自分を労わろうとすると起きる【バックドラフト現象】とは?臨床心理士が教える4つの対処法
バックドラフト現象が起きた時、どうしたらいい?
自分の中に起きている現象に名前をつける
ヨガや瞑想の練習の中で、痛みや違和感などを感じるようであれば、それに対して『これは【バックドラフト現象】である』と名前をつけてみましょう。また、その時はネガティブな感情が現れているはずです。その感情にも名前をつけてみます(例えば、『今感じているこの感情は【悲しみ】だ』など)。こうして名前をつけることを【ラベリング】と言いますが、この作業を行うことで、痛みやネガティブな感情と少し距離をおき、冷静さを取り戻すことができます。
グラウンディングを意識する
【グラウンディング】とは、土台を安定させる、地に足をつけるといった意味合いがあります。不安や焦り、恐怖などネガティブな感情を感じている時は、頭や上半身に気が上がっている状態。そうした状態はよりネガティブ感情を高めると言われています。『腰を据える』とか『足場を固める』という言葉があるように、安定を表す言葉は足腰などの下半身をどっしりと構えることがポイントになります。例えば、ヨガで言えば立位のポーズを多めに行ってみる、四股を踏んでみる、足裏で丁寧に床を感じてみるなど、下半身にフォーカスすることを意識してみましょう。
あえて日常的に行っている行為に意識を向ける
特別なことをせずに、日常的に行っている行為に意識を固定させるのも大切なことです。例えば、食器洗い、掃除、入浴、食事などは日常的に行う行為ですよね。他にも散歩や運動などがルーティンになっている人は、そういったことに意識を向けてみても良いでしょう。その他にも自分が落ち着くこと・平常心でいられる行為であればなんでもO Kです。
つながりを持つ
友人や家族、パートナー、趣味のコミュニティ、カウンセラーなど、何かあったときは自分を手助けしてくれて、一緒にいると心が穏やかでいられるような人たちとつながりを持つことも心の安心安全を促してくれます。普段から自分のサポート資源になるものを見つけておくと良いでしょう。
痛みは成長の証でもある
バックドラフト現象を経験すると、『続けたくない』とか『やっぱり自分に優しくするなんて無理!』といった思いになることもあるでしょう。しかし、こうした痛みや恐怖・不安の感情は、変化する上で欠かせない成長痛のようなものであり、セルフ・コンパッションが正しく行われているというサインでもあります。決して無理をする必要はありませんが、信頼できる先生の元で練習してみたり、自分にとって安心安全でいられるものや事柄を見つけ、バランスを取りながら実践していけると良いですね。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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