更年期のメンタルヘルスを健やかに保つために|更年期からのホルモンバランスを整える3つの知恵
何千人もの健康を取り戻し、依存症や摂食障害、自律神経失調症をはじめとする数々の問題を克服するのを支えてきたマイラ・リューイン氏。強さと健康を維持するために心がけるべきこと、そして、更年期の過ごし方について教えてくれました。
ホルモンと幸福感の関係
ホルモンは私たちを幸せにするために重要な役割を果たしています。ホルモンバランスが整っていれば、心は平和で満足感に満ちています。けれども、ホルモンバランスが崩れると、ストレスを感じたり、イライラしたり、落ち込んだりすることがあります。更年期は、多くの人が精神的に不安定になる時期であり、それはホルモン値の変動と関連している可能性があります。しかし、これらの問題や症状を薬やホルモン療法で解決しても、根本的な問題には対処できません。アーユルヴェーダの観点からみると、ホルモン値の乱れは、すでに身体と心の中に存在するアンバランスの結果なのです。しかし、これらのバランスの乱れを自然に解消することは可能です。
更年期におけるホルモン値の変化
更年期になると、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの量が減り、ホルモンの分泌量が自然に変化します。それを補うために、副腎と脳が十分なエストロゲンを供給するようになります。
しかし、副腎や脳が消耗していると、卵巣からの変化に容易に対応できません。そうすると、体内のストレスが高まり、免疫力や活力の素である「オージャス」が減少します。最終的には私たちを消耗させ、メンタルヘルスにも影響を及ぼします。では、なぜこのようなバランスの乱れが起こるのでしょうか。
アーユルヴェーダでは、ホルモンバランスの乱れやメンタルヘルスの問題の多くは、消化の火である「アグニ」の弱さが関係していると考えられています。
ホルモンバランスは腸内環境にも影響するので、消化がうまく機能していればホルモンバランスも安定します。つまり、アグニ(消化の火)の働きが、ホルモンのバランスを整えることにつながるのです。そして、ホルモンのバランスは、精神の安定につながります。
では、ホルモンバランスを整えるためにはどうすればよいのでしょう?
ホルモンバランスを整えるために最も重要なことは、アグニ(消化の火)をケアすることです。ここでは、消化機能を高め、ホルモンバランスを整え、健康で明晰な心を楽しむための3つのヒントをご紹介します。
1. 自然のリズムに合わせる:
人間には、太陽の自然の光に反応する体内時計があり、これを「概日リズム」と呼びます。太陽が昇ると、体の機能が活動的になる様々なホルモンが分泌されます。また、夜になると、体は徐々に休息と回復モードになります。そのため、夜10時までに寝て、朝6時までに起きると、1日の中で最もエネルギーを使うことができ、心身ともに最高の癒しを得ることができます。
2. 呼吸法、瞑想、ヨガのアーサナの実践:
ストレスはアグニ(消化の火)を乱し、オージャス(生命力と免疫力)を奪います。日常生活の中で、自分のためのリラックスできる時間を作りましょう。
3. 寝る前の電子機器の使用を避ける:
電子機器の使用は、私たちの概日リズムと重要なホルモンの分泌を乱します。テレビやスマホなど心を麻痺させるような行動を控えましょう。
私たちのメンタルヘルスは、体内のホルモンのバランスに直接関係しています。ホルモンのバランスは、健康的な消化機能と関係しています。ホルモンのバランスを保つためには、消化のケアをする必要があるのです。
更年期は、ホルモンの変化が自然に起こる人生の一時期ですが、だからといって、精神的にも肉体的にもネガティブな影響を受けることはありません。身体と心のバランスが整っていれば、人生の新たなステージを楽しく、楽に、穏やかに迎えることができます。アーユルヴェーダとヨガは、更年期以降の人生を楽しく過ごすためのツールを提供してくれます。
AUTHOR
マイラ・リューイン
アーユルヴェーダとヨガを30年以上学び実践する。何千人ものクライアントが本来の自然なバランスのとれた健康を取り戻し、依存症や摂食障害、自律神経失調症をはじめとする数々の問題を克服するのを支えてきた。バリを拠点とするHale Pule アーユルヴェーダ & ヨガの創設者・代表として、この2つの変容の科学を学び癒しを得るための幅広い機会を提供する。その内容は、アーユルヴェーダ・ヘルス・コンサルテーションからヨガ・アーユルヴェーダ指導者養成コースにいたるまで多岐にわたる。栄養学とアーユルヴェーダの2方面からコンディションづくりをサポートする食事と、ヨガのクラスが愉しめる今最も注目のコンセプトショップ「THE_B」にて、アーユルヴェーダメニューを監修。
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