座っているとき「つい、膝が開いてしまう…」原因は骨盤底筋?骨盤底筋力を目覚めさせる2つの方法
「座ってもすぐに膝が開いてしまう」「むしろ開いていたほうが楽だ」と感じているあなたは要チェック。ある部位の底の筋力の衰えが進んでいるかもしれません。現状からチェックし、少しずつ筋力を意識し目覚めさせていきましょう。
電車で座ったとき、目の前の人の膝の開きや姿勢が気になったことはありませんか?その目の前の人も、こちらを見てそう思っているかもしれません。ふと座ったときの姿勢は、日常生活の癖や筋力の使い方がそのまま表れる場面かもしれません。「膝が開く」「背もたれにもたれやすい」などは、ある筋肉の衰えが進んでいる可能性が考えられます。それは「骨盤底筋(群)」。骨盤を正常な状態に保つ筋肉の中でも、とくに重要な筋肉「骨盤底筋」。骨盤底筋という言葉はよく聞くし、大事だとは分かっているけれども、実際自分の身体のどこにあり、どんなときに使っているのかよく分からないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
日常生活の中から見る 骨盤底筋の使用度チェック
以下のような症状に多く思い当たる場合、骨盤底筋がうまく使われていない可能性があります。
●電車で座っているときにすぐ膝が開く
●一日のうちに座っている時間が長く、座ってもすぐに背もたれに寄りかかってしまう
●お風呂から上がったときに膣からお湯が出てくる
●尿漏れがある
●猫背で姿勢が悪い
●足の指を使わずに膝を曲げて歩くことが多い
●腹筋を意識して鍛えているが下腹がぽっこり出ている
●便秘で困っている
●お尻と太ももの境目が少ない
●X脚やO脚である
●呼吸が浅い
骨盤底筋(群)とは
骨盤底筋とは骨盤の底にあるハンモック状の筋肉です。尾骨、恥骨、左右の座骨を結んだ筋肉で、薄い筋肉が重なり合っているので、骨盤底筋群とも呼ばれます。膀胱、子宮、直腸などを下から支える役割と、排泄のコントロールをする大切な役割があります。身体の深層にあるインナーマッスルなので、普段の生活では筋肉の動きが意識しにくいのは自然なことです。20歳を過ぎる頃から少しずつ衰え、特に女性は、ホルモンの関係で加齢とともに緩みやすいとも言われています。しかし、骨盤底筋を意識しながら呼吸をしたり動作をし、「しっかり使ってあげる」ことによりどんどん鍛えられる可能性もあります。今回は、誰でも取り組みやすい骨盤呼吸とワイドスクワットという動作を行いながら骨盤底筋への意識を広げていきましょう。
イメージしながら骨盤呼吸!目覚める骨盤底筋への意識
①仰向けに寝て、膝を腰幅に立てる。足はお尻から程よく離しゆったり開き、足の外側は平行に保つ。腰の下に手を入れたとき、手のひら一枚入るか入らないかくらいのカーブを維持してリラックス。両手はそのまま楽に伸ばしても、下腹部に軽く休ませてもOK。優しく目を閉じて、自転車にまたがった時に股に触れるエリア、骨盤の底へ意識を広げます。
②口から大きく息をはーっと骨盤の底まで吐いて、全ての力を抜きます。
③吸うときに骨盤底がゆるんで広がるような感覚、吐く息で骨盤底が引き上がり締まるような繊細な動きを感じます。吸うときにお花が開いていく、吐くときにお花が閉じていくイメージを足してもよいでしょう。
④骨盤底、お腹、横隔膜の動きが連動していることも徐々に感じられるでしょう。吐くときは足裏で床を押し、骨盤底が引き上がり、お腹を奥にしまい、吐き切る。使い終わりの歯磨き粉のチューブを下から丸めて上へ押し出していくかのように。そして、吸うときには、ゆるめながら、骨盤の底まで開放的に広がる感覚。吸う息で骨盤の内側を、優しく泡立てるかのように骨盤の底に繊細かつダイナミックな開放感があることをイメージしてみるとよいかもしれません。
骨盤底筋を直接鍛えるワイドスクワット
①足幅を肩幅より広く大きく開いて立つ。膝、つま先は少し外側へ同じ向きにする。
②息を吐きながら膝を曲げ腰をおとす。上体は前傾させて両手を腿の上にのせる。
※つま先は膝より前にでている。お尻の穴をキュッと締める。骨盤底筋が引き上がり、お腹も奥にしまわれる感覚。
③徐々に深く膝を曲げ、床と太ももが平行になるまで腰を深く沈めて3~5呼吸キープ。肘は膝の上にそっと置く。
④吸う息に合わせて骨盤底が広がる感覚で膝をゆっくり伸ばして戻る。
骨盤の底の筋肉を意識しながら日常生活を送ったり、運動をすることはなかなかないかもしれませんが、イメージを加えて呼吸をしてみたり、鍛えてみると少し身体の使い方が変わってくるかもしれません。骨盤底筋は生活の不調を改善する鍵となる、とても大切な役割をしています。何となく大事なところ、というところから少し抜け出して、自分の生活の質を変えてくれる大事なところという意識をもってみましょう。電車に座るときも骨盤底筋を意識してみてください。もう、膝が開くということはなくなってくるのではないでしょうか。そして、窓に映る姿勢もきっと綺麗に見えることでしょう。
AUTHOR
元田裕子
ヨガインストラクター。図書館司書として働いていた頃にヨガと出会う。心身がすっきり解放される感覚に魅了され、指導者資格を取得。現在は、オンラインレッスンのほか、横浜市内のヨガスタジオ、カルチャーセンター、子育て支援施設、神社などでクラスを担当。子どもから大人まで幅広い世代へセルフケアの大切さを伝えている。全米ヨガアライアンス500時間修了/龍村ヨガ指導者養成講座修了/経絡YOGA認定講師。インドのアーユルヴェーダDr.よりアーユルヴェーダ・マルマセラピーを学んでおり、アーユルヴェーダアドバイザー、マルマセラピストとしても活動の幅を広げている。
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