「土鍋で炊くご飯」がもたらしたもの|栄養よりも大切なことって?真の健康について改めて考えてみた
真の健康は、何を食べるか/食べないかではなく、もっとシンプルなことにありました。
「土鍋で炊くご飯」がもたらしたものは栄養だけではなかった
コロナ時代になり、健康について本気で考える人が増えています。ところで、健康って何でしょう。どうやって手に入れることができるのでしょうか。
健康についてのチェック項目は、早寝早起きをしているか、朝ごはんを食べているか、運動をしているか。基本的なのはそんなところでしょう。もう少し細かくなってくると、一食分のカロリーは何キロカロリーか、野菜は食べているか、一日にどれくらい水分をとっているか。もっと細かくなってくると、サプリメントを飲んでいるか、一日30品目食べているか、などなど。
世の中にあふれている健康情報から、あなたは何を選んで実践していますか?そしてそれは長続きしていますか?
コロナウイルスが流行し始めた頃、食養生という健康法を実践していた私は、緊急事態宣言と共に土鍋を買い、朝から自宅で玄米を炊き始めました。栄養が豊富な玄米は精のある生きた食べ物です。最初は白米に半分くらい混ぜて炊いて、慣れてきたら徐々に玄米の量を増やしていき、お味噌汁とお漬物と一緒に家族で朝ごはんを食べました。
それまで朝は子供たちの希望でパンを食べていたので、最初はちょっとブーイングが起きました。でもすぐにご飯、お味噌汁、お漬物、ふりかけ、梅干しなどのシンプルな食材ばかりがテーブルに並ぶことに慣れて、私にとっても朝ごはんのメニューに朝から頭を悩ませなくてよくなり助かりました。何より土鍋で炊いたご飯のおこげが子供たちに大好評でした。
その後も、ご飯とお味噌汁中心の献立を朝晩にいただく良い習慣ができ、それは今でもずっと続いています。
この習慣によって我が家の食生活の基盤がしっかりと構築されてゆるぎないものとなりましたが、私が疲れているときはスーパーなどで買ってきたものを食べるなどして、完璧は目指していません。
でも、この基盤のおかげで少しくらい乱れることがあっても大丈夫だという安心感があり、自分にとって心の健康の面でとても良い影響があると感じています。
栄養よりも作用するものは「心」
東洋医学を基本としている食養生は「心の健康」を重視します。健康とは体の中で気が巡っていることで、ポジティブな考え方や自己肯定感、感謝の気持ちが心身のバランスを整えるというものです。
何を食べるかよりも心の健康が身体に大きく影響するということは、一生懸命何を食べるか・何を食べないかを考えてきた人たちにとっては拍子抜けするのではないでしょうか。私たちはそれほど「目に見えないもの」を敬うことを後回しにしているのかもしれません。
十数年前にヨガが流行を超えて日本に定着し、ビジネスマンが瞑想をするようになり、心身のつながりや脳科学、マインドフルネスが注目を集めていかにストレスから解放されるか、心の健康が大切かということが世の中に浸透し、認知され始めました。一方、心が体に影響するという現代では当たり前のような話でも、実際は目の前にある物の価値で判断してしまいがちです。
では、具体的に何をしたら心の健康が手に入るのでしょう。
食養生では、ポジティブな思考を持つことと感謝をすることが大切であると説いています。
まずは一番身近な自分自身に感謝を向けます。そして何より自分自身を好きだと言えることが大切です。自分を好きであれば、自然と自分を取り巻く周囲の人たちや環境にも感謝ができるのです。しかし、実際は誰でもポジティブな思考ばかりではなく、ネガティブな思考が存在します。ネガティブな思考を否定して無理やりポジティブに…というのは逆にネガティブを増やすことになるので、自分の中にあるネガティブを認めることも大切です。ヨガの考え方で言うと、ありのままの自分を受け入れること。食養生の考え方で言うと、陰陽のバランスを整えることが健康。どちらも心を大切にしています。
ご飯を食べる前には手を合わせて「いただきます」と言いましょう。周りの人たちや料理をしてくれた人、食べ物が作られる背景や環境にも感謝をしましょう。日本には言霊、インドにはマントラがあるように、言葉には魂があります。感謝の気持ちをいつも口にすることで、私たちの内面は浄化されます。日本人はありがとうの代わりにすみません、という習慣があるので日常から意識してありがとう、と言えるようにしましょう。
そして、誉め言葉を素直に受け取りましょう。謙遜していてはもったいない!褒められたら素直に「ありがとう」と言う方が健康的です。
自分への愛と感謝は健全な肉体と精神を育みます。心の養生をして真の健康を手に入れましょう。
AUTHOR
綾
ヨガインストラクター、食養生コーディネーター。幼少期からクラシックバレエ、ダンスなどの身体活動を経験、2004年よりヨガを練習し始める。ヨガの呼吸とバランスの取れた動きと疲れた心身を回復する絶大な効果に感銘を受け、ヨガをライフワークにするためにインストラクターとなる。2005年~2021年までの間スタジオを中心にヨガインストラクターとして活動。現在はオンラインのグループレッスンとプライベートレッスン、対面の産後ヨガ、シニア向けのヨガを教えている。専門は「女性のためのヨガ」であり、女性の様々なライフステージをヨガでサポートするためのクラスやワークショップを開催。精神の学びにはまず体と心の健康が欠かせないという気づきから、食養生とアーユルヴェーダを学び実践中。真の健康と美しさを探求している。
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