孤独が生み出す【セルフ・ネグレクト】その兆候とリスクは?私たちができる対処法|臨床心理士が解説
セルフ・ネグレクトを防ぐためにできることは?
つながりを持つこと
人とのつながりの有無が、セルフ・ネグレクトを防ぐことにもつながります。特に一人暮らしの方は、孤独感を抱きやすくなりがち。セルフ・ネグレクトは誰にでも起こる可能性があります。そういった意味でも普段からつながりを持っておくことが予防になります。
困っていることを相談、頼るスキルを身につける
頑張り屋でマジメな人ほど、『困っている』『助けて欲しい』が言えずに一人で抱え、それが抱えきれなくなり、燃え尽きてしまうといったことが起きがち。周囲の人に頼ることもセルフ・ネグレクトを防ぐために大切なことです。しかし、他人を頼るスキルはすぐに身につくものではありません。普段から小さいことでも人に相談するということを意識してみましょう。
身体の声を聞こう
身体は私たちが思っているよりも正直者。しんどい時は、肩まわりが硬い、身体が重い、眠気が常に続いている、呼吸が浅いなど何らかのサインを出しているはずです。そういった身体の声を『怠けだ』『何とかなる』と否定し無視し続けていると、気付いたらセルフ・ネグレクトになっていたなんてことも。身体がしんどいと思うことは悪いこと、特別なことではありません。むしろ誰にでもあることです。『こんなに身体が重くなるくらい頑張っていたんだね』『今私は疲れてるんだね』など、ぜひ自分の身体の声に正直に、そして優しい言葉をかけてあげて下さい。
もしかしたらセルフ・ネグレクト?周囲の人を守るために
『この人セルフ・ネグレクトかも?』と感じる人が、もしかしたら身近にいるかもしれません。そういった時はぜひ声かけだけでもしてほしいです。孤独感はセルフ・ネグレクトを引き起こす最大の原因。そうならないためにも周囲が『気にしている』という姿勢を見せることが予防につながります。このご時世で、つながりを持つことはなかなか難しいですが、一人ひとりの意識で、セルフ・ネグレクトになる人を防ぐことができるかもしれません。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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