことは、体験できるエンターテインメントに限りがあります。コロナ禍以前は、週末ごとに近隣の国へ旅行する人も決して珍しくありませんでした。ですので、国の外に自由に出ることができなくなってからというもの、多くの人々の口癖と言えば「早く旅行がしたい」といったもの。
また、常に規制の変化を続けていることに苦しさを感じる人も少なくありません。もちろん海外だからと言ってもその国のルールに従わなくてはいけませんが、それでも、こんな時代だからこそ、それまでと違う環境下でワクワク感を味わいながら限られた時間を過ごすことに有意義を感じ、仕事もより一層頑張れるようです。
ワーケーションの魅力
仕事も旅行もどっちも楽しめる
言うまでもありませんが、ワーケーションの最大の魅力は仕事をしながら、旅行を楽しめるといったこと。特に「旅行が趣味」と言った方にとっては、この上なく楽しい働き方ではないでしょうか。
ガス抜きを定期的にいれることでリフレッシュにつながり、不透明な時代の中を明るくイキイキと過ごせるように思えます。
生産性アップにつながる
普段とは異なった場所で休暇を取りながら仕事をすることで、生産性が高まると考えられています。実際、脳科学的にも「人はいつもと異なった場所で過ごすことで脳が活性化される」と言われているんだとか。
「中々仕事が進まない」「アイディアが思い浮かばない」「非効率だな」と感じる時など、ちょっと息抜きしただけで、仕事が進むと言った経験をしたことはありませんか?これも、また相反するものをかけ合わせることで仕事の質をアップすることにつながると言えるのではないでしょうか。
豊かさを実感できるかも
新しいもの、場所、人が好きな人にとって、常に変化し続けることは、とても豊かなことです。一方で、単調な生活は時間の流れを狂わせるため、定期的な目新しさは全く逆の効果をもたらします。ただ毎日を過ごしているのではなく「私は生きている 」という深い実感が生まれるかもしれません。
日本でワーケーションをするなら?
海外を転々とながら、仕事をするというのは、現実的にハードルが高いといえるかもしれません。けれど、諦めるのはまだ早い!なぜなら日本は国土面積が広く、施設も充実しており、その上歴史も深いから。
東京都内のラグジュアリーなホテルにステイしながら仕事をするという選択肢も、とても有意義な仕事+休暇時間を過ごすことにつながるでしょう。また、もし会社がOKなのであれば、国内を回りながら仕事をするのも理想的ですよね。
国内ワーケーションであれば、海外のように時差を気にする必要もありません。とはIえ、地方ステイの場合はWi-Fi環境など整っているか否かなどを事前に調べる必要あり。
相反するものが調和とバランスをもたらす
ヨガやヨガの姉妹科学であるアーユルヴェーダでは「中庸」という考え方をとても大切にしています。どちらかに偏りすぎてしまうことでバランスが崩れてしまうのです。
「仕事ばかりしすぎてしまえば、ストレスが溜まってしまう」
「休みすぎてしまえば、怠けてしまう」
その中間を目指すことで、豊かな生き方につながるのではないでしょうか。
AUTHOR
桑子麻衣子
1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。
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