【大切な人を自殺から守るために…】私たちができる「TALKの原則」とやってはいけない3つの行動


毎年9月10日から9月16日は自殺予防週間です。大切な人を自殺から守るために、私たちができることは何なのでしょうか。臨床心理士が解説します。
コロナ禍で増える、自殺
厚生労働省の調査によると、2020年の日本の自殺者数は21081人で、前年よりも約4.5%増えたとされています。その中でも増えたのが、女性と小学生、中学生、高校生などの若年層の自殺です。この結果は、コロナが直接的な原因というよりも、コロナによって外出自粛や行動制限を余儀なくされ、生活のスタイルが一変したこと、状況の変化と共に、それまで見えてこなかった問題が表面化・深刻化したことによるものと言えるでしょう。コロナの流行が始まって約1年半、その終わりが見えないことや、ワクチン摂取に対する意見の違いなど、私たちにとってストレスになりそうなことはまだまだたくさんあり、それらによって気持ちが沈む、将来に希望を見出せないといった心理になる可能性は誰にでもあります。脅すわけではありませんが、私たちの身近な人が自殺という手段を選ぶといったことが起きる可能性もゼロではありません。そういった事態を防ぐためにも、対応方法について知っておくことが大切なのです。
自殺の前には何かしらのサインがある?
『自殺は突然に起きる』『自殺は防ぐことができない』というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実はそうではありません。多くの自殺には、実行する前に何かしらの言葉や行動などによるサインが見られると言われています。そのサインに気付くことで、大切な命を守ることができるかもしれません。
自殺前に起きると言われているサイン
・感情が不安定になる(突然涙ぐむ、落ち着きがない、イライラを爆発させる)
・抑うつ的な態度から一変、不自然なほど明るい様子を見せる
・自分の身なりに構わなくなる
・これまで関心があったことに興味を見せなくなる
・強い信頼関係を抱いていた人に見捨てられる、あるいは近しい人の死を経験する
・飲酒や喫煙などの量が突然増える
・大切なものを突然整理し始めたりする
・孤独感を感じやすい状況にある
・仕事を失ったことによる金銭や生活の問題がある
・自殺に対する思いや、計画が具体的なものになる
・過去に自殺未遂などをしたことがある。
などです。これら以外にも、『あれ?いつもと様子が違うかも?』と感じた時は、その感覚を信じ、注意深く見ておきましょう。
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