つま先立ちをしても無駄⁉【ふくらはぎ痩せの極意 後半】足首にある「距骨」のねじれを修正するエクサ
女性の中でも、ふくらはぎや足首周辺の太さを気にされている人は多いのでは? ふくらはぎ痩せのためによく行われるつま先立ちのトレーニングは果たして本当に効果があるのでしょうか? 原因を見極めて、ふくらはぎが見えない冬だからこそ、春に向けてふくらはぎ痩せにチャレンジしましょう。
ふくらはぎが太くなる原因は?
ふくらはぎや足首が太くなってしまう原因は大きく分けると次の4つがあります。
①むくんでいる
②過剰に筋肉がついている
③過剰に脂肪がついている
④骨格のマルアライメント(ゆがみ)がある
前半ではむくみと過剰に筋肉がついているタイプの対処法をお伝えしました。
後半は3つ目の過剰に脂肪がついている、4つ目の骨格のマルアライメントがあるについてお伝えします。
過剰な脂肪を減らす方法
脂肪が過剰なタイプは食事と運動によるダイエットが必要になります。
どうしても短期間に体重を落とさなければいけない時などは糖質制限も悪くはないですが、長期的にみるとデメリットもあるのであまりお勧めできません。
食事のコントロール方法はたくさんありますが、まずは余分なものを摂取していないか、普段の食生活を見つめなおしてください。
例えばお酒やお菓子は本来必要のない栄養です。習慣で口にしてしまっているものは本人も気づいていなくて、「食事はあまり食べていないのに太る」と思っていたりします。
アルコールは肝臓が脂肪を代謝するのを妨げます。
お菓子に多く含まれる砂糖は果糖とブドウ糖が結合したものです。果糖はブドウ糖のように血糖値を上げないのでヘルシーだと勘違いされていますが、内臓脂肪に直結しやすく、老化につながるAGEsを作り出す作用がとても強いことがわかっています。
甘みの強いフルーツのスムージーなどを朝食代わりに取っている人も、微量栄養素が取れるというメリットはあるものの同じことが言えます。
内臓脂肪によって体重が増えることでふくらはぎにかかってくる負荷が増加し、前半でお伝えした筋肉が過剰な状態になります。
また、お菓子には脂質も多く含まれるため、こちらは皮下脂肪につながります。皮下脂肪は直接的にふくらはぎのサイズを太くしてしまいます。
内臓脂肪は皮下脂肪に比べると、ウォーキングなどの軽度な運動で落ちやすいので、お腹周りがポッコリしている人はホットヨガなどを試してみるといいかも知れません。
また、脂肪を代謝するためには細胞内の小器官ミトコンドリアの働きが欠かせません。ケルセチンなどの微量栄養素、亜鉛、マグネシウム、鉄などのミネラル、ビタミンB群を含む食品を多くとってミトコンドリアの機能を高めましょう。
おすすめは玉ねぎ、海苔、豚肉などです。
骨格のゆがみの改善方法
骨格のマルアライメントがある状態の代表的な例は、足首にある距骨という骨のねじれです。
距骨は背屈というつま先を上げる動作をする時に後方に滑りますが、距骨が前方にずれていたり横にねじれていたりすると、この後方滑りがうまくいきません。
椅子のポーズで立位から膝を前に出していく動きを行うと、膝が足の人差し指の方向よりも内に入ってしまう場合は距骨がずれている可能性があります。
また足首を左右で比べた時に背屈しにくい、前方に詰まった感覚があると感じる方、足首を前から押した時にすぐに骨にあたる方は距骨がより大きくねじれている可能性があります。
私は普段手技で距骨の位置を修正したり、足首周辺の癒着を取ったりしていますが、今回は皆さんでも家庭で簡単に距骨の位置を改善できる方法をお伝えします。
バンディットドーサフレクション
紹介するエクササイズはバンディットドーサフレクションです。このエクササイズにはゴムバンドが必要になりますので準備をしてください。
ゴムバンドの大きさはどんなものでも結構ですが、できれば上の写真のような、やや細めで輪になった短いものがおすすめです。どうしてもゴムバンドが準備できない場合は動画の内容を参照してください。
やり方
①立位で片方の足首をゴムバンドの中に通します。
②反対側の足をゴムバンドに通し足で踏みます。ゴムバンドが長い場合や輪になっていない場合は足を通さずに踏んでください。
③足首を通した方の足を一歩前に出します。
④内くるぶしと外くるぶしを結ぶようにゴムバンドの位置を調整します。
⑤前に出した足の人差し指は真正面に向け膝の中心も同じ方向を向くように股関節で調整します。
・骨盤の前方と後ろの足のつま先もなるべく真正面を向くようにしましょう。後ろの足のかかとは浮いても大丈夫です。
⑥親指と人差し指の間とかかとの真ん中を結んだ線で床を捉えるイメージを持ちます。
・この後常にこの ラインを踏み続けてください
⑦人差し指の方に向かって膝を前に出して行きます。
・膝はつま先よりも前に出て構わないので、スネをしっかりと前に倒してください。
・5回繰り返します。
⑧股関節から外旋(外にひねる)して膝の中心を中指の方向に向け、スネを前に倒します。
・5回繰り返します。
⑨さらに股関節を外旋して薬指の方に向かって膝を曲げます。
・ 5回繰り返します。
⑩もう1度人差し指の方向に膝を曲げます。
・5回繰り返します。
このエクササイズを行うと足首のサイズが変わるだけでなく、足首の影響で崩れていた骨盤の左右差を改善することも出来ます。
実際にはふくらはぎが太くなる原因は単独ではなく、ほとんどの場合はいくつかのパターンが複合しています。
【多くの人が誤解している!つま先立ちをしても無駄⁉【ふくらはぎ瘦せの極意】前半】でお伝えした内容も含めて総合的に原因にアプローチをしてみてください。
AUTHOR
杉山匡人
高校時代の度重なるケガをきっかけに、ケガをしない体を作る方法を学ぶため早稲田大学に入学。卒業後、フィットネスクラブインストラクター、接骨院スタッフ、プロ野球選手のパーソナルトレーナーなどを経験する。 より多くの人を体の悩みから解放するために後進を育てることを決意し、専門学校のアスレティックトレーナーコース長として9年間勤務。解剖学、アスレティックリハビリテーション、ボディワークなどの講義を行う傍ら、あらゆる種目のスポーツ現場でアスレティックトレーナーとして活躍する。 現在、のべ2,500名以上のインストラクターを養成している日本最大級のピラティス団体「PHIピラティスジャパン」「YOGA MOVE」の本部スタジオ「EXECUTIVE7」において日本代表プロ野球選手、元スペイン代表Jリーガーなどのトップアスリートから、モデル、高齢者まで動作指導をする一方で、ピラティス・ヨガインストラクター養成講師をつとめ、多数のトレーナー養成専門学校において非常勤講師として活動。 資格:PHIピラティスマスタートレーナー、YOGA MOVEマスタートレーナー、鍼灸師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、日本赤十字社救急法救急員、栄養コンシェルジュ二つ星 他 講師歴:履正社医療スポーツ専門学校、三幸学園リゾート&スポーツ専門学校、東洋医療専門学校、YMCメディカルトレーナーズスクール 他 メディア:関西電力発行マガジン『withはぴe』「毎日続ける からだメンテナンス」連載 他
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