手は「露出した脳」?全身のコリを一気に解消する「手」のほぐし方
身体のあちこちにあるコリを一刻も早く解消したい。でも、身体を大きく動かす場所も時間もない。そんなお悩みを解消するのに、あなたの「手」をほぐすことから始めてみませんか?是非、ちょっとした隙間時間、移動時間、休憩時間…におこなってみてください。
頭のコリ、目のコリ、首コリ、肩コリ…。忙しすぎる現代人の生活では、誰もがどこかに「コリ」があるといってもいいほど、「コリ」は悩みの種となっています。病院に行くほどではないけれども、自分で定期的にケアできる方法があれば嬉しいですよね。そこで、コリをほぐすのにおすすめなのは、日常生活で何気なくつかっている「手」です。手のひら・手の甲・指・手全体を押したり、擦ったり、揉んだりして刺激をいれることで、不思議と体全体の血行が良くなる効果があります。深呼吸を大事に刺激していくので、自然と気の巡りもスムーズになり、その結果、全身のコリがほぐれ、内臓の働きが高まるなどの効果も期待できます。
手を刺激すると全身がほぐれる理由とは?
東洋医学の考え方では、「手は人体の縮小版」と言われるほど、手のひら・手の甲・指と全身には相関関係があります。指の一本一本、手のひら、手の甲の各所には全身に繋がる関連部位が散りばめられているのです。手のひらはお腹側、手の甲は背中側が写ると言われるほど、手は全身の写し鏡です。中指先が頭部、背骨。人差し指、薬指が肩から手先。親指、小指が股関節から足先(下図参照)。
見方を変えれば、手指を意識して押したり、揉んだり、擦ったりといった刺激をしてあげることで全身を動かしたと同じくらいの効果があり、体が軽くなりスッキリすることが期待できます。また、手は「露出した脳」といわれるほど、手は脳の緊張状態や弛緩鎮静状態をよくあらわします。手をほぐすことで、脳のストレスも解消され緊張もほぐれることで、よく眠れ、心身ともにリラックス効果が高まるでしょう。
隙間時間や移動時間にもできる手のセルフケア法
★常に深呼吸を意識します。鼻からゆっくり吸って、口からフーッと吐く。
親指、小指、人差し指、薬指、中指の順でおこなってみましょう。
①手首をブラブラとして緊張をほぐす。
※①~⑧まで1セット。終了したら、反対側の手も同様に行う。
参考資料:『龍村式 指ヨガ健康法【新装ワイド版】』龍村修著
押したり揉んだり擦ったりしたときに少しゴリゴリする感覚があったり、痛いと感じるところがあれば、関連しているところの辺りが弱まっているかもしれません。痛気持ち良い程度の圧で大丈夫です。そして、大事なポイントは深呼吸をすること。特に吐く息に力点を置いてみてください。吐くときに、刺激を入れる。そして、息を吐ききることで、老廃物がより早く排泄され、より多くの新鮮な空気を取り入れることができ、より効果が高まります。その刺激が体にどう影響するかをイメージし、意識を自分の内側に向けながらおこなってみましょう。
最後に
基本的にはどの時間帯におこなっても大丈夫です。ホホバオイル、馬油、お好きな香りのマッサージオイルを使用しておこなうと摩擦が軽減され、より心地良さを感じられるでしょう。ただし、特に年配の方は血管がもろくなっている可能性があるので、痛気持ち良い圧でおこない、力加減にはお気を付けください。また、手に炎症が起きているときは中止しましょう。その他、妊婦さんがアロマオイルを使用される場合は、妊娠時に使用しないほうが良い香りもあるので、専門家とご相談ください。
全身のコリを解消し、全身を癒す可能性が最大限にある「手」から、気持ち良さが広がっていきますように。
AUTHOR
元田裕子
ヨガインストラクター。図書館司書として働いていた頃にヨガと出会う。心身がすっきり解放される感覚に魅了され、指導者資格を取得。現在は、オンラインレッスンのほか、横浜市内のヨガスタジオ、カルチャーセンター、子育て支援施設、神社などでクラスを担当。子どもから大人まで幅広い世代へセルフケアの大切さを伝えている。全米ヨガアライアンス500時間修了/龍村ヨガ指導者養成講座修了/経絡YOGA認定講師。インドのアーユルヴェーダDr.よりアーユルヴェーダ・マルマセラピーを学んでおり、アーユルヴェーダアドバイザー、マルマセラピストとしても活動の幅を広げている。
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